どうも、担当者のヤマケンです→今回の疾病はいったいどのような病態なのでしょうか?それでは皆さん、御一緒に診ていきましょう。
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どんな病気?
外傷性脳損傷(がいしょうせいのうそんしょう:TBI)とは…外部からの衝撃や外力によって脳が損傷を受ける状態を指します。⇒交通事故・転倒・スポーツ中の衝突・暴行 などが原因で、脳が頭蓋骨に衝突したり頭蓋骨が損傷することによって発生します。
TBIは軽度(脳震盪 など)から重度(意識障害や永続的な障害を伴うもの)まで幅広い症状が見られ、生命に関わる場合もあります。

この記事は次のような人におすすめ!
・身体の不調で当てはまりそうな病気を探している
・前頭葉疾患について勉強している
・知的好奇心が旺盛
1.原因


原因とは…病気の発症メカニズム(病因論)の中でその役割が科学的に証明されることで認識され、複数の要因が相互に影響し合って病気を引き起こす場合もあり、それは 誘因/危険因子 として区別され「その疾患を成立させるために必要で且つ十分な条件」と定義できます。
以上を踏まえると、TBIにおいては以下が挙げられます。
|交通事故
車両衝突/自転車事故/歩行者が車に衝突される など。
|転倒
高齢者や小児で特に多く、階段や浴室での事故が一般的です。
|スポーツ/レクリエーション
接触の多いスポーツ(アメリカンフットボール/ラグビー など)や、ヘルメットを使用しない活動。(自転車/スケートボード など)
暴力や外的衝撃
頭部への殴打や銃創。
産業事故
高所からの落下や重機の操作ミス など。
2.症状


症状とは…患者自身が主観的に認識する身体的または精神的な異常のことを指し、これは医療者が観察可能な徴候(しるし)と区別され⇒痛み・疲労・吐き気・不安 など、患者の自覚に基づく訴えが中心です。
症状は病気の診断や治療方針の決定において重要な情報源であり、患者と医療者のコミュニケーションを通じて初めて明らかになる点が特徴で、TBIにおいては損傷の程度や位置によって異なりますが、以下のようなものがあります。
|軽度の症状
軽度の症状
- 一時的な 意識喪失/意識混濁
- 頭痛
- めまい/吐き気/嘔吐
- 集中力/記憶力 の低下
- 視覚/聴覚 の異常 ※ぼやける視界/耳鳴り
|中度から重度の症状
中度から重度の症状
- 長時間の 意識喪失/昏睡状態
- 強い頭痛
- 言語/理解 の困難
- 痙攣/発作
- 四肢の麻痺/運動機能の低下
- 情緒不安定/人格変化
- 呼吸困難/心拍数の異常
3.治療


治療とは…病気やケガなどの健康状態の異常を 改善/回復 させることを目的として行われる行為や介入を指し、具体的には⇒薬物療法・手術・リハビリテーション・心理的支援 などの方法が含まれ、症状の軽減/原因の除去/生活の質向上 を目指します。
治療の本質は科学的根拠に基づき、患者個々の状況に応じた最適な介入を選択することにあり、TBIにおいては損傷の程度によって異なり、主な治療法を以下に挙げます。
|緊急処置
緊急処置
血腫や頭蓋内圧の上昇が疑われる場合は、緊急手術で圧迫を軽減します。
※気道確保や心肺蘇生が必要
|薬物療法
薬物療法
- 脳の腫れを抑えるための ステロイド/利尿薬
- 発作を予防する抗けいれん薬
- 頭痛や精神症状を和らげる鎮痛薬や抗不安薬
|リハビリテーション
リハビリテーション
> 理学療法
運動機能の回復。
> 作業療法
日常生活のスキルの再習得。
> 言語療法
言語/コミュニケーション 能力の改善。
> 認知療法
記憶/注意力 の回復を目指す。
|心理的支援
心理的支援
患者本人や家族への心理サポートも重要です。
4.予防


予防とは…病気が発生する前にそのリスクを減少させる、または病気の進行を抑制し健康を維持するための 行動/介入 を指し、これには⇒一次予防(発症の防止)・二次予防(早期発見と治療)・三次予防(病状の悪化防止)が含まれます。
予防は個人の行動+社会環境+医療介入 の三位一体で行われるものであり、以下の対策を講じることでTBIのリスクを大幅に軽減できます。
|ヘルメットの着用
ヘルメットの着用
自転車/バイク/スケートボード/コンストラクション現場 などで適切なヘルメットを使用する。
|交通安全を徹底
交通安全を徹底
- シートベルトの着用
- 適切なチャイルドシートの使用
- 飲酒運転/スマホ操作 を避ける
|転倒防止
転倒防止
> 高齢者の場合
- 家の中の障害物を取り除く
- 手すりの設置 ※バリアフリー等
> 子供の場合
遊具の安全確認を徹底する。
※メンテナンス等
|スポーツでの安全対策
スポーツでの安全対策
保護具の使用や安全なルールの遵守。
|暴力防止
暴力防止
家庭内外の暴力防止プログラムの導入や、早期の介入。
おわりに
これらを実践することで外傷性脳損傷の発生を防ぎ、リスクを最小限に抑えることが可能です。