どうも、担当者のヤマケンです→今回の疾病はいったいどのような病態なのでしょうか?それでは皆さん、御一緒に診ていきましょう。
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どんな病気?
レビー小体型認知症(しょうたいがたにんちしょう)とは…アルツハイマー型認知症や血管性認知症に次いで多い認知症の一種で、脳内に「レビー小体」と呼ばれる異常なたんぱく質(α-シヌクレイン)が蓄積することで、認知機能や身体機能に影響を及ぼす病気です。
この病気は記憶障害よりも幻視や動作障害などが特徴的で、パーキンソン病と関連性が深いとされています。症状は進行性で時間とともに悪化します。

この記事は次のような人におすすめ!
・身体の不調で当てはまりそうな病気を探している
・後頭葉疾患について勉強している
・知的好奇心が旺盛
1.原因


原因とは…病気の発症メカニズム(病因論)の中でその役割が科学的に証明されることで認識され、複数の要因が相互に影響し合って病気を引き起こす場合もあり、それは 誘因/危険因子 として区別され「その疾患を成立させるために必要で且つ十分な条件」と定義できます。
以上を踏まえると、レビー小体型認知症においては完全に解明されていませんが、以下の要因が関与していると考えられています。
|α-シヌクレインの異常蓄積
レビー小体は主にこのたんぱく質で構成されており、神経細胞の機能障害を引き起こします。
|遺伝的要因
一部のケースでは家族性の発症が報告されており、遺伝的要素が関与している可能性があります。
|環境要因
毒素や特定の化学物質への長期的な曝露が、リスクを高める可能性があり詳細は未解明です。
|加齢
高齢であることが主なリスク因子です。
2.症状


症状とは…患者自身が主観的に認識する身体的または精神的な異常のことを指し、これは医療者が観察可能な徴候(しるし)と区別され⇒痛み・疲労・吐き気・不安 など、患者の自覚に基づく訴えが中心です。
症状は病気の診断や治療方針の決定において重要な情報源であり、患者と医療者のコミュニケーションを通じて初めて明らかになる点が特徴で、レビー小体型認知症においては以下のように多岐にわたります。
|認知機能障害
認知機能障害
- 注意力や判断力の変動 ※認知機能の「揺らぎ」
- 空間認識の困難
|幻視
幻視
鮮明で具体的な幻視がよく見られます。
※例:人物や動物の幻覚 など
|パーキンソニズム
パーキンソニズム
筋肉の硬直/手足の震え/動作が遅れる などのパーキンソン病に似た症状。
|自律神経障害
自律神経障害
- 低血圧
- 便秘
- 尿失禁
- 発汗異常
|睡眠障害
睡眠障害
レム睡眠行動障害。
※夢を実際に行動化する
|感覚過敏
感覚過敏
音や光に対する過敏な反応。
3.治療


治療とは…病気やケガなどの健康状態の異常を 改善/回復 させることを目的として行われる行為や介入を指し、具体的には⇒薬物療法・手術・リハビリテーション・心理的支援 などの方法が含まれ、症状の軽減/原因の除去/生活の質向上 を目指します。
治療の本質は科学的根拠に基づき、患者個々の状況に応じた最適な介入を選択することにあり、現在レビー小体型認知症を根本的に治療する方法はありませんが、症状を管理し生活の質を向上させる為に以下の治療が行われます。
|薬物療法
薬物療法
> 認知機能の改善
コリンエステラーゼ阻害薬。
※リバスチグミン/ドネペジル
> 精神症状の軽減
抗精神病薬 。
※過敏反応に注意
> パーキンソン症状の緩和
レボドパ など。
|リハビリテーション
リハビリテーション
理学療法や作業療法による運動能力の維持。
|心理社会的サポート
心理社会的サポート
- 幻視や不安に対応するためのカウンセリング
- 家族への支援と教育
4.予防


予防とは…病気が発生する前にそのリスクを減少させる、または病気の進行を抑制し健康を維持するための 行動/介入 を指し、これには⇒一次予防(発症の防止)・二次予防(早期発見と治療)・三次予防(病状の悪化防止)が含まれます。
予防は個人の行動+社会環境+医療介入 の三位一体で行われるものであり、レビー小体型認知症を完全に予防する方法は確立されていませんが、以下の取り組みがリスクを減らす可能性があります。
|健康的な生活習慣
健康的な生活習慣
- 栄養バランスの良い食事 ※地中海式食事 など
- 定期的な運動
|脳の活性化
脳の活性化
- 読書
- パズル
- 楽器演奏
上記などの認知活動。
|ストレス管理
ストレス管理
- リラクゼーション法 ※ヨガ/瞑想/深呼吸
- 適度な運動 ※激しすぎないものを選ぶ
|慢性疾患の管理
慢性疾患の管理
- 高血圧
- 糖尿病
- 肥満
上記などのリスク因子をコントロールする。
|定期的な健康診断
定期的な健康診断
認知機能の早期チェックなどを専門医へ相談する。
おわりに
レビー小体型認知症は、患者本人だけでなく家族や介護者にとっても大きな挑戦です。しかし、適切な⇒診断+治療+サポート があれば生活の質を向上させることが可能です。疑わしい症状がある場合は、早期に医療機関を受診することが重要です。