心房細動

どうも、担当者のヤマケンです→今回の疾病はいったいどのような病態なのでしょうか？それでは皆さん、御一緒に診ていきましょう。

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どんな病気？

　心房細動（しんぼうさいどう）とは…心臓の上部にある「心房」が不規則かつ非常に速く震えるように動く不整脈の一種です。

　本来、心臓は電気的な信号で規則正しく収縮しますが、心房細動ではその電気信号が乱れて心拍が不規則かつ速くなるため、全身への血液循環が不安定になります。高齢者に多く、放置すると脳梗塞や心不全の原因となるため注意が必要です。

１.原因

　原因とは…病気の発症メカニズム（病因論）の中でその役割が科学的に証明されることで認識され、複数の要因が相互に影響し合って病気を引き起こす場合もあり、それは 誘因／危険因子 として区別され「その疾患を成立させるために必要で且つ十分な条件」と定義できます。

　以上を踏まえると、心房細動においては以下のような要因で発症します。

• 高血圧 ※心房に負荷をかける
• 心臓の構造的異常 ※弁膜症／心筋症 など
• 加齢 ※心臓の電気系統の劣化
• 甲状腺機能亢進症
• 過度の 飲酒／喫煙／ストレス
• 睡眠時無呼吸症候群
• 糖尿病／肥満
• 慢性腎疾患

また、原因が明確でない「孤発性心房細動（特発性）」もあり、若年者にも起こる場合があります。

２.症状

　症状とは…患者自身が主観的に認識する身体的または精神的な異常のことを指し、これは医療者が観察可能な徴候（しるし）と区別され⇒痛み・疲労・吐き気・不安 など、患者の自覚に基づく訴えが中心です。

　症状は病気の診断や治療方針の決定において重要な情報源であり、患者と医療者のコミュニケーションを通じて初めて明らかになる点が特徴で、心房細動においては個人差がありますが、主に以下のようなものが見られます。

• 動悸 ※心臓がバラバラに打つ感じ
• 胸の不快感や圧迫感
• めまい／ふらつき
• 息切れ／疲れやすさ
• 失神 ※稀に発症

無症状のこともあり、「健診で偶然見つかる」ケースも少なくありません。しかし、心房内に血栓ができやすくなり脳梗塞のリスクが高くなるため、早期発見が重要です。

３.治療

　治療とは…病気やケガなどの健康状態の異常を 改善／回復 させることを目的として行われる行為や介入を指し、具体的には⇒薬物療法・手術・リハビリテーション・心理的支援 などの方法が含まれ、症状の軽減／原因の除去／生活の質向上 を目指します。

　治療の本質は科学的根拠に基づき、患者個々の状況に応じた最適な介入を選択することにあり、心房細動においては以下の3本柱になります。

｜抗凝固療法

抗凝固療法

心房内の血栓形成を防ぐため、ワルファリンやNOAC（新規経口抗凝固薬）を使用します。

｜心拍数のコントロール

心拍数のコントロール

• 薬物療法 ※β遮断薬 など
• カルディオバージョン（電気的除細動）
• カテーテルアブレーション（異常電気信号の焼灼）

｜治療と改善

治療と改善

４.予防

　予防とは…病気が発生する前にそのリスクを減少させる、または病気の進行を抑制し健康を維持するための 行動／介入 を指し、これには⇒一次予防（発症の防止）・二次予防（早期発見と治療）・三次予防（病状の悪化防止）が含まれます。

　予防は個人の行動＋社会環境＋医療介入 の三位一体で行われるものであり、心房細動においては以下の生活習慣の改善が発症リスクを低下させます。

• 高血圧や糖尿病の適切な管理
• 過度のアルコール摂取を避ける
• 禁煙
• 適度な有酸素運動
• 肥満の解消
• 睡眠の質の改善（睡眠時無呼吸症候群の治療）
• ストレス管理

また、50歳以上では定期的な心電図検査で早期発見に努めることも重要です。

心房細動は、加齢や生活習慣病に関連して増加する命に関わる不整脈の一種です。自覚症状がない場合でも、放置すると脳梗塞や心不全を引き起こす危険性があります。予防には日々の健康管理と定期検診が不可欠です。