どうも、担当者のヤマケンです→今回の疾病はいったいどのような病態なのでしょうか?それでは皆さん、御一緒に診ていきましょう。
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どんな病気?
尿失禁(にょうしっきん)とは…排尿をコントロールできなくなり不随意に尿が漏れてしまう状態を指します。日常生活の質を低下させる原因となることが多く、男女を問わず発生します。特に女性や高齢者に多い傾向があります。

この記事は次のような人におすすめ!
・身体の不調で当てはまりそうな病気を探している
・膀胱疾患について勉強している
・知的好奇心が旺盛
1.原因


原因とは…病気の発症メカニズム(病因論)の中でその役割が科学的に証明されることで認識され、複数の要因が相互に影響し合って病気を引き起こす場合もあり、それは 誘因/危険因子 として区別され「その疾患を成立させるために必要で且つ十分な条件」と定義できます。
以上を踏まえると、尿失禁においては要因が複合的であり以下の通りです。
|腹圧性尿失禁
腹圧性尿失禁
咳/くしゃみ/笑う/重い物を持ち上げる などの動作で腹圧が上がり尿が漏れる状態です。
原因
骨盤底筋の⇒弱化・出産・加齢・肥満 など
|切迫性尿失禁
切迫性尿失禁
強い尿意を感じた際に、トイレまで間に合わずに漏れる状態です。
2.症状


症状とは…患者自身が主観的に認識する身体的または精神的な異常のことを指し、これは医療者が観察可能な徴候(しるし)と区別され⇒痛み・疲労・吐き気・不安 など、患者の自覚に基づく訴えが中心です。
症状は病気の診断や治療方針の決定において重要な情報源であり、患者と医療者のコミュニケーションを通じて初めて明らかになる点が特徴で、尿失禁においては以下が一般的です。
- 尿の漏れ ※少量から大量までさまざま
- 突然の強い尿意
- トイレの回数が多い ※頻尿
- 夜間頻尿/夜尿症
- 日常生活の支障 ※外出を控える/心理的ストレス など
3.治療


治療とは…病気やケガなどの健康状態の異常を 改善/回復 させることを目的として行われる行為や介入を指し、具体的には⇒薬物療法・手術・リハビリテーション・心理的支援 などの方法が含まれ、症状の軽減/原因の除去/生活の質向上 を目指します。
治療の本質は科学的根拠に基づき、患者個々の状況に応じた最適な介入を選択することにあり、尿失禁においては原因や重症度に応じて選択され、以下の方法があります。
|行動療法
行動療法
> 骨盤底筋訓練(ケーゲル体操)
骨盤底筋を鍛えるエクササイズ。
※腹圧性尿失禁に有効
> 膀胱訓練
排尿間隔を延ばす訓練であり、切迫性尿失禁に効果的。
|薬物療法
薬物療法
過活動膀胱に対して 抗コリン薬/β3アドレナリン受容体作動薬 が処方されて、前立腺肥大には α遮断薬/ホルモン調節薬 が用いられる。
|デバイス療法
デバイス療法
骨盤底を支えるペッサリー(リング状のデバイス)を挿入する。
※尿道の閉鎖を補助する器具
|外科的治療
外科的治療
スリング手術。(尿道の下にメッシュを挿入してサポート)
※前立腺肥大や膀胱障害の手術
|生活習慣の改善
生活習慣の改善
- 適度な運動/体重管理 に加えて便秘の予防
- カフェイン/アルコール の摂取制限
4.予防


予防とは…病気が発生する前にそのリスクを減少させる、または病気の進行を抑制し健康を維持するための 行動/介入 を指し、これには⇒一次予防(発症の防止)・二次予防(早期発見と治療)・三次予防(病状の悪化防止)が含まれます。
予防は個人の行動+社会環境+医療介入 の三位一体で行われるものであり、尿失禁においては以下の対策が有効です。
|骨盤底筋の強化
骨盤底筋の強化
ケーゲル体操を定期的に行い骨盤底筋を鍛える。
|健康的な生活習慣
健康的な生活習慣
- 適度な運動で体重を管理
- 食物繊維を摂取して便秘を防ぐ
- 水分摂取を適切に管理 ※過剰な水分摂取は避ける
|膀胱の健康を保つ
膀胱の健康を保つ
- 過剰なカフェインや刺激物を控える
- 規則的な排尿習慣を意識する
|適切な治療
適切な治療
初期の症状に気づいたら早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受ける。
おわりに
尿失禁は恥ずかしいと感じる方も多いですが、適切な治療と対策を取ることで改善や管理が可能です。気になる症状があれば専門医(泌尿器科や婦人科)に相談することをお勧めします。