どうも、担当者のヤマケンです→今回の疾病はいったいどのような病態なのでしょうか?それでは皆さん、御一緒に診ていきましょう。
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どんな病気?
無脾症(むひしょう)とは…脾臓が欠如しているあるいは機能していない状態を指します。主に脾臓は免疫系の一部として血液中の 異常な赤血球の除去/病原体への防御 に重要な役割を果たします。
無脾症は先天性の異常として発生する場合もあれば、病気や外科的摘出によって後天的に起こることもあり、脾臓は体内で以下のように役割を果たします。
- 血液中の異常な赤血球や老廃物を除去
- 免疫細胞を活性化させて感染と闘う
- 病原体をフィルタリングして感染を防止

この記事は次のような人におすすめ!
・身体の不調で当てはまりそうな病気を探している
・脾臓疾患について勉強している
・知的好奇心が旺盛
1.原因


原因とは…病気の発症メカニズム(病因論)の中でその役割が科学的に証明されることで認識され、複数の要因が相互に影響し合って病気を引き起こす場合もあり、それは 誘因/危険因子 として区別され「その疾患を成立させるために必要で且つ十分な条件」と定義できます。
以上を踏まえると、無脾症においては以下の要因が挙げられます。
|先天性の無脾症
先天性の無脾症
> 遺伝的要因
胎児期の発育異常によるもので単独で発生することもあれば、心臓や他の臓器の異常(ヘテロタキシー症候群)と関連している場合もあります。
|後天性の無脾症
後天性の無脾症
> 外科的摘出(脾摘)
外傷/血液疾患(例:血小板減少性紫斑病や脾臓腫瘍)の治療のために脾臓を除去した場合。
> 脾臓の機能不全
鎌状赤血球症/サルコイドーシス などの基礎疾患が原因で脾臓が正常に機能しなくなること。
2.症状


症状とは…患者自身が主観的に認識する身体的または精神的な異常のことを指し、これは医療者が観察可能な徴候(しるし)と区別され⇒痛み・疲労・吐き気・不安 など、患者の自覚に基づく訴えが中心です。
症状は病気の診断や治療方針の決定において重要な情報源であり、患者と医療者のコミュニケーションを通じて初めて明らかになる点が特徴で、無脾症においては特有の症状はありませんが、以下のような問題が生じます。
|重篤な感染症のリスク増加
- 肺炎球菌
- 髄膜炎菌
- インフルエンザ菌
上記の感染により敗血症を引き起こす可能性があります。
|血液中の異常
Howell-Jolly小体(赤血球内のDNA残留物)が出現することがあります。
|慢性的な倦怠感/体力低下
免疫低下の結果として特に子どもや高齢者では、感染症が致命的になるリスクが高いため注意が必要です。
3.治療


治療とは…病気やケガなどの健康状態の異常を 改善/回復 させることを目的として行われる行為や介入を指し、具体的には⇒薬物療法・手術・リハビリテーション・心理的支援 などの方法が含まれ、症状の軽減/原因の除去/生活の質向上 を目指します。
治療の本質は科学的根拠に基づき、患者個々の状況に応じた最適な介入を選択することにあり、無脾症においては原因や症状の重症度によって異なり、以下が主な方法です。
|予防的治療
予防的治療
> ワクチン接種
- 肺炎球菌
- 髄膜炎菌
- インフルエンザ菌
上記の感染を防ぐために、適切なワクチンを接種します。
> 抗生物質の予防投与
感染のリスクが高い場合には、特に子どもにおいて抗生物質を長期的に服用することが推奨される場合もあります。
|感染症の治療
感染症の治療
感染症が発生した場合には、迅速な抗生物質治療が必要です。
※発熱などの感染兆候で速やかに医療機関を受診
|健康管理
健康管理
医師による定期的なフォローアップや、感染症が流行する時期や場所への訪問を避ける。
4.予防


予防とは…病気が発生する前にそのリスクを減少させる、または病気の進行を抑制し健康を維持するための 行動/介入 を指し、これには⇒一次予防(発症の防止)・二次予防(早期発見と治療)・三次予防(病状の悪化防止)が含まれます。
予防は個人の行動+社会環境+医療介入 の三位一体で行われるものであり、先天性の無脾症を防ぐ方法は現状ではありませんが、後天的な無脾症を防ぐためには以下が重要です。
|脾臓を保護する生活習慣
外傷やスポーツによる脾臓損傷を防ぐために、適切な防具を使用すること。
|基礎疾患の管理
鎌状赤血球症やその他の血液疾患を早期に診断して適切に治療する。
|健康診断の実施
定期的な健康診断で脾臓の状態を把握する。
おわりに
無脾症は免疫系に大きな影響を与える疾患であり、特に感染症に対しての注意が必要です。適切な予防策や治療を行い健康管理を徹底することで、感染リスクを最小限に抑えることができます。医師の指導のもと早期対応を心掛けましょう。