どうも、担当者のヤマケンです→今回の疾病はいったいどのような病態なのでしょうか?それでは皆さん、御一緒に診ていきましょう。
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どんな病気?
脳幹梗塞(のうかんこうそく)とは…脳幹と呼ばれる脳の重要な部分に血流が途絶えることによって発生する病気です。脳幹は⇒呼吸・心拍・血圧・意識・運動・感覚 などの生命維持や身体機能を司る中枢神経が集まる場所であり、脳幹梗塞は生命に関わる重篤な症状を引き起こす可能性があります。

この記事は次のような人におすすめ!
・身体の不調で当てはまりそうな病気を探している
・脳幹疾患について勉強している
・知的好奇心が旺盛
1.原因


原因とは…病気の発症メカニズム(病因論)の中でその役割が科学的に証明されることで認識され、複数の要因が相互に影響し合って病気を引き起こす場合もあり、それは 誘因/危険因子 として区別され「その疾患を成立させるために必要で且つ十分な条件」と定義できます。
以上を踏まえると、脳幹梗塞においては血管が詰まること(血栓/塞栓)による血流の阻害であり、以下の要因がリスクを高めます。
|動脈硬化
動脈壁が硬化して血管が狭くなることで、血流が途絶えやすくなります。
|心房細動(不整脈)
心臓で形成された血栓が、血流に乗って脳幹の血管を詰まらせる可能性があります。
|高血圧
血圧が高いと血管壁に負担がかかり、動脈硬化や血管損傷が進みやすくなります。
|糖尿病
血管の内皮を損傷して血流の悪化を引き起こします。
|喫煙/過剰な飲酒
血管へのダメージを促進します。
|脂質異常症
高コレステロールや中性脂肪が血管を詰まりやすくします。
2.症状


症状とは…患者自身が主観的に認識する身体的または精神的な異常のことを指し、これは医療者が観察可能な徴候(しるし)と区別され⇒痛み・疲労・吐き気・不安 など、患者の自覚に基づく訴えが中心です。
症状は病気の診断や治療方針の決定において重要な情報源であり、患者と医療者のコミュニケーションを通じて初めて明らかになる点が特徴で、脳幹は多くの重要な機能を管理しているため、症状は多岐にわたり以下が代表的な症状です。
|運動障害
片側または両側の麻痺および筋力低下。
|感覚障害
顔や身体の一部に 痺れ/感覚異常 が現れることがあります。
|めまい/平衡感覚の喪失
特に突然の激しいめまいが特徴的です。
|眼球運動の異常
目の動きが制限されたり、複視(物が二重に見える)が生じることがあります。
|言語/発声の障害
発音や言語の理解に問題が出る場合があります。
|意識障害
重症の場合は意識が低下することもあります。
|嚥下障害
食べ物/飲み物 を飲み込む際に困難を感じることがあります。
3.治療


治療とは…病気やケガなどの健康状態の異常を 改善/回復 させることを目的として行われる行為や介入を指し、具体的には⇒薬物療法・手術・リハビリテーション・心理的支援 などの方法が含まれ、症状の軽減/原因の除去/生活の質向上 を目指します。
治療の本質は科学的根拠に基づき、患者個々の状況に応じた最適な介入を選択することにあり、脳幹梗塞においては迅速に行うことが重要になり、以下が主な治療法です。
|血栓溶解療法
血栓溶解療法
発症後4.5時間以内であれば、t-PA(組織プラスミノーゲン活性化因子)という薬を使用して血栓を溶かす治療が行われます。
|抗血小板療法/抗凝固療法
抗血小板療法/抗凝固療法
血液を固まりにくくする薬を使用して、血栓の再発を防ぎます。
|血管内治療
血管内治療
カテーテルを使い直接血栓を取り除く治療が行われることもあります。
|リハビリテーション
リハビリテーション
運動機能や言語機能の回復を目指したリハビリが重要です。
|全身管理
全身管理
血圧/血糖値/心拍数 などを厳密に管理して、再発を防ぎます。
4.予防


予防とは…病気が発生する前にそのリスクを減少させる、または病気の進行を抑制し健康を維持するための 行動/介入 を指し、これには⇒一次予防(発症の防止)・二次予防(早期発見と治療)・三次予防(病状の悪化防止)が含まれます。
予防は個人の行動+社会環境+医療介入 の三位一体で行われるものであり、脳幹梗塞においては生活習慣の改善と基礎疾患の管理が重要で、主な方法は以下の通りです。
|生活習慣の改善
生活習慣の改善
> バランスの良い食事
塩分を控えて野菜や果物を多く摂る。
> 適度な運動
ウォーキング/軽いジョギング を日常生活に取り入れる。
> 禁煙
喫煙は血管を著しく損傷します。
> 適切な飲酒
アルコール摂取を制限する。
|基礎疾患の管理
基礎疾患の管理
高血圧や糖尿病を適切に治療し、薬を継続的に服用する。
※心房細動がある場合は抗凝固療法を受ける
|定期的な健康診断
定期的な健康診断
血圧/血糖値/コレステロール値 を定期的にチェックして異常があれば早期に対応する。
|ストレス管理
ストレス管理
過度なストレスを避けて十分な睡眠を取る。
おわりに
脳幹梗塞は突然発症することが多く迅速な対応が必要です。健康的な生活習慣を維持し、リスク因子を管理することで予防が可能です。また症状が現れた場合には、すぐに医療機関を受診することが重要です。