どうも、担当者のヤマケンです→今回の疾病はいったいどのような病態なのでしょうか?それでは皆さん、御一緒に診ていきましょう。
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どんな病気?
弁膜症(べんまくしょう)とは…心臓の弁(弁膜)に異常が生じる疾患です。心臓には血液の流れを制御する4つの弁(僧帽弁+三尖弁+大動脈弁+肺動脈弁)があり、これらが正常に開閉しないと血液の循環が妨げられます。
弁膜症は以下の2つに分類されます。
閉鎖不全症
弁が完全に閉じないため血液が逆流する状態。
狭窄症
弁が十分に開かず血液の流れが制限される状態。

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・身体の不調で当てはまりそうな病気を探している
・心臓疾患について勉強している
・知的好奇心が旺盛
1.原因


原因とは…病気の発症メカニズム(病因論)の中でその役割が科学的に証明されることで認識され、複数の要因が相互に影響し合って病気を引き起こす場合もあり、それは 誘因/危険因子 として区別され「その疾患を成立させるために必要で且つ十分な条件」と定義できます。
以上を踏まえると、弁膜症においては複合的であり以下が主な要因です。
|加齢
弁膜の老化による 石灰化/硬化 が進むことで起こる。
|リウマチ熱
過去のリウマチ熱が弁にダメージを与え、後に弁膜症を引き起こすことがある。
|先天性異常
生まれつき弁が正常に形成されていない場合。
|感染性心内膜炎
細菌/ウイルス による感染が弁を損傷することがある。
2.症状


症状とは…患者自身が主観的に認識する身体的または精神的な異常のことを指し、これは医療者が観察可能な徴候(しるし)と区別され⇒痛み・疲労・吐き気・不安 など、患者の自覚に基づく訴えが中心です。
症状は病気の診断や治療方針の決定において重要な情報源であり、患者と医療者のコミュニケーションを通じて初めて明らかになる点が特徴で、弁膜症においては進行度や種類によりますが、以下が一般的です。
|息切れ
特に 運動時/横になるとき に感じやすい。
|胸痛
狭心症様の痛みが現れる場合がある。
|心拍異常
動悸や不整脈が発生することがある。
|むくみ
足や腹部の浮腫が見られる。
|疲労感
軽い活動でも疲れを感じる。
|失神
特に大動脈弁狭窄症の場合、血流不足による意識喪失が起こることがある。
3.治療


治療とは…病気やケガなどの健康状態の異常を 改善/回復 させることを目的として行われる行為や介入を指し、具体的には⇒薬物療法・手術・リハビリテーション・心理的支援 などの方法が含まれ、症状の軽減/原因の除去/生活の質向上 を目指します。
治療の本質は科学的根拠に基づき、患者個々の状況に応じた最適な介入を選択することにあり、弁膜症においては病状の進行度と弁の損傷の程度に応じて異なり、以下が主な方法です。
|薬物療法
薬物療法
軽度の場合、症状を緩和して進行を抑えるための薬が使用されます。
|カテーテル治療
カテーテル治療
> 経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)
開胸手術が難しい患者に適用される。
> バルーン弁形成術
狭窄した弁を広げるための方法。
|外科的手術
外科的手術
> 弁形成術
患部の弁を修復する。
> 弁置換術
損傷した弁を人工弁(機械弁または生体弁)に置き換える。
> 経過観察
症状が軽微な場合は定期的な 診察/検査 で進行をモニタリングする。
4.予防


予防とは…病気が発生する前にそのリスクを減少させる、または病気の進行を抑制し健康を維持するための 行動/介入 を指し、これには⇒一次予防(発症の防止)・二次予防(早期発見と治療)・三次予防(病状の悪化防止)が含まれます。
予防は個人の行動+社会環境+医療介入 の三位一体で行われるものであり、弁膜症にならない為には以下の方法が推奨されます。
|生活習慣の改善
生活習慣の改善
- 高血圧/糖尿病 などのリスク因子を管理
- 塩分/脂肪 の摂取を控えたバランスの取れた食事を心がける
- 適度な運動を続けて体重を適正範囲に維持
|感染予防
感染予防
感染性心内膜炎を予防するための 歯科治療/外科手術 の前に、適切な抗菌薬を使用して口腔衛生を徹底する。
|定期検診
定期検診
心雑音/不整脈 などの症状がある場合は、早期に診察を受ける。
|禁煙/節酒
禁煙/節酒
喫煙は血管の健康を損ない、弁膜症の進行を加速させる可能性があるため禁煙が推奨される。
おわりに
弁膜症は心臓の弁の異常により血液循環に支障をきたす病気であり、原因や症状は多岐にわたります。早期発見と適切な治療が重要で、生活習慣の改善や感染予防が予防につながります。疑わしい症状がある場合は早めに医療機関を受診しましょう。