どうも、担当者のヤマケンです→今回の疾病はいったいどのような病態なのでしょうか?それでは皆さん、御一緒に診ていきましょう。
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どんな病気?
脾臓破裂(ひぞうはれつ)とは…腹部に位置する脾臓(ひぞう)が何らかの原因で破裂して内部の血液が腹腔内に漏れ出す状態を指します。脾臓はリンパ系に属し⇒免疫機能・古い赤血球の破壊・血液の貯蔵 を担う重要な臓器であり、破裂すると急激な出血やショック状態を引き起こして生命に関わる重篤な状態になることがあります。

この記事は次のような人におすすめ!
・身体の不調で当てはまりそうな病気を探している
・脾臓疾患について勉強している
・知的好奇心が旺盛
1.原因


原因とは…病気の発症メカニズム(病因論)の中でその役割が科学的に証明されることで認識され、複数の要因が相互に影響し合って病気を引き起こす場合もあり、それは 誘因/危険因子 として区別され「その疾患を成立させるために必要で且つ十分な条件」と定義できます。
以上を踏まえると、脾臓破裂においては多岐にわたり以下のように分類されます。
|外傷性原因
外傷性原因
- 腹部の強い打撲 ※交通事故/転倒 もしくはスポーツ中の衝突 など
- 銃器や刃物による外傷
|非外傷性原因
非外傷性原因
> 感染症
マラリアや伝染性単核球症(EBウイルス感染)などが、脾臓を腫大させて破裂を引き起こすこともあります。
> 血液疾患
白血病や血小板減少症に伴う、脾腫(脾臓の肥大)によるもの。
> 薬剤/治療 の影響
抗凝固薬や血栓溶解薬を使用している場合は、脾臓への負担が増大することがあります。
> その他
妊娠や全身性疾患(全身性エリテマトーデス など)が背景にある場合も、稀に見られます。
2.症状


症状とは…患者自身が主観的に認識する身体的または精神的な異常のことを指し、これは医療者が観察可能な徴候(しるし)と区別され⇒痛み・疲労・吐き気・不安 など、患者の自覚に基づく訴えが中心です。
症状は病気の診断や治療方針の決定において重要な情報源であり、患者と医療者のコミュニケーションを通じて初めて明らかになる点が特徴で、脾臓破裂においては以下の通りです。
|急性腹痛
左上腹部や左肩に放散する痛み(ケーア徴候)が典型的です。
|ショック症状
- 急激な血圧低下
- 冷や汗
- 頻脈
- めまい
- 失神
|腹部膨満感/圧痛
腹腔内出血による腹部の腫れや、圧痛がみられる事があります。
|貧血症状
顔色の蒼白/息切れ などの血液喪失による症状が現れます。
3.治療


治療とは…病気やケガなどの健康状態の異常を 改善/回復 させることを目的として行われる行為や介入を指し、具体的には⇒薬物療法・手術・リハビリテーション・心理的支援 などの方法が含まれ、症状の軽減/原因の除去/生活の質向上 を目指します。
治療の本質は科学的根拠に基づき、患者個々の状況に応じた最適な介入を選択することにあり、脾臓破裂においては状態の緊急性と破裂の程度によって異なりますが、主に以下の方法があります。
|保存的治療
保存的治療
軽度の破裂/出血が少ない場合 入院して安静にしながら慎重に経過を観察。
※輸血や点滴で循環血液量を維持
|手術
手術
> 脾臓摘出術(スプラネクトミー)
脾臓を完全に摘出する方法で、重度の破裂時に実施されます。
> 脾臓部分切除術
可能であれば破裂した部分のみを切除し、脾臓機能を部分的に残します。
|血管塞栓術
血管塞栓術
脾臓内の出血を止めるため、カテーテルを用いて血管を塞ぐ方法です。
※低侵襲な選択肢として注目
4.予防


予防とは…病気が発生する前にそのリスクを減少させる、または病気の進行を抑制し健康を維持するための 行動/介入 を指し、これには⇒一次予防(発症の防止)・二次予防(早期発見と治療)・三次予防(病状の悪化防止)が含まれます。
予防は個人の行動+社会環境+医療介入 の三位一体で行われるものであり、脾臓破裂においては以下の対策を講じることでリスクを軽減できます。
|外傷の回避
外傷の回避
交通事故やスポーツ中の衝突に注意し、適切な保護具を使用する。
|感染症予防
感染症予防
ワクチン接種(特にマラリア地域への渡航前に)や感染症対策を徹底する。
|基礎疾患の管理
基礎疾患の管理
血液疾患や免疫疾患がある場合は、定期的な診察を受けて脾臓の状態を管理する。
|薬剤の適切な使用
薬剤の適切な使用
抗凝固薬を使用している場合は、医師と相談して適切な投薬量を守る。
|体調不良時の早期受診
体調不良時の早期受診
脾腫が疑われる場合は、早めに医師の診察を受けることで破裂リスクを低減できます。
おわりに
これらの情報を元に、脾臓破裂について理解を深め予防と早期対応に努めることが重要です。