どうも、担当者のヤマケンです→今回の疾病はいったいどのような病態なのでしょうか?それでは皆さん、御一緒に診ていきましょう。
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どんな病気?
種子骨症(しゅしこつしょう)とは…足や手の種子骨(しゅしこつ)と呼ばれる小さな骨が炎症を起こしたり、過剰な負荷によって痛みを伴う病態です。特に足の母趾(親指)の下にある種子骨が影響を受けやすく、「母趾種子骨障害」として知られています。この状態は、種子骨の骨折/壊死/炎症/変形 などを引き起こす事があります。

この記事は次のような人におすすめ!
・身体の不調で当てはまりそうな病気を探している
・種子骨疾患について勉強している
・知的好奇心が旺盛
1.原因


原因とは…病気の発症メカニズム(病因論)の中でその役割が科学的に証明されることで認識され、複数の要因が相互に影響し合って病気を引き起こす場合もあり、それは 誘因/危険因子 として区別され「その疾患を成立させるために必要で且つ十分な条件」と定義できます。
以上を踏まえると、種子骨症においては以下の通りです。
|負荷/ストレス
負荷/ストレス
ランニングやジャンプを頻繁に行うスポーツ(バスケットボール/マラソン/サッカー など)による反復的な衝撃。長時間の歩行やハイヒールの着用など、足に過度な負荷がかかる動作。
|解剖学的要因
解剖学的要因
種子骨が通常より大きい、または二分種子骨(種子骨が2つに分かれている状態)などの解剖学的な異常があると、摩擦や圧迫が増えやすい。扁平足や外反母趾など、足の形状の異常により種子骨への負担が増大する。
|外傷/骨折
外傷/骨折
転倒や強い衝撃による急性の骨折。小さなストレスが繰り返し加わる事で発生する、疲労骨折。
|血流障害(壊死)
血流障害(壊死)
フライバーグ病のように、種子骨の血流が悪くなり骨壊死を引き起こす場合がある。
2.症状


症状とは…患者自身が主観的に認識する身体的または精神的な異常のことを指し、これは医療者が観察可能な徴候(しるし)と区別され⇒痛み・疲労・吐き気・不安 など、患者の自覚に基づく訴えが中心です。
症状は病気の診断や治療方針の決定において重要な情報源であり、患者と医療者のコミュニケーションを通じて初めて明らかになる点が特徴で、種子骨症においては以下の通りです。
|親指の付け根の痛み
歩行時や押すと痛む。
|腫れ/圧痛
炎症があると腫れを伴うことがある。
|歩行時の 違和感/痛み
特に硬い靴や、ハイヒールを履くと悪化する。
|種子骨付近の変形
慢性的な負荷がかかると、変形や肥厚が見られることがある。
3.治療


治療とは…病気やケガなどの健康状態の異常を 改善/回復 させることを目的として行われる行為や介入を指し、具体的には⇒薬物療法・手術・リハビリテーション・心理的支援 などの方法が含まれ、症状の軽減/原因の除去/生活の質向上 を目指します。
治療の本質は科学的根拠に基づき、患者個々の状況に応じた最適な介入を選択することにあり、種子骨症においては症状の程度によって異なりますが、主に以下の方法が取られます。
|保存療法(軽度~中等度)
保存療法(軽度~中等度)
> 安静/負荷の軽減
痛みが強い場合は運動を控える。靴のインソールや足底パッドを使用し、種子骨への圧力を軽減する。
> アイシング/消炎鎮痛剤
炎症がある場合はアイシング(冷却)を行う。痛みが強い場合は非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を使用する。
> リハビリ/ストレッチ
足底腱膜や母趾のストレッチを行い、負担を分散。筋力トレーニング(特に足部の内在筋)を行い、足のアーチをサポートする。
|手術療法(重度)
手術療法(重度)
保存療法で改善しない場合は、手術が検討されます。
> 種子骨部分切除
壊死や慢性炎症が進行した場合に採用される。
> 整復/固定
骨折が原因の場合に採用される。
4.予防


予防とは…病気が発生する前にそのリスクを減少させる、または病気の進行を抑制し健康を維持するための 行動/介入 を指し、これには⇒一次予防(発症の防止)・二次予防(早期発見と治療)・三次予防(病状の悪化防止)が含まれます。
予防は個人の行動+社会環境+医療介入 の三位一体で行われるものであり、種子骨症においては以下の点に注意することが重要です。
|適切な靴を選ぶ
適切な靴を選ぶ
クッション性のある靴を履く。(特にランニングシューズ など)ハイヒールや硬い靴を長時間履かない。
|ストレッチ/トレーニング
ストレッチ/トレーニング
足のアーチを支える筋肉を鍛えることで、種子骨への負担を減らす。足底腱膜や母趾の柔軟性を維持する。
|体重管理
体重管理
過剰な体重は足への負担を増やすため、適正体重を維持する。
|運動時のケア
運動時のケア
スポーツの前後にストレッチを行う。長時間のランニングやジャンプを行う際は、適切な休息を取る。
おわりに
種子骨症は、過度な負荷や解剖学的要因、外傷などによって発症することが多い疾患です。症状が軽度であれば、適切な靴の選択やストレッチなどの予防策を取ることで発症を防ぐことが可能です。痛みが持続する場合は、早めに整形外科を受診し、適切な治療を受けることが重要です。