どうも、担当者のヤマケンです→今回の疾病はいったいどのような病態なのでしょうか?それでは皆さん、御一緒に診ていきましょう。
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どんな病気?
迷走神経障害(めいそうしんけいしょうがい)とは…第10脳神経である迷走神経(Vagus nerve)が何らかの原因で機能不全を起こし、さまざまな自律神経症状を引き起こす疾患です。迷走神経は、延髄から起こり⇒咽頭・喉頭・心臓・消化器官 などに広く分布し、⇒呼吸・循環・消化などの重要な機能を調節する役割を担っています。そのため、障害が生じると多岐にわたる症状が現れることがあります。

この記事は次のような人におすすめ!
・身体の不調で当てはまりそうな病気を探している
・副交感神経疾患について勉強している
・知的好奇心が旺盛
1.原因


原因とは…病気の発症メカニズム(病因論)の中でその役割が科学的に証明されることで認識され、複数の要因が相互に影響し合って病気を引き起こす場合もあり、それは 誘因/危険因子 として区別され「その疾患を成立させるために必要で且つ十分な条件」と定義できます。
以上を踏まえると、迷走神経障害においては以下のような要因が関与することが多いです。
|物理的圧迫
物理的圧迫
|炎症/感染
炎症/感染
> ウイルス感染
帯状疱疹ウイルス/インフルエンザウイルス など。
> 自己免疫疾患
ギランバレー症候群 など。
|神経変性疾患
- パーキンソン病
- 多系統萎縮症 ※MSA
|自律神経失調症
ストレス/疲労 による自律神経の乱れ。
|薬剤の影響
薬剤の影響
- 抗コリン薬
- 降圧薬の服用
- 精神安定剤の副作用
上記などが起因になる。
2.症状


症状とは…患者自身が主観的に認識する身体的または精神的な異常のことを指し、これは医療者が観察可能な徴候(しるし)と区別され⇒痛み・疲労・吐き気・不安 など、患者の自覚に基づく訴えが中心です。
症状は病気の診断や治療方針の決定において重要な情報源であり、患者と医療者のコミュニケーションを通じて初めて明らかになる点が特徴で、迷走神経障害においては全身のさまざまな臓器と関係しているため、症状も多岐にわたり以下の通りです。
|呼吸器系の症状
呼吸器系の症状
- 息苦しさ/呼吸困難
- 喉の違和感/声のかすれ ※喉頭麻痺
|循環器系の症状
循環器系の症状
- 動悸/頻脈/徐脈
- 低血圧/失神 ※迷走神経反射
|行動的症状
行動的症状
- 胃もたれ/胃痛
- 吐き気/嘔吐
- 腹部膨満感/便秘または下痢
|神経/精神症状
神経/精神症状
- ふらつき/眩暈
- 頭痛
- 不安感/パニック発作
3.治療


治療とは…病気やケガなどの健康状態の異常を 改善/回復 させることを目的として行われる行為や介入を指し、具体的には⇒薬物療法・手術・リハビリテーション・心理的支援 などの方法が含まれ、症状の軽減/原因の除去/生活の質向上 を目指します。
治療の本質は科学的根拠に基づき、患者個々の状況に応じた最適な介入を選択することにあり、迷走神経障害においては原因によって異なりますが、一般的には以下の方法が用いられます。
|原因疾患の治療
原因疾患の治療
> 腫瘍が原因の場合
外科的切除をおこなう。
> 感染症が原因の場合
抗ウイルス薬/抗生物質 を処方する。
> 自己免疫疾患の場合
ステロイド/免疫抑制剤 を適用する。
|薬物療法
薬物療法
> 自律神経調整薬
自律神経を整える効果がある。
> 消化管機能調整薬
胃腸の運動を促進させる効果。
> 抗不安薬/抗うつ薬
自律神経症状を緩和させる。
|リハビリ/理学療法
リハビリ/理学療法
- 発声訓練 ※喉頭麻痺がある場合
- 頸部マッサージ/ストレッチ ※神経圧迫の軽減
|迷走神経刺激療法
迷走神経刺激療法
電気刺激を利用して迷走神経を活性化させる治療法。
※うつ病/難治性てんかん などに応用
|生活習慣の改善
生活習慣の改善
- ストレス管理 ※リラクゼーション/瞑想
- 食生活の改善 ※胃腸への負担を減らす食事
4.予防


予防とは…病気が発生する前にそのリスクを減少させる、または病気の進行を抑制し健康を維持するための 行動/介入 を指し、これには⇒一次予防(発症の防止)・二次予防(早期発見と治療)・三次予防(病状の悪化防止)が含まれます。
予防は個人の行動+社会環境+医療介入 の三位一体で行われるものであり、迷走神経障害を防ぐためには以下の対策が有効です。
|ストレス管理
ストレス管理
- ヨガ
- 瞑想
- 深呼吸
上記などで自律神経を整えて、規則正しい生活リズムを保つ。
|適切な姿勢を保つ
適切な姿勢を保つ
長時間のデスクワークではこまめにストレッチを行い、首/肩 の緊張を和らげるなど、適度な運動で血流を改善する。
|バランスの取れた食事
バランスの取れた食事
脂っこいものを避けて発酵食品を摂り、胃腸に優しい食事を心がける。そして、アルコール/カフェイン の過剰摂取なども控えること。
|感染症予防
感染症予防
手洗い/うがい を徹底してウイルス感染を防ぎ、ワクチン接種(インフルエンザ/コロナ)なども検討する。
|過度な薬剤
過度な薬剤
医師の指示に従い、必要以上の薬剤を摂取しないこと。
※用法用量を守って正しくお使いください
おわりに
迷走神経障害はさまざまな原因によって発症し、⇒呼吸・循環・消化器系 など全身に影響を及ぼす可能性があります。原因によって治療法は異なりますが、薬物療法/理学療法/生活習慣の改善 などが有効です。特に、ストレス管理/姿勢の改善/適切な食生活 が予防につながります。もし疑わしい症状がある場合は、早めに医療機関を受診することが重要です。