どうも、担当者のヤマケンです→今回の疾病はいったいどのような病態なのでしょうか?それでは皆さん、御一緒に診ていきましょう。
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どんな病気?
坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)とは…坐骨神経が何らかの原因で 圧迫/刺激 されることによって生じる 痛み/しびれ の総称です。
坐骨神経は腰からお尻⇒太ももの裏を通り⇒ふくらはぎや足先まで伸びる 人体で最も太く長い神経であり、その経路に沿って症状が現れるのが特徴です。

この記事は次のような人におすすめ!
・身体の不調で当てはまりそうな病気を探している
・感覚神経疾患について勉強している
・知的好奇心が旺盛
1.原因


原因とは…病気の発症メカニズム(病因論)の中でその役割が科学的に証明されることで認識され、複数の要因が相互に影響し合って病気を引き起こす場合もあり、それは 誘因/危険因子 として区別され「その疾患を成立させるために必要で且つ十分な条件」と定義できます。
以上を踏まえると、坐骨神経痛は疾患の名前ではなく症状の一つであり、以下のような病気が原因となることが多いです。
|腰椎椎間板ヘルニア
椎間板が飛び出して坐骨神経を圧迫することで、痛み/しびれ が生じます。
※若年層にも発症しやすい
|腰部脊柱管狭窄症
加齢に伴い脊柱管(神経の通り道)が狭くなり、神経が圧迫されることで 痛み/しびれ が起こります。
※特に中高年に多く見られる
|梨状筋症候群
お尻の筋肉である梨状筋が硬くなり、坐骨神経を圧迫することで症状が現れるのですが、長時間 座る習慣のある人/運動不足の人 に多いです。
|脊椎すべり症
腰椎がズレて神経を圧迫することで、坐骨神経痛を引き起こします。
|その他
⇒外傷・腫瘍・感染症・糖尿病 による神経障害なども、坐骨神経痛の原因となることがあります。
2.症状


症状とは…患者自身が主観的に認識する身体的または精神的な異常のことを指し、これは医療者が観察可能な徴候(しるし)と区別され⇒痛み・疲労・吐き気・不安 など、患者の自覚に基づく訴えが中心です。
症状は病気の診断や治療方針の決定において重要な情報源であり、患者と医療者のコミュニケーションを通じて初めて明らかになる点が特徴で、坐骨神経痛においては個人差があり主に以下のようなものがあります。
|痛み
お尻から⇒太ももの裏⇒ふくらはぎ にかけての 鋭い痛み/鈍痛。
|しびれ
足の裏/指先 にまで広がる感覚異常。
|筋力低下
足に力が入りにくくなり歩行が困難になる。
|感覚異常
熱さ/冷たさ を感じにくくなり皮膚の感覚が鈍くなる。
|間欠性跛行(かんけつせいはこう)
歩行中に痛みが出て、休むと和らぐ。
※特に脊柱管狭窄症に多い
3.治療


治療とは…病気やケガなどの健康状態の異常を 改善/回復 させることを目的として行われる行為や介入を指し、具体的には⇒薬物療法・手術・リハビリテーション・心理的支援 などの方法が含まれ、症状の軽減/原因の除去/生活の質向上 を目指します。
治療の本質は科学的根拠に基づき、患者個々の状況に応じた最適な介入を選択することにあり、坐骨神経痛においては原因に応じて異なり以下の方法が用いられます。
|保存療法(手術をしない治療)
保存療法(手術をしない治療)
> 薬物療法
- 消炎鎮痛剤(NSAIDs)
- 筋弛緩剤
- 神経障害性疼痛の治療薬
> 理学療法
- ストレッチ
- マッサージ
- 温熱療法
- 低周波治療
> 運動療法
腰/お尻 の筋肉を鍛えるリハビリ。
> 神経ブロック注射
神経の炎症を抑えるためのステロイド注射。
|手術療法(保存療法で効果がない場合)
手術療法(保存療法で効果がない場合)
4.予防


予防とは…病気が発生する前にそのリスクを減少させる、または病気の進行を抑制し健康を維持するための 行動/介入 を指し、これには⇒一次予防(発症の防止)・二次予防(早期発見と治療)・三次予防(病状の悪化防止)が含まれます。
予防は個人の行動+社会環境+医療介入 の三位一体で行われるものであり、坐骨神経痛においては以下のような日常生活での習慣が重要です。
|正しい姿勢を保つ
正しい姿勢を保つ
- 長時間座るときは背筋を伸ばして深く座る
- 猫背/反り腰 を避ける
|適度な運動をする
適度な運動をする
- ウォーキング/ストレッチ/ヨガ で筋肉を柔軟に保つ
- 腰/お尻 の筋肉を強化する ※スクワット/体幹トレーニング
|体を冷やさない
体を冷やさない
冷えは筋肉の緊張を招いて神経を圧迫するため、温かい服装/入浴 で血行を促進する。
|重い物を持つときの注意
重い物を持つときの注意
- しゃがんで腰を使わずに持ち上げる
- 片側に負担をかける
- 腰を使って持ち上げる
- 両側に負担を分散させる
|体重管理をする
体重管理をする
体重が増えると腰に負担がかかりやすくなるため、バランスの取れた食事と運動を心がける。
|ストレスを溜めない
ストレスを溜めない
ストレスは筋肉の緊張を引き起こして坐骨神経痛を悪化させることがあるため、リラックスできる時間を作る。
おわりに
坐骨神経痛は腰から足にかけての 痛み/しびれ を引き起こす症状であり、主に腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などが原因となります。治療には⇒薬物療法・理学療法・運動療法 などの保存療法があり、重症の場合は手術も検討されます。予防のためには⇒正しい姿勢・適度な運動・冷えの防止・体重管理 などを心がけることが重要です。