どうも、担当者のヤマケンです→今回の疾病はいったいどのような病態なのでしょうか?それでは皆さん、御一緒に診ていきましょう。
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どんな病気?
骨髄炎(こつずいえん:Osteomyelitis)とは…骨や骨髄に細菌や真菌などの病原体が感染し、炎症を引き起こす疾患です。急性と慢性に分類され、早期に適切な治療を行わないと、骨の破壊や重篤な合併症を引き起こす可能性があります。

この記事は次のような人におすすめ!
・身体の不調で当てはまりそうな病気を探している
・長骨疾患について勉強している
・知的好奇心が旺盛
1.原因


原因とは…病気の発症メカニズム(病因論)の中でその役割が科学的に証明されることで認識され、複数の要因が相互に影響し合って病気を引き起こす場合もあり、それは 誘因/危険因子 として区別され「その疾患を成立させるために必要で且つ十分な条件」と定義できます。
以上を踏まえると、骨髄炎においては細菌感染であり、特に黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)が最も多く関与します。感染の経路としては、以下の3つが挙げられます。
|血行性感染
体内の別の感染部位(肺炎/尿路感染 など)から血流に乗って骨に達するケース。
※小児や高齢者に多く見られる
|隣接組織からの感染
外傷や手術後の 創傷感染/関節炎/皮膚潰瘍(特に糖尿病や褥瘡患者)などから感染が波及。
|直接感染
骨折/手術/交通事故 などで、骨が直接細菌にさらされる事で発生。
2.症状


症状とは…患者自身が主観的に認識する身体的または精神的な異常のことを指し、これは医療者が観察可能な徴候(しるし)と区別され⇒痛み・疲労・吐き気・不安 など、患者の自覚に基づく訴えが中心です。
症状は病気の診断や治療方針の決定において重要な情報源であり、患者と医療者のコミュニケーションを通じて初めて明らかになる点が特徴で、骨髄炎においては急性骨髄炎と慢性骨髄炎で異なり、以下になります。
|急性骨髄炎
急性骨髄炎
- 発熱(38℃以上)
- 悪寒
- 倦怠感
- 感染部位の 強い痛み+腫れ
- 赤み/熱感
- 運動時の痛み
- 膿瘍形成(進行すると膿が溜まる)
以上の症状が発症後、数日~数週間に及びます。
|慢性骨髄炎
慢性骨髄炎
- 持続的な痛み
- 軽度の腫れ
- 瘻孔(ろうこう:皮膚に穴が開き膿が排出される)
- 骨の 変形/壊死
以上の症状が発症後、数か月~数年に及びます。
3.治療


治療とは…病気やケガなどの健康状態の異常を 改善/回復 させることを目的として行われる行為や介入を指し、具体的には⇒薬物療法・手術・リハビリテーション・心理的支援 などの方法が含まれ、症状の軽減/原因の除去/生活の質向上 を目指します。
治療の本質は科学的根拠に基づき、患者個々の状況に応じた最適な介入を選択することにあり、骨髄炎においては以下のように感染源の除去と抗菌療法が基本となります。
|手術療法
手術療法
- 膿瘍の 排膿/洗浄
- 壊死した骨組織の除去(デブリードマン)
- 骨移植/再建手術(骨が破壊された場合)
|補助療法
補助療法
- 安静/固定(ギプスや副木で患部を安定させる)
- 糖尿病/免疫不全 の管理(感染リスクを低減)
|抗菌薬療法
抗菌薬療法
> 急性骨髄炎
広域スペクトルの抗生物質を点滴投与(2~6週間)し、その後経口薬に切り替える。
> 慢性骨髄炎
感染源が完全に除去されない限り抗菌薬の効果が限定的。
4.予防


予防とは…病気が発生する前にそのリスクを減少させる、または病気の進行を抑制し健康を維持するための 行動/介入 を指し、これには⇒一次予防(発症の防止)・二次予防(早期発見と治療)・三次予防(病状の悪化防止)が含まれます。
予防は個人の行動+社会環境+医療介入 の三位一体で行われるものであり、骨髄炎においては以下のように免疫力を維持することが重要です。
|消毒/管理
消毒/管理
- 手術部位/傷口 の清潔保持
- 抗生物質の予防投与(必要に応じて)
|免疫力の維持
免疫力の維持
- バランスの取れた食事
- 十分な睡眠
- 適度な運動
- 慢性疾患(糖尿病 など)の適切な管理
|感染対策
感染対策
風邪や尿路感染症などの小さな感染でも、適切に治療を行う。糖尿病患者は、足の傷や皮膚潰瘍に注意する。
|衛生管理
衛生管理
手洗いの徹底、傷口を清潔に保つ。歯の感染(歯周病 など)も骨髄炎の原因になり得るため、口腔ケアを徹底する。
おわりに
骨髄炎は、細菌感染によって骨や骨髄に炎症が起こる疾患であり、日常生活での感染予防や慢性疾患の管理が、骨髄炎の発症リスクを低減する鍵となります。早期発見し適切な治療を行うことで、重篤な合併症を防ぐことができます。