どうも、担当者のヤマケンです→今回の疾病はいったいどのような病態なのでしょうか?それでは皆さん、御一緒に診ていきましょう。
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どんな病気?
肝臓(かんぞう)がんとは…肝臓にできる悪性腫瘍を指しており主に「原発性肝がん」と「転移性肝がん」に分けられます。
原発性肝がん
肝臓そのものから発生するがんであり、多くは肝細胞から生じる「肝細胞がん(HCC)」です。胆管細胞がんも含まれますが頻度は少ないです。
転移性肝がん
他の臓器(例⇒大腸・胃・乳房 など)から、がん細胞が血流を通じて肝臓に転移してきたものです。

この記事は次のような人におすすめ!
・身体の不調で当てはまりそうな病気を探している
・肝臓疾患について勉強している
・知的好奇心が旺盛
1.原因


原因とは…病気の発症メカニズム(病因論)の中でその役割が科学的に証明されることで認識され、複数の要因が相互に影響し合って病気を引き起こす場合もあり、それは 誘因/危険因子 として区別され「その疾患を成立させるために必要で且つ十分な条件」と定義できます。
以上を踏まえると、肝臓がんにおいては以下の要因が挙げられます。
|ウイルス感染
ウイルス感染
|肝硬変
肝硬変
アルコールの過剰摂取や脂肪肝などにより、肝臓が硬化してがん化へのリスクが高まります。
|生活習慣
生活習慣
- 過度な飲酒
- 肥満/糖尿病 ※非アルコール性脂肪肝炎(NASH)
|毒素/環境
毒素/環境
- アフラトキシン ※カビ毒
- 特定の化学物質への長期暴露
|遺伝的要因
遺伝的要因
家族歴がある場合は発症リスクが増加することがあります。
2.症状


症状とは…患者自身が主観的に認識する身体的または精神的な異常のことを指し、これは医療者が観察可能な徴候(しるし)と区別され⇒痛み・疲労・吐き気・不安 など、患者の自覚に基づく訴えが中心です。
症状は病気の診断や治療方針の決定において重要な情報源であり、患者と医療者のコミュニケーションを通じて初めて明らかになる点が特徴で、肝臓がんにおいては初期に気づきにくいですが、進行すると以下のような症状が現れることがあります。
- 腹部の 違和感/痛み ※右上腹部に多い
- 体重減少や食欲不振
- 黄疸 ※皮膚/白目 が黄色くなる
- 腹水 ※腹部が膨らむ
- 倦怠感 ※体がだるい
- 吐き気/嘔吐
3.治療


治療とは…病気やケガなどの健康状態の異常を 改善/回復 させることを目的として行われる行為や介入を指し、具体的には⇒薬物療法・手術・リハビリテーション・心理的支援 などの方法が含まれ、症状の軽減/原因の除去/生活の質向上 を目指します。
治療の本質は科学的根拠に基づき、患者個々の状況に応じた最適な介入を選択することにあり、肝臓がんにおいては 罹患している期間/肝臓の機能/患者の全身状態 に応じて選択され以下になります。
|外科的切除
外科的切除
がんを外科的に切除する方法で、肝機能が保たれている患者が対象です。
|肝移植
肝移植
肝硬変を伴う患者で適用されることがあります。
|局所療法
局所療法
> ラジオ波焼灼療法(RFA)
高周波でがん細胞を焼灼する方法。
> エタノール注入療法(PEI)
がん細胞に直接エタノールを注入して破壊します。
|化学療法
化学療法
ソラフェニブなどの分子標的薬や全身化学療法が行われます。
|放射線治療
放射線治療
特に転移性肝がんに有効です。
|緩和治療
緩和治療
症状を軽減して生活の質を向上させる治療です。
4.予防


予防とは…病気が発生する前にそのリスクを減少させる、または病気の進行を抑制し健康を維持するための 行動/介入 を指し、これには⇒一次予防(発症の防止)・二次予防(早期発見と治療)・三次予防(病状の悪化防止)が含まれます。
予防は個人の行動+社会環境+医療介入 の三位一体で行われるものであり、肝臓がんにおいては以下の通りです。
|肝炎ウイルスの予防
肝炎ウイルスの予防
- B型肝炎ワクチンの接種
- 血液感染や性行為による感染を防ぐ
|定期検診
定期検診
特に 肝炎ウイルス感染者/肝硬変患者 は、定期的な超音波検査や血液検査が重要です。
|生活習慣の改善
生活習慣の改善
- 過度な飲酒を避ける
- バランスの取れた食事を心がける
- 適度な運動をおこなって肥満を防ぐ
|有害物質の回避
有害物質の回避
カビの生えた食品(アフラトキシン含有)を避ける。
|早期治療
早期治療
肝炎や脂肪肝など、肝臓に負担をかける病気は早期に治療することが重要です。
おわりに
肝臓がんは予防可能な要素が多いため、日常生活からリスクを減らす努力が重要です。また、リスク因子がある場合は定期的な医療機関の受診を心がけましょう。