どうも、担当者のヤマケンです→今回の疾病はいったいどのような病態なのでしょうか?それでは皆さん、御一緒に診ていきましょう。
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どんな病気?
膀胱(ぼうこう)がんとは…膀胱の内側を覆う粘膜(移行上皮細胞)が異常増殖してがん化する疾患です。主に尿を蓄える膀胱に発生しますが、尿路のほかの部分に影響を及ぼすこともあります。
膀胱がんには、表在性(筋層に浸潤しない)と浸潤性(筋層に達する)の2種類あり進行度や治療法が異なります。

この記事は次のような人におすすめ!
・身体の不調で当てはまりそうな病気を探している
・膀胱疾患について勉強している
・知的好奇心が旺盛
1.原因


原因とは…病気の発症メカニズム(病因論)の中でその役割が科学的に証明されることで認識され、複数の要因が相互に影響し合って病気を引き起こす場合もあり、それは 誘因/危険因子 として区別され「その疾患を成立させるために必要で且つ十分な条件」と定義できます。
以上を踏まえると、膀胱がんにおいては明確に解明されていませんが以下の要因がリスクを高めるとされています。
|喫煙
タバコの煙には多くの発がん性物質が含まれ、尿中に排出される過程で膀胱内に影響を及ぼします。
|化学物質への曝露
染料/ゴム/塗料 などに関連する職業に従事する人々は、特定の化学物質(芳香族アミン など)への長期的な曝露がリスクを高める可能性があります。
|慢性的な膀胱刺激
長期的な⇒尿路感染症・結石・カテーテルの使用 による膀胱の慢性的な炎症が影響することもあります。
|家族歴/遺伝
家族に膀胱がんの患者がいる場合や、遺伝的な要因も影響することがあります。
|その他
- 年齢(高齢者に多い)
- 性別(男性が多い)
- 飲料
- 水中の砒素
- 特定の薬剤への曝露
2.症状


症状とは…患者自身が主観的に認識する身体的または精神的な異常のことを指し、これは医療者が観察可能な徴候(しるし)と区別され⇒痛み・疲労・吐き気・不安 など、患者の自覚に基づく訴えが中心です。
症状は病気の診断や治療方針の決定において重要な情報源であり、患者と医療者のコミュニケーションを通じて初めて明らかになる点が特徴で、膀胱がんにおいては初期段階で自覚症状がないこともありますが、主な症状は以下の通りです。
|血尿
血液が尿中に混じる。(肉眼で見えるものから顕微鏡的なものまで)
※最も一般的な初期症状です
|排尿時の 痛み/違和感
尿意切迫感や排尿困難、または排尿時の焼けるような痛みが現れる場合があります。
|頻尿
排尿の回数が増えることがあります。
|進行した場合の症状
腹部や骨への痛み/体重減少や疲労感/など、がんが他の部位に転移すると症状が悪化することがあります。
3.治療


治療とは…病気やケガなどの健康状態の異常を 改善/回復 させることを目的として行われる行為や介入を指し、具体的には⇒薬物療法・手術・リハビリテーション・心理的支援 などの方法が含まれ、症状の軽減/原因の除去/生活の質向上 を目指します。
治療の本質は科学的根拠に基づき、患者個々の状況に応じた最適な介入を選択することにあり、膀胱がんにおいては進行度や患者の全身状態によって異なりますが、以下の方法があります。
|手術
手術
> 経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)
初期の膀胱がんに対して使用される手法で、内視鏡を用いて腫瘍を取り除きます。
> 膀胱全摘除術
進行性のがんの場合、膀胱全体を摘出することがあります。
|化学療法
化学療法
局所的に膀胱内へ薬剤を注入する方法(膀胱内注入療法)と、全身に薬を投与する方法があります。
|放射線療法
放射線療法
放射線を用いてがん細胞を破壊します。
※手術が難しい場合や補助療法として使用される
|免疫療法
免疫療法
BCGワクチンを膀胱内に注入して免疫システムを活性化し、がん細胞を攻撃します。
|ターゲット療法
ターゲット療法
遺伝子変異/がん細胞特有の特徴 を標的とする『新しい治療法』が開発されています。
4.予防


予防とは…病気が発生する前にそのリスクを減少させる、または病気の進行を抑制し健康を維持するための 行動/介入 を指し、これには⇒一次予防(発症の防止)・二次予防(早期発見と治療)・三次予防(病状の悪化防止)が含まれます。
予防は個人の行動+社会環境+医療介入 の三位一体で行われるものであり、膀胱がんのリスクを減らすための主な方法は以下の通りです。
|禁煙
タバコを吸わない、または禁煙することでリスクを大幅に減らせます。
|化学物質への曝露を避ける
有害物質を取り扱う場合は、適切な保護具を使用して曝露を最小限に抑えます。
|水分摂取を増やす
十分な水分を摂ることで尿が薄まり、発がん物質の濃度を下げる効果が期待されます。
|バランスの取れた食事
抗酸化作用のある食品(果物/野菜)を取り入れ、体の防御力を高めます。
|定期検診を受ける
特にリスクが高い人は定期的に健康診断を受け、早期発見に努めます。
おわりに
膀胱がんは早期の 発見/治療 が重要です。症状やリスク要因が気になる場合は、速やかに医療機関で相談しましょう。