どうも、担当者のヤマケンです→今回の疾病はいったいどのような病態なのでしょうか?それでは皆さん、御一緒に診ていきましょう。
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どんな病気?
慢性糸球体腎炎(まんせいしきゅうたいじんえん)とは…腎臓の糸球体(血液を濾過するフィルターの役割)に慢性的な炎症が起こり、時間をかけて腎機能が徐々に低下していく疾患です。多くは自覚症状に乏しく発見が遅れることが多いのが特徴です。進行すると腎不全や透析が必要になる腎臓病(末期腎不全)へと至ります。
ヤマケンこの記事は次のような人におすすめ!
・身体の不調で当てはまりそうな病気を探している
・腎臓疾患について勉強している
・知的好奇心が旺盛
1.原因


原因とは…病気の発症メカニズム(病因論)の中でその役割が科学的に証明されることで認識され、複数の要因が相互に影響し合って病気を引き起こす場合もあり、それは 誘因/危険因子 として区別され「その疾患を成立させるために必要で且つ十分な条件」と定義できます。
以上を踏まえると、慢性糸球体腎炎においては多岐にわたり主に以下のような要因が関与します。
|IgA腎症
IgA腎症
日本で最も多い原因。自己免疫反応によってIgAが糸球体に沈着し炎症を起こします。
|続発性糸球体腎炎
続発性糸球体腎炎
以下のような他疾患が原因となることもあります。
- 全身性エリテマトーデス(SLE)
- 糖尿病性腎症
- 高血圧
|体質/遺伝
体質/遺伝
家族歴がある場合、発症しやすいケースもあります。
2.症状


症状とは…患者自身が主観的に認識する身体的または精神的な異常のことを指し、これは医療者が観察可能な徴候(しるし)と区別され⇒痛み・疲労・吐き気・不安 など、患者の自覚に基づく訴えが中心です。
症状は病気の診断や治療方針の決定において重要な情報源であり、患者と医療者のコミュニケーションを通じて初めて明らかになる点が特徴で、慢性糸球体腎炎においては初期に 軽微/無症状 で以下のような形で進行します。
|初期
初期
健康診断の時に 尿タンパク/血尿 が見つかることで気づく事が多い。
|進行期
進行期
- むくみ(特に 顔/足)
- 高血圧
- 倦怠感/疲れやすさ
- 尿量の変化(少なくなる/泡立つ)
|末期
末期
> 尿毒症
- 吐き気
- 食欲不振
- 息切れ
- 意識障害
3.治療


治療とは…病気やケガなどの健康状態の異常を 改善/回復 させることを目的として行われる行為や介入を指し、具体的には⇒薬物療法・手術・リハビリテーション・心理的支援 などの方法が含まれ、症状の軽減/原因の除去/生活の質向上 を目指します。
治療の本質は科学的根拠に基づき、患者個々の状況に応じた最適な介入を選択することにあり、慢性糸球体腎炎において目的は「腎機能の悪化を遅らせること」と「腎不全を防ぐこと」であり以下になります。
|薬物療法
薬物療法
> 降圧薬(ACE阻害薬/ARB)
血圧を下げ、糸球体の負荷を軽減する。
> ステロイド薬/免疫抑制薬
特にIgA腎症や自己免疫性の炎症に有効です。
> 利尿薬
むくみの改善に効果的。
|食事療法
食事療法
- 塩分制限(1日6g以下推奨)
- タンパク制限(腎機能に応じて)
- カリウム/リン の制限(進行期に応じて)
|生活習慣の改善
生活習慣の改善
- 禁煙
- 節酒
- 適度な運動
- 体重管理
|透析/腎移植
透析/腎移植
腎不全に進行した場合は、人工透析や腎移植が必要になります。
4.予防


予防とは…病気が発生する前にそのリスクを減少させる、または病気の進行を抑制し健康を維持するための 行動/介入 を指し、これには⇒一次予防(発症の防止)・二次予防(早期発見と治療)・三次予防(病状の悪化防止)が含まれます。
予防は個人の行動+社会環境+医療介入 の三位一体で行われるものであり、慢性糸球体腎炎においては「腎臓への負担を減らすこと」「早期発見」が鍵になり以下にまとめました。
|定期的な健康診断
尿検査で早期に タンパク尿/血尿 を発見する。
|高血圧/糖尿病 の管理
腎臓にダメージを与える代表的疾患。
|減塩食の実践
1日6g以下の塩分摂取を心掛ける。
|十分な水分補給
脱水は腎臓に負担をかけます。
|経過観察
風邪や感染後に 血尿/むくみ が出る場合はすぐに受診がおススメです。
|禁煙/節酒
血管への負担を軽減させましょう。
おわりに
慢性糸球体腎炎は静かに進行する腎臓病であり、自覚症状が乏しいまま進行し気づいたときには腎不全に至っているケースも少なくありません。自分の健康状態に関心を持ち、定期的な尿検査と血圧管理を行うことが未来の健康を守る第一歩です。

