どうも、担当者のヤマケンです→今回の疾病はいったいどのような病態なのでしょうか?それでは皆さん、御一緒に診ていきましょう。
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どんな病気?
間質性肺疾患(かんしつせいはいしっかん:Interstitial Lung Disease=ILD )とは…肺の「間質」と呼ばれる部分に炎症や損傷が起こり最終的に線維化(瘢痕化)が進行する疾患群を指します。間質とは⇒肺胞(酸素と二酸化炭素が交換される場所)を支える組織であり、ここに異常が生じると肺全体の機能が低下して呼吸が困難になります。
門質性肺疾患には約200種類の異なる疾患が含まれ⇒特発性肺線維症(IPF)・サルコイドーシス・過敏性肺炎 など が代表例です。

この記事は次のような人におすすめ!
・身体の不調で当てはまりそうな病気を探している
・肺疾患について勉強している
・知的好奇心が旺盛
1.原因


原因とは…病気の発症メカニズム(病因論)の中でその役割が科学的に証明されることで認識され、複数の要因が相互に影響し合って病気を引き起こす場合もあり、それは 誘因/危険因子 として区別され「その疾患を成立させるために必要で且つ十分な条件」と定義できます。
以上を踏まえると、門質性肺疾患においては多岐にわたりますが大きく以下の3つに分類されます。
|特発性(原因不明)
特発性(原因不明)
特発性肺線維症(IPF)はその代表例で、明確な原因が特定されていません。
|環境/職業的要因
環境/職業的要因
- アスベスト
- 石英粉塵
- 金属粉
以上の有害物質を吸入や長期的な有機物(カビ/鳥の羽 など)への曝露が、過敏性肺炎を引き起こすことになります。
|他の疾患/薬剤の影響
他の疾患/薬剤の影響
- 膠原病(関節リウマチ/全身性硬化症)やサルコイドーシス
- 抗がん剤や一部の抗生物質など薬剤による肺障害
2.症状


症状とは…患者自身が主観的に認識する身体的または精神的な異常のことを指し、これは医療者が観察可能な徴候(しるし)と区別され⇒痛み・疲労・吐き気・不安 など、患者の自覚に基づく訴えが中心です。
症状は病気の診断や治療方針の決定において重要な情報源であり、患者と医療者のコミュニケーションを通じて初めて明らかになる点が特徴で、門質性肺疾患においては 進行の度合い/疾患の種類 によりますが、主に以下のような特徴があります。
|呼吸困難
初期は運動時の息切れが主ですが、進行すると安静時にも呼吸が苦しくなります。
|慢性の乾いた咳
痰を伴わない咳が続くことが多いです。
|疲労感
酸素の供給不足により全身がだるくなることもあります。
|ばち指(ばち状指)
指の先端が膨らむ症状が見られる場合もあります。
|その他
胸痛や体重減少 など。
3.治療


治療とは…病気やケガなどの健康状態の異常を 改善/回復 させることを目的として行われる行為や介入を指し、具体的には⇒薬物療法・手術・リハビリテーション・心理的支援 などの方法が含まれ、症状の軽減/原因の除去/生活の質向上 を目指します。
治療の本質は科学的根拠に基づき、患者個々の状況に応じた最適な介入を選択することにあり、門質性肺疾患においては疾患の種類や進行度に応じて異なりますが、主に以下の方法が取られます。
|薬物療法
薬物療法
> 抗線維化薬
進行を遅らせる薬。
※特発性肺線維症の場合
> 免疫抑制剤/ステロイド
炎症を抑えるために使用されます。
※炎症性疾患の場合
|酸素療法
酸素療法
酸素吸入器を用いて酸素不足を補います。
|リハビリテーション
リハビリテーション
呼吸筋を強化して生活の質を向上させるプログラム。
|肺移植
肺移植
重症例では最終的な選択肢となる場合があります。
|原因の回避
原因の回避
有害物質やアレルゲンの曝露を避けることが重要です。
4.予防


予防とは…病気が発生する前にそのリスクを減少させる、または病気の進行を抑制し健康を維持するための 行動/介入 を指し、これには⇒一次予防(発症の防止)・二次予防(早期発見と治療)・三次予防(病状の悪化防止)が含まれます。
予防は個人の行動+社会環境+医療介入 の三位一体で行われるものであり、間質性肺疾患においては以下のような方法があります。
|有害物質の回避
有害物質の回避
職場での防塵マスクの使用、あるいはアスベストや有機粉塵への曝露を避ける。
|禁煙
禁煙
喫煙は肺に負担をかけてリスクを高めます。
|健康管理
健康管理
定期的な健康診断で早期発見を目指し、 膠原病/感染症 などの治療を適切に行う。
|住環境の改善
住環境の改善
カビやダニの発生を防ぐための湿度管理。
|適切なワクチン接種
適切なワクチン接種
インフルエンザや肺炎球菌感染を予防することで、症状の悪化を防ぎます。
おわりに
門質性肺疾患は早期発見が重要です。咳や息切れなどの症状が長引く場合は、早めに専門医を受診してください。