どうも、担当者のヤマケンです→今回の疾病はいったいどのような病態なのでしょうか?それでは皆さん、御一緒に診ていきましょう。
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どんな病気?
腎結石(じんけっせき)とは…腎臓に硬い結晶が形成される病気です。この結晶は尿中のミネラルや化学物質が過剰に濃縮された結果として生じ、結石のサイズや形状はさまざまです。小さいものは砂粒程度から、大きいものでは腎臓全体を覆うようなものもあります。
腎結石が尿管に詰まると激しい痛みや排尿障害を引き起こすこともあります。

この記事は次のような人におすすめ!
・身体の不調で当てはまりそうな病気を探している
・腎臓疾患について勉強している
・知的好奇心が旺盛
1.原因


原因とは…病気の発症メカニズム(病因論)の中でその役割が科学的に証明されることで認識され、複数の要因が相互に影響し合って病気を引き起こす場合もあり、それは 誘因/危険因子 として区別され「その疾患を成立させるために必要で且つ十分な条件」と定義できます。
以上を踏まえると、腎結石においては複数あり主に以下の要因が挙げられます。
|水分不足
水分不足
尿が濃縮されることで結晶が形成されやすくなります。
※高温の環境/発汗が多い状況 でリスク増加
|食生活の影響
食生活の影響
- 塩分
- 動物性たんぱく質
- カルシウム
- シュウ酸
上記を多く含む食品の過剰摂取が、結石形成のリスクを高めます。
|体質/遺伝
体質/遺伝
家族に腎結石の病歴がある場合は、遺伝的にリスクが高まることもあります。また、尿中のカルシウムやシュウ酸の排泄が多い体質も要因となります。
|代謝異常
代謝異常
例えば痛風や副甲状腺機能亢進症などが、尿中の結晶形成を促進することもあります。
|特定の薬剤/病気
特定の薬剤/病気
一部の薬剤(ビタミンC/利尿剤 など)や、慢性的な尿路感染症も原因となる場合があります。
2.症状


症状とは…患者自身が主観的に認識する身体的または精神的な異常のことを指し、これは医療者が観察可能な徴候(しるし)と区別され⇒痛み・疲労・吐き気・不安 など、患者の自覚に基づく訴えが中心です。
症状は病気の診断や治療方針の決定において重要な情報源であり、患者と医療者のコミュニケーションを通じて初めて明らかになる点が特徴で、腎結石においては結石の大きさや位置によって異なり、一般的には以下のものが挙げられます。
|側腹部の痛み
側腹部の痛み
尿管に結石が詰まると 腰/腹部 に激しい痛みが生じます。
※この痛みは波のように強弱を繰り返すことが特徴
|血尿
血尿
尿に 赤/茶色 の血液が混ざる場合もあります。
|頻尿/排尿痛
頻尿/排尿痛
結石が膀胱や尿道に移動すると 頻尿/排尿時の痛み が現れることもあります。
|吐き気/嘔吐
吐き気/嘔吐
激しい痛みに伴い、消化器症状が出る場合もあります。
|発熱/寒気
発熱/寒気
尿路感染症を伴う場合は、これらの症状が現れることがあります。
3.治療


治療とは…病気やケガなどの健康状態の異常を 改善/回復 させることを目的として行われる行為や介入を指し、具体的には⇒薬物療法・手術・リハビリテーション・心理的支援 などの方法が含まれ、症状の軽減/原因の除去/生活の質向上 を目指します。
治療の本質は科学的根拠に基づき、患者個々の状況に応じた最適な介入を選択することにあり、腎結石においては結石のサイズや症状に応じて選択され、主な方法は以下の通りです。
|自然排石の促進
自然排石の促進
小さな結石であれば十分な水分摂取や痛み止めの使用によって、自然に排石されるのを待つことが一般的です。
|薬物療法
薬物療法
結石を溶解したり、尿の流れを改善する薬剤が処方されます。
|体外衝撃波結石破砕術(ESWL)
体外衝撃波結石破砕術(ESWL)
衝撃波を用いて結石を破砕して自然排出を促します。
※非侵襲的で一般的な治療法
|内視鏡手術(TUL/PCNL)
内視鏡手術(TUL/PCNL)
内視鏡を尿道や腎臓に挿入して、結石を直接取り除く方法です。
|開腹手術
開腹手術
極めて稀ですが、他の治療が無効な場合に実施されます。
4.予防


予防とは…病気が発生する前にそのリスクを減少させる、または病気の進行を抑制し健康を維持するための 行動/介入 を指し、これには⇒一次予防(発症の防止)・二次予防(早期発見と治療)・三次予防(病状の悪化防止)が含まれます。
予防は個人の行動+社会環境+医療介入 の三位一体で行われるものであり、腎結石においては生活習慣の見直しが重要で以下の方法があります。
|十分な水分補給
十分な水分補給
一日2~3リットルの水を飲むことで、尿の濃度を低下させて結石形成を防ぎます。
|バランスの取れた食事
バランスの取れた食事
- 塩分や動物性たんぱく質の摂取を控える
- シュウ酸を多く含む食品を適度に制限する ※ほうれん草/チョコレート など
- カルシウムを適量摂取する ※不足/過剰 もリスク
|適度な運動
適度な運動
血液循環を促進して体内の代謝を健全に保つことで、リスクを低減します。
|定期検診
定期検診
尿検査や画像診断で、早期に異常を発見することが予防に繋がります。
|特定の疾患/薬剤の管理
特定の疾患/薬剤の管理
痛風や代謝異常の治療を徹底して、リスク因子を減らします。
おわりに
腎結石は早期に対応すれば重篤な合併症を防ぐことができます。適切な予防と治療で健康を維持しましょう。