どうも、担当者のヤマケンです→今回の疾病はいったいどのような病態なのでしょうか?それでは皆さん、御一緒に診ていきましょう。
:この記事は約6分で読めます
どんな病気?
急性膵炎(きゅうせいすいえん)とは…膵臓が自己消化を引き起こし急性の炎症を引き起こす病気です。膵臓は消化酵素やホルモン(インスリン/グルカゴン)を分泌する重要な臓器ですが、急性膵炎ではこれらの酵素が膵臓内部で活性化されて組織を破壊することがあります。症状の重篤度は軽度から重度まで幅広く、生命を脅かす場合もあります。

この記事は次のような人におすすめ!
・身体の不調で当てはまりそうな病気を探している
・膵臓疾患について勉強している
・知的好奇心が旺盛
1.原因


原因とは…病気の発症メカニズム(病因論)の中でその役割が科学的に証明されることで認識され、複数の要因が相互に影響し合って病気を引き起こす場合もあり、それは 誘因/危険因子 として区別され「その疾患を成立させるために必要で且つ十分な条件」と定義できます。
以上を踏まえると、急性膵炎においては以下の通りです。
|胆石(胆道結石)
胆管を通る結石が膵管を塞いで、膵液の流れを妨げることで炎症を引き起こします。
|過剰なアルコール摂取
長期的または一時的な大量飲酒が、膵臓の細胞にダメージを与えて炎症を引き起こします。
|高脂血症
血中のトリグリセリドが非常に高い場合は、膵臓に影響を与えることがあります。
|薬剤性
一部の薬(例:利尿薬/免疫抑制剤 など)が膵炎を誘発することがあります。
|外傷/手術
腹部への外傷/膵臓周辺での手術 が引き金となることもあります。
|その他
- 感染症
- 自身免疫疾患
- 膵管の異常
- 遺伝的要因
上記なども原因になり得ます。
2.症状


症状とは…患者自身が主観的に認識する身体的または精神的な異常のことを指し、これは医療者が観察可能な徴候(しるし)と区別され⇒痛み・疲労・吐き気・不安 など、患者の自覚に基づく訴えが中心です。
症状は病気の診断や治療方針の決定において重要な情報源であり、患者と医療者のコミュニケーションを通じて初めて明らかになる点が特徴で、急性膵炎においては以下のように現れます。
|激しい腹痛
上腹部または背中に放散する痛み。
※突然発症して持続的に続く
|胸やけ/嘔吐
食事に関係なく現れることが多いです。
|発熱
炎症に伴う軽度から中等度の発熱。
|腹部膨満感
消化不良/腸の動きが抑制 されることで生じます。
|重症例
- 呼吸困難
- 低血圧
- 意識混濁
- 多臓器不全
どれも生命に危険を及ぼす症状。
3.治療


治療とは…病気やケガなどの健康状態の異常を 改善/回復 させることを目的として行われる行為や介入を指し、具体的には⇒薬物療法・手術・リハビリテーション・心理的支援 などの方法が含まれ、症状の軽減/原因の除去/生活の質向上 を目指します。
治療の本質は科学的根拠に基づき、患者個々の状況に応じた最適な介入を選択することにあり、急性膵炎においては症状の重症度に応じて異なりますが、以下が一般的なアプローチです。
|入院管理
入院管理
軽症例でも入院が推奨され、特に重症例では集中治療が必要です。
|絶飲食
絶飲食
膵臓を休ませるため一時的に飲食を控えます。
※必要に応じて静脈栄養を行う
|輸液療法
輸液療法
炎症による脱水を防ぐため大量の点滴が行われます。
|疼痛管理
疼痛管理
強い痛みを緩和するために鎮痛剤が投与されます。
|原因治療
原因治療
胆石が原因の場合は 胆嚢摘出術/内視鏡的胆管ドレナージ、高脂血症の場合は脂質管理を行います。
|抗生物質
抗生物質
感染が疑われる場合に使用されますが、軽症例では不要な場合が多いです。
4.予防


予防とは…病気が発生する前にそのリスクを減少させる、または病気の進行を抑制し健康を維持するための 行動/介入 を指し、これには⇒一次予防(発症の防止)・二次予防(早期発見と治療)・三次予防(病状の悪化防止)が含まれます。
予防は個人の行動+社会環境+医療介入 の三位一体で行われるものであり、急性膵炎においては以下のポイントが重要です。
|適切な食生活
適切な食生活
高脂肪食を避けてバランスの取れた食事を心がけます。
|飲酒量の制限
飲酒量の制限
過剰なアルコール摂取を控えます。
※特に大量飲酒を避けることが重要
|健康診断の受診
健康診断の受診
胆石や高脂血症を早期に 発見/管理 することでリスクを減らせます。
|薬剤の適切な使用
薬剤の適切な使用
医師の指示に従い薬剤の副作用に注意を払います。
|適度な運動
適度な運動
肥満を予防して代謝を改善することで、膵炎のリスクを低下させます。
おわりに
急性膵炎は適切な治療を受ければ多くの場合回復しますが、重症例では長期的な管理や合併症への対応が必要になることもあります。予防と早期の医療介入が非常に重要です。