どうも、担当者のヤマケンです→今回の疾病はいったいどのような病態なのでしょうか?それでは皆さん、御一緒に診ていきましょう。
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どんな病気?
副鼻腔炎(ふくびくうえん)とは…副鼻腔(鼻の周囲にある空洞)に炎症が生じる病気です。通常、副鼻腔は空気で満たされており、粘膜から分泌される粘液が鼻腔へと排出されます。しかし、感染やアレルギーなどが原因で副鼻腔の粘膜が腫れると、粘液の排出が滞り 細菌/ウイルス が増殖しやすい環境が生まれます。その結果、炎症が持続して様々な症状を引き起こします。
急性と慢性に分類されて急性副鼻腔炎は風邪などに伴って発症し、適切な治療で数週間以内に治癒することが一般的です。一方、慢性副鼻腔炎は12週間以上続く症状が特徴で、治療が長期間にわたることが多く、場合によっては手術が必要となることもあります。

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・知的好奇心が旺盛
1.原因


原因とは…病気の発症メカニズム(病因論)の中でその役割が科学的に証明されることで認識され、複数の要因が相互に影響し合って病気を引き起こす場合もあり、それは 誘因/危険因子 として区別され「その疾患を成立させるために必要で且つ十分な条件」と定義できます。
以上を踏まえると、副鼻腔炎における主な要因は以下の通りです。
|ウイルス感染
風邪やインフルエンザなどのウイルスが、鼻粘膜に感染して副鼻腔の粘膜が腫れて炎症を引き起こします。
|細菌感染
ウイルス感染によって粘液の排出が妨げられると、細菌が増殖しやすくなり副鼻腔炎が悪化することがあります。
|アレルギー性鼻炎
アレルギー反応によって鼻粘膜が慢性的に腫れ、副鼻腔の換気が悪くなり炎症を引き起こすことがあります。
|鼻中隔湾曲症/鼻ポリープ
鼻の構造的な異常によって、副鼻腔の通気が悪くなり慢性的な炎症を引き起こす。
|刺激物の吸入
タバコの煙/粉塵/化学物質 などが鼻の粘膜を刺激して、副鼻腔炎を引き起こす原因となることがあります。
|免疫力の低下
糖尿病/自己免疫疾患/慢性疲労 などで免疫力が低下すると、副鼻腔炎にかかりやすくなります。
2.症状


症状とは…患者自身が主観的に認識する身体的または精神的な異常のことを指し、これは医療者が観察可能な徴候(しるし)と区別され⇒痛み・疲労・吐き気・不安 など、患者の自覚に基づく訴えが中心です。
症状は病気の診断や治療方針の決定において重要な情報源であり、患者と医療者のコミュニケーションを通じて初めて明らかになる点が特徴で、副鼻腔炎の主な症状には以下のようなものがあります。
|鼻づまり(鼻閉)
副鼻腔の炎症により鼻腔が狭くなり、呼吸がしづらくなる。
|鼻水(鼻漏)
黄色/緑色 など粘性の高い鼻水が出ることが多い。
|後鼻漏(こうびろう)
鼻水が喉へ流れ込み、咳/喉 の違和感を引き起こす。
|顔面痛/圧迫感
頬/目の周囲/おでこ(前頭部) に痛みや重苦しさを感じる。
|頭痛
副鼻腔の炎症が広がると頭痛の原因となる。
|嗅覚障害
鼻が詰まることで匂いを感じにくくなる。
|発熱
細菌感染による急性副鼻腔炎では発熱を伴うことがある。
3.治療


治療とは…病気やケガなどの健康状態の異常を 改善/回復 させることを目的として行われる行為や介入を指し、具体的には⇒薬物療法・手術・リハビリテーション・心理的支援 などの方法が含まれ、症状の軽減/原因の除去/生活の質向上 を目指します。
治療の本質は科学的根拠に基づき、患者個々の状況に応じた最適な介入を選択することにあり、副鼻腔炎においては原因や症状の程度によって異なり、以下の方法があります。
|薬物療法
薬物療法
> 抗生物質(細菌感染が原因の場合)
アモキシシリン/クラリスロマイシン などの抗生物質が処方される。
> 消炎剤/鎮痛剤
炎症や痛みを抑えるために使用。
> 抗ヒスタミン薬/ステロイド点鼻薬
アレルギーが関与している場合は鼻づまりを軽減するために用いる。
> 粘液溶解剤(ムコダインなど)
鼻水を“サラサラ”にして排出を促す。
|副鼻腔洗浄
副鼻腔洗浄
生理食塩水を用いた鼻洗浄により、鼻腔内の粘液や細菌を除去する。
|手術療法(慢性副鼻腔炎の場合)
手術療法(慢性副鼻腔炎の場合)
> 内視鏡手術(FESS:機能的内視鏡下副鼻腔手術)
鼻ポリープの切除や、副鼻腔の排出経路を広げるために行われる。
4.予防


予防とは…病気が発生する前にそのリスクを減少させる、または病気の進行を抑制し健康を維持するための 行動/介入 を指し、これには⇒一次予防(発症の防止)・二次予防(早期発見と治療)・三次予防(病状の悪化防止)が含まれます。
予防は個人の行動+社会環境+医療介入 の三位一体で行われるものであり、副鼻腔炎においては日常生活で以下の点に注意することが重要です。
|風邪を予防する
風邪を予防する
- 手洗い/うがい を徹底してウイルス感染を防ぐ
- 適度な睡眠+バランスの取れた食事 で免疫力を高める
|鼻の乾燥を防ぐ
鼻の乾燥を防ぐ
- 室内の加湿を心がけて鼻粘膜の乾燥を防ぐ
- 生理食塩水で鼻洗浄を行う
|アレルギー対策をする
アレルギー対策をする
花粉症/ハウスダストアレルギー がある場合は、適切な治療を受ける。アレルゲンを避けるために室内の掃除を徹底する。
|タバコ/刺激物 を避ける
タバコ/刺激物 を避ける
- 喫煙は副鼻腔炎を悪化させるため禁煙を心がける
- 大気汚染がひどい場所ではマスクを着用する
|適度な運動をする
適度な運動をする
体を動かし血行を促進することで、鼻粘膜の機能を正常に保つ。
|鼻を強くかまない
鼻を強くかまない
強く鼻をかむと副鼻腔の炎症を悪化させる可能性があるため、やさしくかむ事が大切。
おわりに
副鼻腔炎は適切な予防と早期の治療によって、重症化を防ぐことができます。特に慢性化すると治療が長引くため、風邪や鼻炎を軽視せず、早めに医師の診察を受けることが重要です。