どうも、担当者のヤマケンです→今回の疾病はいったいどのような病態なのでしょうか?それでは皆さん、御一緒に診ていきましょう。
:この記事は約7分で読めます
どんな病気?
膀胱結石(ぼうこうけっせき)とは…尿路(特に膀胱内)に形成される固形の結晶体のことを指します。尿中に含まれる⇒カルシウム・尿酸・リン酸塩 などの成分が、膀胱内で固まり石のような状態になる病気であり、これらの結石は小さい場合は無症状のこともありますが、大きくなると尿路を傷つけたり閉塞させることで様々な問題を引き起こします。

この記事は次のような人におすすめ!
・身体の不調で当てはまりそうな病気を探している
・膀胱疾患について勉強している
・知的好奇心が旺盛
1.原因


原因とは…病気の発症メカニズム(病因論)の中でその役割が科学的に証明されることで認識され、複数の要因が相互に影響し合って病気を引き起こす場合もあり、それは 誘因/危険因子 として区別され「その疾患を成立させるために必要で且つ十分な条件」と定義できます。
以上を踏まえると、膀胱結石において主な原因は以下の通りです。
|尿の停滞
膀胱内で尿が長時間溜まると尿中の成分が結晶化しやすくなりますが、これは前立腺肥大症や膀胱の排尿障害にくわえ尿路感染症などによるものです。
|尿路感染症
一部の細菌が尿中のpHを変化させ、結石が形成されやすくなります。
|異物の存在
膀胱内にカテーテルや縫合糸などの異物があると、結石の核となる可能性があります。
|食生活
高タンパク/高塩分/脱水状態 が続くと結石が形成されやすくなります。
|その他
尿路の先天的異常や神経因性膀胱(神経による排尿障害)も、結石の原因になることがあります。
2.症状


症状とは…患者自身が主観的に認識する身体的または精神的な異常のことを指し、これは医療者が観察可能な徴候(しるし)と区別され⇒痛み・疲労・吐き気・不安 など、患者の自覚に基づく訴えが中心です。
症状は病気の診断や治療方針の決定において重要な情報源であり、患者と医療者のコミュニケーションを通じて初めて明らかになる点が特徴で、膀胱結石においては石の 大きさ/位置 によって異なりますが以下が一般的です。
|排尿痛
排尿時に痛みを感じることがあります。
※特に結石が尿道に移動すると強い痛みが生じる
|血尿
結石が膀胱壁や尿道を傷つけることで、尿に血が混じることがあります。
|頻尿/残尿感
結石が膀胱内で刺激を与えるため、頻繁に排尿したくなることがあります。
|尿閉
結石が尿道を完全に塞ぐと、尿が出なくなることがあります。
|感染症
膀胱結石に伴い尿路感染症が起こると、発熱や膿尿が見られることがあります。
3.治療


治療とは…病気やケガなどの健康状態の異常を 改善/回復 させることを目的として行われる行為や介入を指し、具体的には⇒薬物療法・手術・リハビリテーション・心理的支援 などの方法が含まれ、症状の軽減/原因の除去/生活の質向上 を目指します。
治療の本質は科学的根拠に基づき、患者個々の状況に応じた最適な介入を選択することにあり、膀胱結石においては結石の 大きさ/症状 あるいは患者の全身状態に応じて選択され、以下の方法があります。
|内視鏡治療(経尿道的手術)
内視鏡治療(経尿道的手術)
内視鏡を使用して膀胱内の結石を直接砕いて取り除きます。
※一般的かつ効果的な方法
|体外衝撃波結石破砕術(ESWL)
体外衝撃波結石破砕術(ESWL)
体外から衝撃波を当てて結石を破砕し、小さくなった破片を尿と共に排出します。
※膀胱結石では適用が限られる場合もある
|外科的治療
外科的治療
大きな結石や複数の結石がある場合、膀胱を切開して直接取り除く手術が行われることがあります。
|薬物療法
薬物療法
尿酸結石の場合、尿をアルカリ化する薬剤を使用して自然排出を促すことがあります。
4.予防


予防とは…病気が発生する前にそのリスクを減少させる、または病気の進行を抑制し健康を維持するための 行動/介入 を指し、これには⇒一次予防(発症の防止)・二次予防(早期発見と治療)・三次予防(病状の悪化防止)が含まれます。
予防は個人の行動+社会環境+医療介入 の三位一体で行われるものであり、膀胱結石においては以下の対策が有効です。
|十分な水分摂取
十分な水分摂取
尿を薄めて結晶化を防ぐために、1日1.5~2リットル程度の水分を摂取します。
|バランスの取れた食生活
バランスの取れた食生活
高タンパク/高塩分 の食事を控えて、 野菜/果物 を多く摂ることで尿のpHを正常に保ちます。
|定期的な排尿
定期的な排尿
尿を膀胱内に長時間溜めないようにし、規則正しく排尿する習慣をつけます。
|基礎疾患の管理
基礎疾患の管理
前立腺肥大症や尿路感染症など、原因疾患を早期に治療します。
|定期検診
定期検診
尿検査や画像診断を定期的に行い、結石や尿路異常の早期発見を心がけます。
おわりに
膀胱結石は早期発見と適切な治療で改善が見込まれる病気です。疑わしい症状がある場合は、早めに医療機関を受診することをお勧めします。