どうも、担当者のヤマケンです→今回の疾病はいったいどのような病態なのでしょうか?それでは皆さん、御一緒に診ていきましょう。
:この記事は約7分で読めます
どんな病気?
ゴーシェ病(Gaucher病)とは…脂質代謝に関与する酵素(グルコセレブロシダーゼ)の先天的な欠損または機能不全により、不要な脂質(グルコセレブロシド)が体内の特定の臓器に蓄積されるライソゾーム病のひとつです。常染色体劣性遺伝で発症し、稀な遺伝性疾患に分類されます。
ヤマケンこの記事は次のような人におすすめ!
・身体の不調で当てはまりそうな病気を探している
・脾臓疾患について勉強している
・知的好奇心が旺盛
1.原因


原因とは…病気の発症メカニズム(病因論)の中でその役割が科学的に証明されることで認識され、複数の要因が相互に影響し合って病気を引き起こす場合もあり、それは 誘因/危険因子 として区別され「その疾患を成立させるために必要で且つ十分な条件」と定義できます。
以上を踏まえると、ゴーシェ病においては以下になります。
主な原因は、GBA遺伝子(グルコセレブロシダーゼを作る遺伝子)の変異です。この遺伝子が両親から1つずつ異常を受け継ぐことで発症します。
変異によって、グルコセレブロシダーゼという酵素の活性が著しく低下し、脂質の分解ができなくなります。その結果、脂質がマクロファージ(貪食細胞)に蓄積し、「ゴーシェ細胞」と呼ばれる異常細胞が形成され、各臓器に障害をもたらします。
2.症状


症状とは…患者自身が主観的に認識する身体的または精神的な異常のことを指し、これは医療者が観察可能な徴候(しるし)と区別され⇒痛み・疲労・吐き気・不安 など、患者の自覚に基づく訴えが中心です。
症状は病気の診断や治療方針の決定において重要な情報源であり、患者と医療者のコミュニケーションを通じて初めて明らかになる点が特徴で、ゴーシェ病においてはタイプによって異なりますが、以下のような共通の特徴があります。
|1型(非神経型)
1型(非神経型)
|2型(急性神経型)
2型(急性神経型)
- 重度の中枢神経障害
- 生後6か月以降に発症して数年以内に死に至る事が多い
|3型(慢性神経型)
3型(慢性神経型)
- 神経症状(眼球運動障害/けいれん/知能低下)
- 比較的ゆっくり進行
3.治療


治療とは…病気やケガなどの健康状態の異常を 改善/回復 させることを目的として行われる行為や介入を指し、具体的には⇒薬物療法・手術・リハビリテーション・心理的支援 などの方法が含まれ、症状の軽減/原因の除去/生活の質向上 を目指します。
治療の本質は科学的根拠に基づき、患者個々の状況に応じた最適な介入を選択することにあり、ゴーシェ病において根治療法は存在しませんが以下の対症療法が有効です。
|酵素補充療法
酵素補充療法
- 点滴で欠損している酵素を補う治療
- 肝脾腫/貧血/骨症状 の改善が見込まれる(1型に有効)
例:イミグルセラーゼ(セレザイム)
|基質合成抑制療法
基質合成抑制療法
- 蓄積する脂質そのものの合成を抑える飲み薬
- 軽症例やERTが困難な患者に用いられる
例:ミグルスタット/エレグルスタット
|対症療法
対症療法
- 貧血への輸血
- 骨壊死に対する整形外科的処置
- 神経型には対症療法中心(治療が困難)
4.予防


予防とは…病気が発生する前にそのリスクを減少させる、または病気の進行を抑制し健康を維持するための 行動/介入 を指し、これには⇒一次予防(発症の防止)・二次予防(早期発見と治療)・三次予防(病状の悪化防止)が含まれます。
予防は個人の行動+社会環境+医療介入 の三位一体で行われるものであり、ゴーシェ病においては遺伝性疾患のため困難ですが、以下の方法が重要です。
|遺伝カウンセリング
発症家系では、妊娠前に遺伝子診断やカウンセリングを行うことで、リスクを理解し対策することが可能。
|出生前診断
希望があれば、胎児の遺伝子検査も選択肢となる。
おわりに
ゴーシェ病は、ライソゾーム酵素の欠損によって脂質が蓄積する遺伝性疾患です。家族歴がある場合には、遺伝カウンセリングによるリスク評価と対応が大切です。

