どうも、担当者のヤマケンです→今回の疾病はいったいどのような病態なのでしょうか?それでは皆さん、御一緒に診ていきましょう。
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どんな病気?
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)とは…骨の密度(骨密度)と質が低下し、骨がもろくなる病気です。その結果、骨折しやすくなり、特に背骨(椎体)、大腿骨(太ももの骨)、手首などの骨折が起こりやすくなります。
骨折は生活の質(QOL)を著しく低下させるだけでなく、重症の場合は寝たきりの原因にもなります。

この記事は次のような人におすすめ!
・身体の不調で当てはまりそうな病気を探している
・長骨疾患について勉強している
・知的好奇心が旺盛
1.原因


原因とは…病気の発症メカニズム(病因論)の中でその役割が科学的に証明されることで認識され、複数の要因が相互に影響し合って病気を引き起こす場合もあり、それは 誘因/危険因子 として区別され「その疾患を成立させるために必要で且つ十分な条件」と定義できます。
以上を踏まえると、骨粗鬆症の主な原因は以下の通りです。
|加齢
加齢
加齢とともに骨密度が低下し、特に閉経後の女性はホルモンの影響で骨量が急激に減少します。
|ホルモンの変化
ホルモンの変化
> 閉経後の女性
エストロゲン(女性ホルモン)の分泌が低下することで、骨密度が減少します。
> 男性の加齢
テストステロン(男性ホルモン)の減少が影響します。
|栄養不足
栄養不足
> カルシウム不足
骨の主成分であるカルシウムの摂取が不足すると、骨が脆弱になります。
> ビタミンD不足
ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける重要な栄養素であり、不足すると骨密度の低下につながります。
|運動不足
運動不足
運動による適度な負荷が骨を強くするため、運動不足は骨粗鬆症のリスクを高めます。特に、筋力低下は転倒リスクを高め、骨折に繋がりやすくなります。
|生活習慣
生活習慣
喫煙や過度な飲酒は、骨の代謝に悪影響を及ぼします。過剰なダイエットや偏った食事も、骨密度を低下させる原因になります。
|病気/薬剤の影響
病気/薬剤の影響
> 病気
甲状腺機能亢進症/慢性腎疾患/糖尿病 などの病気も、骨粗鬆症を引き起こす可能性があります。
> 薬剤
副腎皮質ステロイド(ステロイド剤)の長期使用は、骨密度を低下させます。
2.症状


症状とは…患者自身が主観的に認識する身体的または精神的な異常のことを指し、これは医療者が観察可能な徴候(しるし)と区別され⇒痛み・疲労・吐き気・不安 など、患者の自覚に基づく訴えが中心です。
症状は病気の診断や治療方針の決定において重要な情報源であり、患者と医療者のコミュニケーションを通じて初めて明らかになる点が特徴で、骨粗鬆症においては初期段階で自覚症状がほとんどありません。しかし、進行すると以下の症状が現れることがあります。
|骨折
骨折
転倒や軽い衝撃で骨折しやすくなる。(特に大腿骨頸部、脊椎、手首 など)
|身長の低下
身長の低下
背骨(椎体)の骨折が進むと、身長が縮むことがあります。
|背中/腰
背中/腰
圧迫骨折によって背骨が変形し、慢性的な背中や腰の痛みが生じる事があります。
|姿勢の変化
姿勢の変化
背骨の圧迫骨折が進むと、背中が曲がる(円背)ことがあります。これにより、歩行や日常生活の動作が困難になる事もあります。
3.治療


治療とは…病気やケガなどの健康状態の異常を 改善/回復 させることを目的として行われる行為や介入を指し、具体的には⇒薬物療法・手術・リハビリテーション・心理的支援 などの方法が含まれ、症状の軽減/原因の除去/生活の質向上 を目指します。
治療の本質は科学的根拠に基づき、患者個々の状況に応じた最適な介入を選択することにあり、骨粗鬆症においては骨密度の低下を防ぎ、骨折のリスクを減らすことを目的としています。主な方法は以下の通りです。
|薬物療法
薬物療法
> ビスホスホネート製剤
骨の破壊を抑える薬で、骨密度を 維持/向上 させます。
> 選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)
閉経後の女性の骨密度を保つのに有効です。
> 抗RANKL抗体(デノスマブ)
骨吸収を抑制し、骨密度を高める効果があります。
> 副甲状腺ホルモン(テリパラチド)
骨形成を促進し、骨密度を改善する効果があります。
|栄養療法
栄養療法
> カルシウム
- 牛乳
- チーズ
- ヨーグルト
- 小魚
- 大豆製品
> ビタミンD
- 魚類
- きのこ類
- 日光浴
> ビタミンK
納豆/緑黄色野菜 など。
|運動療法
運動療法
> 筋力トレーニング
スクワット/軽いウェイトトレーニング など。
> 有酸素運動
ウォーキング/ジョギング など。
> バランス訓練
ヨガ/太極拳 など。
|生活習慣の改善
生活習慣の改善
- 禁煙/飲酒の節制
- 適度な運動を取り入れる
- バランスの取れた食生活を心がける
4.予防


予防とは…病気が発生する前にそのリスクを減少させる、または病気の進行を抑制し健康を維持するための 行動/介入 を指し、これには⇒一次予防(発症の防止)・二次予防(早期発見と治療)・三次予防(病状の悪化防止)が含まれます。
予防は個人の行動+社会環境+医療介入 の三位一体で行われるものであり、骨粗鬆症においては以下のポイントを意識する事で、骨の健康を維持できます。
|栄養バランス
栄養バランス
カルシウム/ビタミンD/ビタミンK を意識して摂取する。過度な 塩分/カフェイン/アルコール 摂取を控える。(カルシウムの排出を促すため)
|適度な運動
適度な運動
> 骨に負荷をかける運動
- ウォーキング
- ジョギング
- 階段の上り下り
> 筋力トレーニング
スクワット/腕立て伏せ など。
|日光浴
日光浴
1日⇒15~30分程度の日光浴(ビタミンDの生成)を習慣化する。
|生活習慣
生活習慣
禁煙/適度な飲酒 など、規則正しい生活で骨の新陳代謝を正常に保つ。
|定期的な健康診断
定期的な健康診断
骨密度検査(DXA法)を定期的に受け、早期の 発見/対策 を行う。
おわりに
骨粗鬆症は早期発見と適切な対策によって進行を防ぐことができるため、日々の生活の中で意識して予防に取り組むことが大切です。