どうも、担当者のヤマケンです→今回の疾病はいったいどのような病態なのでしょうか?それでは皆さん、御一緒に診ていきましょう。
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どんな病気?
肝硬変(かんこうへん)とは…肝臓の慢性的な損傷により肝細胞が破壊され、その部分が線維組織(瘢痕組織)に置き換わる病気である。この過程が進行すると肝臓の正常な機能が失われて 肝不全/合併症 を引き起こし、肝臓の機能低下により⇒代謝・解毒・胆汁の生成・血液の凝固 などに問題が生じます。
肝硬変は進行性であり治療が遅れると命に関わることがあります。

この記事は次のような人におすすめ!
・身体の不調で当てはまりそうな病気を探している
・肝臓疾患について勉強している
・知的好奇心が旺盛
1.原因


原因とは…病気の発症メカニズム(病因論)の中でその役割が科学的に証明されることで認識され、複数の要因が相互に影響し合って病気を引き起こす場合もあり、それは 誘因/危険因子 として区別され「その疾患を成立させるために必要で且つ十分な条件」と定義できます。
以上を踏まえると、肝硬変においては複合的にありますが以下が代表的な要因です。
|アルコール性肝疾患
長期間にわたる過度のアルコール摂取が、肝臓に負担をかけて肝細胞を破壊します。
|非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)
肥満や糖尿病に関連など、アルコールを摂取しなくても脂肪の蓄積が肝硬変を引き起こすことがあります。
|自己免疫性疾患
自己免疫性肝炎や原発性胆汁性胆管炎(PBC)など。
|薬物/毒物の影響
長期間の薬物使用や毒性物質への暴露は、肝臓を損傷することがあります。
|遺伝性疾患
ウィルソン病/ヘモクロマトーシス など、遺伝的要因による肝障害。
2.症状


症状とは…患者自身が主観的に認識する身体的または精神的な異常のことを指し、これは医療者が観察可能な徴候(しるし)と区別され⇒痛み・疲労・吐き気・不安 など、患者の自覚に基づく訴えが中心です。
症状は病気の診断や治療方針の決定において重要な情報源であり、患者と医療者のコミュニケーションを通じて初めて明らかになる点が特徴で、肝硬変において初期段階では自覚症状が乏しい場合もありますが、進行するにつれて以下のような症状が現れます。
|全身症状
- 倦怠感
- 食欲不振
- 体重減少
|肝機能低下による症状
- 黄疸⇒皮膚や目が黄色くなる
- 手掌紅斑⇒手のひらが赤くなる
- 腹水⇒腹部に水が溜まる
|合併症
- 肝性脳症⇒意識障害や記憶力低下
- 食道静脈瘤出血
- 感染症への抵抗力低下
|ホルモン異常
男性では女性化乳房/女性では月経不順。
3.治療


治療とは…病気やケガなどの健康状態の異常を 改善/回復 させることを目的として行われる行為や介入を指し、具体的には⇒薬物療法・手術・リハビリテーション・心理的支援 などの方法が含まれ、症状の軽減/原因の除去/生活の質向上 を目指します。
治療の本質は科学的根拠に基づき、患者個々の状況に応じた最適な介入を選択することにあり、肝硬変においては原因や進行度に応じて異なり以下になります。
|原因の治療
原因の治療
> ウイルス性肝炎の場合
抗ウイルス薬。 ※例:インターフェロン/直接作用型抗ウイルス薬
> アルコール性の場合
禁酒が最も重要。
> 非アルコール性の場合
体重管理や生活習慣の改善。
|合併症の管理
合併症の管理
> 腹水
利尿剤や塩分制限など。
> 食道静脈瘤
内視鏡治療。※バンド結紮/硬化療法
> 肝性脳症
ラクツロース/抗生物質。
|肝移植
肝移植
重症例や肝不全の場合には、肝移植が唯一の根治療法となる場合があります。
4.予防


予防とは…病気が発生する前にそのリスクを減少させる、または病気の進行を抑制し健康を維持するための 行動/介入 を指し、これには⇒一次予防(発症の防止)・二次予防(早期発見と治療)・三次予防(病状の悪化防止)が含まれます。
予防は個人の行動+社会環境+医療介入 の三位一体で行われるものであり、肝硬変を防ぐためには以下の策が有効です。
|肝炎ウイルスの予防
肝炎ウイルスの予防
- B型肝炎ワクチンの接種
- 血液や体液への接触を避ける ※清潔な医療器具/性行為 への注意
|アルコール摂取の制限
アルコール摂取の制限
適量を守って過剰な飲酒を避ける。
|健康的な生活習慣
健康的な生活習慣
適度な運動やバランスの取れた食事などの肥満防止。
|薬物や毒物の管理
薬物や毒物の管理
不必要な薬の使用を控えて適切な使用方法を守る。
|定期検診
定期検診
肝機能検査を定期的に受けることで早期発見を目指す。
おわりに
肝硬変は早期に原因を特定し、適切な対策を取ることで進行を抑えることが可能です。生活習慣の見直しと専門医の指導を受けることが、健康な肝臓を保つ鍵となります。