どうも、担当者のヤマケンです→今回の疾病はいったいどのような病態なのでしょうか?それでは皆さん、御一緒に診ていきましょう。
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どんな病気?
心筋症(しんきんしょう)とは…心臓の筋肉(心筋)が正常に機能しなくなる疾患の総称であり、主に以下の3つのタイプがあります。
拡張型心筋症(DCM)
心室が拡張して、心臓が血液を効率的に送り出せなくなる状態。
肥大型心筋症(HCM)
心筋が異常に厚くなることで、心臓の ポンプ機能/血液の流れ が阻害される。
拘束型心筋症(RCM)
心筋が硬くなり、心臓が血液を受け入れる能力が低下する。

この記事は次のような人におすすめ!
・身体の不調で当てはまりそうな病気を探している
・心臓疾患について勉強している
・知的好奇心が旺盛
1.原因


原因とは…病気の発症メカニズム(病因論)の中でその役割が科学的に証明されることで認識され、複数の要因が相互に影響し合って病気を引き起こす場合もあり、それは 誘因/危険因子 として区別され「その疾患を成立させるために必要で且つ十分な条件」と定義できます。
以上を踏まえると、心筋症においてはタイプにより異なりますが、以下が主な要因です。
|遺伝的要因
特に肥大型心筋症は、遺伝的な異常が関与している場合が多いです。
|感染症/炎症
ウイルス感染や心筋炎が引き金になることがあります。
|代謝異常
糖尿病や甲状腺疾患などが影響を及ぼす場合もあります。
|毒性物質
アルコールの過剰摂取や特定の薬剤(化学療法薬 など)が心筋にダメージを与えることもあります。
|その他
高血圧や冠動脈疾患もしくは自己免疫疾患なども関連することがあります。
2.症状


症状とは…患者自身が主観的に認識する身体的または精神的な異常のことを指し、これは医療者が観察可能な徴候(しるし)と区別され⇒痛み・疲労・吐き気・不安 など、患者の自覚に基づく訴えが中心です。
症状は病気の診断や治療方針の決定において重要な情報源であり、患者と医療者のコミュニケーションを通じて初めて明らかになる点が特徴で、心筋症においては病状の進行度やタイプにより異なりますが、一般的には以下の通りです。
|息切れ
特に運動時や横になったときに感じる。
|倦怠感
体が常に疲れやすい状態。
|むくみ
特に足や足首に発生することが多い。
|胸痛
圧迫感や締め付け感を伴う場合がある。
|動悸
不規則な心拍や心臓の鼓動が速く感じられる。
|めまい/失神
心拍の不安定さから生じることがある。
3.治療


治療とは…病気やケガなどの健康状態の異常を 改善/回復 させることを目的として行われる行為や介入を指し、具体的には⇒薬物療法・手術・リハビリテーション・心理的支援 などの方法が含まれ、症状の軽減/原因の除去/生活の質向上 を目指します。
治療の本質は科学的根拠に基づき、患者個々の状況に応じた最適な介入を選択することにあり、心筋症においては病状の進行度や原因に基づいて個別に行われる、以下が主な方法です。
|薬物療法
薬物療法
> β遮断薬/カルシウム拮抗薬
心拍数や血圧の調整をする。
> 利尿薬
むくみを軽減し心臓への負担を減らす。
> ACE阻害薬/ARB
心臓の負担を軽減する。
|非薬物療法
非薬物療法
ペースメーカー/植込み型除細動器(ICD)を使用する。その他にはカテーテル治療などもある。
|手術
手術
肥大型心筋症では 心筋切除術※1が行われることがあります。
|生活習慣の改善
生活習慣の改善
塩分の摂取制限や適切な体重管理のもと 禁酒/禁煙 を行い、定期的な運動を医師の指導の下で行う。
4.予防


予防とは…病気が発生する前にそのリスクを減少させる、または病気の進行を抑制し健康を維持するための 行動/介入 を指し、これには⇒一次予防(発症の防止)・二次予防(早期発見と治療)・三次予防(病状の悪化防止)が含まれます。
予防は個人の行動+社会環境+医療介入 の三位一体で行われるものであり、心筋症においては困難な場合もありますが、リスクを減らす為に以下の方法が推奨されます。
|健康的な生活習慣の維持
健康的な生活習慣の維持
バランスの取れた食事を心がけて 禁酒/禁煙 を徹底して適度な運動も行う。
|基礎疾患の管理
基礎疾患の管理
- 高血圧
- 糖尿病
- 高脂血症
上記の病を適切に治療する。
|感染症の予防
感染症の予防
インフルエンザや肺炎などの感染症を予防するためのワクチン接種。
|ストレス管理
ストレス管理
過剰なストレスを避けて十分な睡眠を確保する。
|定期的な健康診断
定期的な健康診断
特に家族に心筋症の既往がある場合、早期発見のための診断を受ける。
おわりに
心筋症はさまざまなタイプと原因を持つ疾患であり、適切な治療と生活習慣の改善が重要です。症状が疑われる場合は早めに医師の診察を受けることで、重篤な合併症を防ぐ鍵となります。また、予防に努めることで発症リスクを軽減することも可能です。