どうも、担当者のヤマケンです→今回の疾病はいったいどのような病態なのでしょうか?それでは皆さん、御一緒に診ていきましょう。
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どんな病気?
胆道(たんどう)ジスキネジアとは…胆嚢(たんのう)や胆管の機能が正常に働かない状態を指す病気です。具体的には、胆嚢が胆汁を適切に排出できなかったり、胆管がスムーズに胆汁を流せない場合を指します。
この疾患は胆石や胆嚢炎と異なり、明確な構造的異常がないにもかかわらず機能的な障害が生じるのが特徴です。

この記事は次のような人におすすめ!
・身体の不調で当てはまりそうな病気を探している
・胆嚢疾患について勉強している
・知的好奇心が旺盛
1.原因


原因とは…病気の発症メカニズム(病因論)の中でその役割が科学的に証明されることで認識され、複数の要因が相互に影響し合って病気を引き起こす場合もあり、それは 誘因/危険因子 として区別され「その疾患を成立させるために必要で且つ十分な条件」と定義できます。
以上を踏まえると、胆道ジスキネジアにおいては完全に解明されていませんが、以下の要因が関与していると考えられています。
|胆嚢の収縮機能異常
胆嚢が適切に収縮できないため、胆汁が十二指腸にうまく排出されません。
|Oddi括約筋の機能障害
胆管と膵管の出口にあるOddi括約筋が、過剰に収縮または弛緩できないことで胆汁の流れが滞ることがあります。
|ストレスや自律神経の影響
精神的ストレスや自律神経の乱れが、胆嚢や胆管の機能に影響を及ぼす可能性があります。
|ホルモンのバランス異常
消化に関与するホルモン(コレシストキニン など)の分泌異常が、胆嚢の機能に影響を与えることがあります。
|食生活や生活習慣
高脂肪食や不規則な食事習慣が、胆道の機能を弱める一因になることがあります。
2.症状


症状とは…患者自身が主観的に認識する身体的または精神的な異常のことを指し、これは医療者が観察可能な徴候(しるし)と区別され⇒痛み・疲労・吐き気・不安 など、患者の自覚に基づく訴えが中心です。
症状は病気の診断や治療方針の決定において重要な情報源であり、患者と医療者のコミュニケーションを通じて初めて明らかになる点が特徴で、胆道ジスキネジアにおいては非特異的で、以下のような不快感を訴えることがあります。
|右上腹部の 痛み/違和感
特に脂肪分の多い食事後に痛みが悪化することがあります。
|消化不良
胆汁の流れが悪いため脂肪の消化が難しくなり、腹部に 膨満感/吐き気 が生じます。
|下痢や便秘
消化機能の低下に伴い、便通の異常が見られることがある。
|全身倦怠感
胆汁が正常に流れないことで、体調不良を引き起こすことがあります。
|黄疸(稀な場合)
胆汁の流れが極端に悪化すると 皮膚/目 が黄色くなることがある。
3.治療


治療とは…病気やケガなどの健康状態の異常を 改善/回復 させることを目的として行われる行為や介入を指し、具体的には⇒薬物療法・手術・リハビリテーション・心理的支援 などの方法が含まれ、症状の軽減/原因の除去/生活の質向上 を目指します。
治療の本質は科学的根拠に基づき、患者個々の状況に応じた最適な介入を選択することにあり、胆道ジスキネジアにおいては症状の程度や原因によって異なり、以下が一般的な方法です。
|薬物療法
薬物療法
- 胆嚢の収縮を促す薬剤 ※ウルソデオキシコール酸
- 鎮痙薬 ※Oddi括約筋の緊張を緩和するため
- 消化酵素補助薬 ※消化を助ける
|手術(重症例)
手術(重症例)
胆嚢摘出術(胆嚢を摘出する手術)は、症状が薬物療法で改善しない場合に検討されます。
|心理療法/ストレス管理
心理療法/ストレス管理
ストレスが症状を悪化させる場合は、心理療法やリラクゼーション療法が効果的です。
4.予防


予防とは…病気が発生する前にそのリスクを減少させる、または病気の進行を抑制し健康を維持するための 行動/介入 を指し、これには⇒一次予防(発症の防止)・二次予防(早期発見と治療)・三次予防(病状の悪化防止)が含まれます。
予防は個人の行動+社会環境+医療介入 の三位一体で行われるものであり、胆道ジスキネジアにおいては以下の予防策が有効です。
|バランスの取れた食事
高脂肪食や過食を避けて、野菜や果物を多く摂取する。
|適度な運動
運動は消化機能を促進して胆汁の流れを助けます。
|規則正しい生活
ストレスを管理し、規則正しい食事と睡眠を心がける。
|アルコール/カフェイン の摂取を控える
これらは胆道の機能を乱す可能性があります。
|定期検診
胆道に関連する疾患の早期発見が、重症化を防ぐ助けとなります。
おわりに
胆道ジスキネジアは日常生活に支障をきたすことがありますが、適切な治療と予防で、症状を管理することが可能です。症状が気になる場合は早めに医療機関を受診しましょう。