どうも、担当者のヤマケンです→今回の疾病はいったいどのような病態なのでしょうか?それでは皆さん、御一緒に診ていきましょう。
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どんな病気?
横紋筋融解症(おうもんきんゆうかいしょう)とは…筋肉細胞が破壊されてその内容物(主にミオグロビン/筋肉酵素)が血液中に放出される状態を指します。この状態は腎臓やその他の臓器に深刻な負担をかけ、場合によっては急性腎不全を引き起こすことがあります。
横紋筋は主に骨格筋で構成されており、この病気は筋肉の急激な破壊によって引き起こされます。

この記事は次のような人におすすめ!
・身体の不調で当てはまりそうな病気を探している
・骨格筋疾患について勉強している
・知的好奇心が旺盛
1.原因


原因とは…病気の発症メカニズム(病因論)の中でその役割が科学的に証明されることで認識され、複数の要因が相互に影響し合って病気を引き起こす場合もあり、それは 誘因/危険因子 として区別され「その疾患を成立させるために必要で且つ十分な条件」と定義できます。
以上を踏まえると、横紋筋融解症においては以下が含まれます。
|筋肉への 外傷/圧迫
筋肉への 外傷/圧迫
- 交通事故/転倒 による外傷
- 長時間の圧迫 ※例:災害時の瓦礫下に閉じ込められる
|過度の筋肉負荷
過度の筋肉負荷
激しい運動/トレーニング。
※特に慣れていない高強度の運動。
|薬剤/毒物
薬剤/毒物
- スタチン(高脂血症治療薬)の副作用
- 抗精神病薬/鎮静剤の一部
- アルコール/薬物(コカイン など)の過剰摂取
|感染症
感染症
- ウイルス感染 ※インフルエンザ/コロナウイルス など
- 細菌感染 ※例:レプトスピラ症
|代謝異常/その他の原因
代謝異常/その他の原因
- 熱中症
- 低カリウム血症/低リン血症 などの電解質異常
- 遺伝性筋疾患 ※例:筋ジストロフィー
2.症状


症状とは…患者自身が主観的に認識する身体的または精神的な異常のことを指し、これは医療者が観察可能な徴候(しるし)と区別され⇒痛み・疲労・吐き気・不安 など、患者の自覚に基づく訴えが中心です。
症状は病気の診断や治療方針の決定において重要な情報源であり、患者と医療者のコミュニケーションを通じて初めて明らかになる点が特徴で、横紋筋融解症においては原因や重症度によりますが、典型的なものは以下の通りです。
|筋肉痛/筋肉の硬直
筋肉痛/筋肉の硬直
特に 体幹部/四肢の筋肉 に痛みが現れることが多い。
|尿の異常
尿の異常
- 尿が 茶色/赤褐色(コーラ色)になる ※ミオグロビン尿
- 尿量の減少 ※場合によって無尿
|全身症状
全身症状
- 倦怠感
- 発熱
- 吐き気/嘔吐
|重篤な場合の症状
重篤な場合の症状
- 腎不全によるむくみ
- 心臓/神経の障害 ※電解質異常による
3.治療


治療とは…病気やケガなどの健康状態の異常を 改善/回復 させることを目的として行われる行為や介入を指し、具体的には⇒薬物療法・手術・リハビリテーション・心理的支援 などの方法が含まれ、症状の軽減/原因の除去/生活の質向上 を目指します。
治療の本質は科学的根拠に基づき、患者個々の状況に応じた最適な介入を選択することにあり、横紋筋融解症においては原因の除去と症状の緩和を目的としており、以下が主なアプローチです。
|水分補給
水分補給
点滴による大量の輸液(生理食塩水/乳酸リンゲル液)で腎臓を保護し、ミオグロビン/老廃物の排出 を促進します。
|電解質バランスの調整
電解質バランスの調整
カリウム/カルシウム/ナトリウム の異常を是正します。
|薬物療法
薬物療法
- 重症例では利尿剤を使用して尿量を維持
- 腎機能障害の場合には透析が必要になることもある
|原因の除去
原因の除去
- 薬剤が原因の場合は 中止/変更 する
- 感染症が原因の場合は 適切な抗菌薬/抗ウイルス薬 を投与する
4.予防


予防とは…病気が発生する前にそのリスクを減少させる、または病気の進行を抑制し健康を維持するための 行動/介入 を指し、これには⇒一次予防(発症の防止)・二次予防(早期発見と治療)・三次予防(病状の悪化防止)が含まれます。
予防は個人の行動+社会環境+医療介入 の三位一体で行われるものであり、横紋筋融解症においては以下の対策が重要です。
|適切な運動の実施
適切な運動の実施
- 運動は徐々に負荷を増やして無理をしない
- 特に高強度運動を行う場合は水分補給をする
|薬剤の管理
薬剤の管理
スタチン/他の薬剤 を服用している場合は、副作用の兆候に注意して定期的に医師へ相談する。
|水分摂取の維持
水分摂取の維持
特に 暑い環境下/運動中 には脱水を避ける。
|危険因子を避ける
危険因子を避ける
- アルコール/違法薬物 の摂取を控える
- 極端な高温/低温環境 での過酷な作業を避ける
|定期検診の実施
定期検診の実施
腎機能/筋肉酵素(CK:クレアチンキナーゼ)の異常を早期に発見する。
おわりに
横紋筋融解症は早期発見と適切な対処が鍵となる病気です。症状やリスク因子を理解し、疑わしい場合はすぐに医療機関を受診することが重要です。