どうも、担当者のヤマケンです→今回の疾病はいったいどのような病態なのでしょうか?それでは皆さん、御一緒に診ていきましょう。
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どんな病気?
偏頭痛(へんずつう)とは…頭の片側または両側に反復的に起こる強い頭痛が特徴の神経学的疾患です。通常、痛みは拍動性(“ズキズキ”するような感覚)で中等度から重度の強さを持ち、日常生活に支障をきたすことがあります。発作は数時間から数日間続くことがあり、頭痛のほかに⇒吐き気・嘔吐・光や音に対する過敏症 などを伴うことが一般的です。
偏頭痛は単なる頭痛とは異なり、脳内の神経や血管の機能異常が関与していると考えられています。

この記事は次のような人におすすめ!
・身体の不調で当てはまりそうな病気を探している
・後頭葉疾患について勉強している
・知的好奇心が旺盛
1.原因


原因とは…病気の発症メカニズム(病因論)の中でその役割が科学的に証明されることで認識され、複数の要因が相互に影響し合って病気を引き起こす場合もあり、それは 誘因/危険因子 として区別され「その疾患を成立させるために必要で且つ十分な条件」と定義できます。
以上を踏まえると、偏頭痛においては正確な原因は完全に解明されていませんが以下の要因が関与しているとされています。
|脳内の化学物質変動
セロトニンなどの神経伝達物質のバランスが崩れることで脳の血管が一時的に収縮、または拡張して頭痛を引き起こします。
|遺伝的要因
偏頭痛は家族内で発生することが多く、遺伝的素因が関与していると考えられます。
|誘発因子
- 特定の食べ物(チョコレート/赤ワイン/加工肉 など)
- ストレス
- 睡眠不足
- 天候の変化
- 強い 光/音
- ホルモンの変化(月経周期/妊娠 など)
上記が偏頭痛を引き起こす可能性になります。
|神経系の過敏性
偏頭痛の人は、脳が外部刺激に対して過敏に反応する傾向があるとされています。
2.症状


症状とは…患者自身が主観的に認識する身体的または精神的な異常のことを指し、これは医療者が観察可能な徴候(しるし)と区別され⇒痛み・疲労・吐き気・不安 など、患者の自覚に基づく訴えが中心です。
症状は病気の診断や治療方針の決定において重要な情報源であり、患者と医療者のコミュニケーションを通じて初めて明らかになる点が特徴で、偏頭痛においては以下のように分類されます。
|前兆(オーラ)を伴う偏頭痛
前兆(オーラ)を伴う偏頭痛
発作の前に視覚的な異常(チカチカする光/歪んだ視野/視野欠損)や感覚異常(手足のしびれ)を経験します。
|前兆を伴わない偏頭痛
前兆を伴わない偏頭痛
突然発生する頭痛が特徴で、典型的な拍動性の頭痛が起こります。
|共通する症状
共通する症状
- “ズキズキ” する 片側/両側 の頭痛
- 吐き気/嘔吐
- 光や音に対する過敏症 ※暗い静かな環境で休みたくなる
- 運動や日常活動で痛みが悪化する
3.治療


治療とは…病気やケガなどの健康状態の異常を 改善/回復 させることを目的として行われる行為や介入を指し、具体的には⇒薬物療法・手術・リハビリテーション・心理的支援 などの方法が含まれ、症状の軽減/原因の除去/生活の質向上 を目指します。
治療の本質は科学的根拠に基づき、患者個々の状況に応じた最適な介入を選択することにあり、偏頭痛においては 症状を和らげる急性期治療/発作を予防する治療 に分けられ以下のようになります。
|急性期治療
急性期治療
> 薬物治療
- トリプタン系薬剤 ※偏頭痛特有の治療薬
- 鎮痛薬 ※アセトアミノフェン/非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
- 制吐薬 ※吐き気を抑える薬
> 非薬物療法
- 暗く静かな環境で休む
- 冷湿布や温湿布を利用する
|予防治療
予防治療
> 薬物療法
- ベータ遮断薬
- 抗うつ薬
- 抗てんかん薬
- CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)阻害薬
> 生活習慣の改善
- 規則正しい睡眠
- バランスの取れた食事
- ストレス管理
4.予防


予防とは…病気が発生する前にそのリスクを減少させる、または病気の進行を抑制し健康を維持するための 行動/介入 を指し、これには⇒一次予防(発症の防止)・二次予防(早期発見と治療)・三次予防(病状の悪化防止)が含まれます。
予防は個人の行動+社会環境+医療介入 の三位一体で行われるものであり、偏頭痛においては以下のような生活習慣や対策が有効です。
|誘発因子の回避
誘発因子の回避
自分の偏頭痛のトリガーを特定し、それを避けるよう心がけます。
|規則正しい生活
規則正しい生活
- 毎日同じ時間に寝起きする
- バランスの良い食事を取る
- カフェインやアルコールの摂取を控える
|ストレス管理
ストレス管理
- リラクゼーション法 ※ヨガ/瞑想/深呼吸
- 適度な運動 ※激しすぎないものを選ぶ
|体調管理
体調管理
- 十分な水分補給
- 睡眠をしっかり取る
- 月経周期を考慮した予防策
|定期的な医療相談
定期的な医療相談
偏頭痛の頻度が高い場合や重症化している場合は、専門医に相談して適切な治療や薬を利用することが重要です。
おわりに
偏頭痛は適切な管理と治療で発作を軽減することが可能です。自身の症状やトリガーを理解し、医師と協力して最適な対策を講じることが健康な日常生活を送る鍵となります。