どうも、担当者のヤマケンです→今回の疾病はいったいどのような病態なのでしょうか?それでは皆さん、御一緒に診ていきましょう。
:この記事は約7分で読めます
どんな病気?
慢性(まんせい)ストレス障害とは…長期間にわたりストレスにさらされ続けることで自律神経やホルモンバランスが乱れ、身体的/精神的 な健康に深刻な影響を及ぼす状態を指します。これは急性ストレス反応とは異なり、長期間にわたって蓄積されたストレスによって発症します。
この疾病は、特定の精神疾患(うつ病/適応障害/心的外傷後ストレス障害:PTSD)と重なる部分もありますが、より広範な概念であり慢性的なストレスがもたらす心身の不調を総称したものです。

この記事は次のような人におすすめ!
・身体の不調で当てはまりそうな病気を探している
・交感神経疾患について勉強している
・知的好奇心が旺盛
1.原因


原因とは…病気の発症メカニズム(病因論)の中でその役割が科学的に証明されることで認識され、複数の要因が相互に影響し合って病気を引き起こす場合もあり、それは 誘因/危険因子 として区別され「その疾患を成立させるために必要で且つ十分な条件」と定義できます。
以上を踏まえると、慢性ストレス障害においては持続的なストレスの蓄積です。以下のような要因が関与することが多いです。
|仕事/学業 のプレッシャー
- 長時間労働
- 過重な責任
- 人間関係のストレス
- 評価のプレッシャー
上記などが挙げられる。
|家庭環境の問題
家庭内の不和による、親子/夫婦 関係の問題。
※経済的困難などが一因となる
|社会的ストレス
- 孤独感
- 対人関係の悩み
- いじめ
- 差別
- 社会的なプレッシャー
|健康問題
- 持病/慢性的な痛み
- 不眠
- ホルモンバランスの乱れ
|トラウマ的な出来事
- 過去の虐待
- 事故
- 自然災害
- 犯罪被害
2.症状


症状とは…患者自身が主観的に認識する身体的または精神的な異常のことを指し、これは医療者が観察可能な徴候(しるし)と区別され⇒痛み・疲労・吐き気・不安 など、患者の自覚に基づく訴えが中心です。
症状は病気の診断や治療方針の決定において重要な情報源であり、患者と医療者のコミュニケーションを通じて初めて明らかになる点が特徴で、慢性ストレス障害においては多岐にわたり、身体的/精神的/行動的 なものに分けられ以下になります。
|身体的症状
身体的症状
- 慢性的な疲労感/倦怠感
- 頭痛/肩こり/腰痛
- 消化不良/胃痛/下痢や便秘
- 不眠症/浅い眠り/悪夢
- 動悸/息切れ/めまい
|精神的症状
精神的症状
- 不安/イライラ/怒りっぽさ
- 抑うつ感/無気力/興味の喪失
- 集中力/記憶力 の低下
- 過度の心配/悲観的な思考
|行動的症状
行動的症状
- 過食/拒食 などの食欲異常
- アルコール/タバコ/カフェインの過剰摂取
- 社会的な引きこもり/人間関係の回避
- 作業効率の低下/ミスの増加
3.治療


治療とは…病気やケガなどの健康状態の異常を 改善/回復 させることを目的として行われる行為や介入を指し、具体的には⇒薬物療法・手術・リハビリテーション・心理的支援 などの方法が含まれ、症状の軽減/原因の除去/生活の質向上 を目指します。
治療の本質は科学的根拠に基づき、患者個々の状況に応じた最適な介入を選択することにあり、慢性ストレス障害においては心身のバランスを取り戻すためのアプローチが重要であり、以下の通りです。
|生活習慣の改善
生活習慣の改善
> 休息+睡眠
規則正しい生活リズムを作り、睡眠の質を向上させる。
> バランスの取れた食事
ビタミンB群やマグネシウムを含む食品(ナッツ/魚/野菜)を摂取する。
> 適度な運動
ウォーキング/ヨガ など、リラックス効果のある運動を取り入れる。
|心理的アプローチ
心理的アプローチ
> ストレスマネジメント
瞑想や呼吸法およびリラクゼーション法を実践する。
> カウンセリング/認知行動療法(CBT)
ネガティブな思考パターンを修正する。
> マインドフルネス
現在の瞬間に意識を向けて、過去/未来 の不安を軽減する思考法。
|薬物療法(必要に応じて)
薬物療法(必要に応じて)
抗不安薬/抗うつ薬/睡眠導入剤 などが処方されることもあり、医師の指導のもと適切に服用して副作用を考慮する。
|環境の見直し
環境の見直し
- 過度な仕事の負担を減らす
- ストレスの原因となる人間関係を整理
- リラックスできる 趣味/活動 を増やす
4.予防


予防とは…病気が発生する前にそのリスクを減少させる、または病気の進行を抑制し健康を維持するための 行動/介入 を指し、これには⇒一次予防(発症の防止)・二次予防(早期発見と治療)・三次予防(病状の悪化防止)が含まれます。
予防は個人の行動+社会環境+医療介入 の三位一体で行われるものであり、慢性ストレス障害を防ぐためには日常生活の中でストレスを適切に管理し、心身の健康を維持することが重要であり以下の通りです。
|ストレスの適切な発散
ストレスの適切な発散
- 運動/趣味 を楽しむ
- 旅行/自然 に触れる時間を作る
- 気の合う友人/家族 と過ごす
|生活リズムを整える
生活リズムを整える
- 十分な睡眠をとる ※7〜8時間の睡眠を確保
- 食事を規則的にして栄養バランスを考える
- 無理なスケジュールを組まない
|考え方を柔軟にする
考え方を柔軟にする
- 完璧主義を避ける ※適度な妥協
- 物事をポジティブに捉える
- 他人と自分を比較しすぎない
|人間関係の調整
人間関係の調整
- ストレスの多い関係は距離を取る
- 相談できる相手を確保する
- 自分の 感情/意見 を適切に表現する ※アサーションスキル
|専門家のサポート
専門家のサポート
心理カウンセリング/メンタルヘルスの専門家 に相談したり、ストレス管理をテーマにした ワークショップ/セミナー に参加する。
おわりに
慢性ストレス障害は長期間のストレス蓄積によって発症し、身体や精神に多様な悪影響を及ぼします。ストレスとうまく付き合いながら、心身の健康を維持することが何よりも大切です。