どうも、担当者のヤマケンです→今回の疾病はいったいどのような病態なのでしょうか?それでは皆さん、御一緒に診ていきましょう。
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どんな病気?
急性腎障害(きゅうせいじんしょうがい:Acute Kidney Injury=AKI)とは…腎臓の機能が短期間(数時間から数日)で急激に低下する状態を指します。この結果、血液中の老廃物や余分な水分、電解質(ナトリウム/カリウム など)が適切に排出されなくなり、体内のバランスが崩れます。
早期発見と適切な治療がない場合、重篤な合併症や生命に関わる状態に進行する可能性があります。

この記事は次のような人におすすめ!
・身体の不調で当てはまりそうな病気を探している
・腎臓疾患について勉強している
・知的好奇心が旺盛
1.原因


原因とは…病気の発症メカニズム(病因論)の中でその役割が科学的に証明されることで認識され、複数の要因が相互に影響し合って病気を引き起こす場合もあり、それは 誘因/危険因子 として区別され「その疾患を成立させるために必要で且つ十分な条件」と定義できます。
以上を踏まえると、急性腎障害においては主に以下3つのカテゴリに分けられます。
|腎前性(腎臓への血流が低下)
腎前性(腎臓への血流が低下)
> 低血圧
- 出血
- 脱水
- 心不全
上記の症状により血圧が低下する。
> 血流量減少
ショック/重篤 な感染症(敗血症)など。
|腎性(腎臓自体の損傷)
腎性(腎臓自体の損傷)
|腎後性(尿路の閉塞による)
腎後性(尿路の閉塞による)
尿路結石や腫瘍による尿管の閉塞など、前立腺肥大による尿の流れの妨げ。
2.症状


症状とは…患者自身が主観的に認識する身体的または精神的な異常のことを指し、これは医療者が観察可能な徴候(しるし)と区別され⇒痛み・疲労・吐き気・不安 など、患者の自覚に基づく訴えが中心です。
症状は病気の診断や治療方針の決定において重要な情報源であり、患者と医療者のコミュニケーションを通じて初めて明らかになる点が特徴で、急性腎障害においては多様で、原因や重症度に応じて異なり代表的な症状は以下になります。
- 尿量の減少(乏尿)/完全な尿停止(無尿)
- 浮腫 ※手足/顔 のむくみ
- 倦怠感/疲労感
- 息切れ/息苦しさ ※体液の過剰による
- 血圧の上昇または低下
- 意識障害/混乱 ※電解質異常/老廃物の蓄積 による
- 背中/腰の痛み ※腎後性原因の場合
3.治療


治療とは…病気やケガなどの健康状態の異常を 改善/回復 させることを目的として行われる行為や介入を指し、具体的には⇒薬物療法・手術・リハビリテーション・心理的支援 などの方法が含まれ、症状の軽減/原因の除去/生活の質向上 を目指します。
治療の本質は科学的根拠に基づき、患者個々の状況に応じた最適な介入を選択することにあり、急性腎障害においては原因の除去と腎機能の回復を目指し、主に以下の方法があります。
|原因の治療
原因の治療
> 血流回復
点滴や輸血で 体液/血液量 を補正する。
> 感染症治療
抗菌薬の投与。
> 毒性物質の除去
薬剤や毒素の中止。
|支持療法
支持療法
> 体液バランスの管理
点滴で 水分補給/利尿薬 で余分な水分を排出。
> 電解質の調整
カリウムやナトリウムのバランスを維持。
|透析(必要時)
透析(必要時)
血液透析または腹膜透析を用いて 老廃物/余分な水分 を除去。
4.予防


予防とは…病気が発生する前にそのリスクを減少させる、または病気の進行を抑制し健康を維持するための 行動/介入 を指し、これには⇒一次予防(発症の防止)・二次予防(早期発見と治療)・三次予防(病状の悪化防止)が含まれます。
予防は個人の行動+社会環境+医療介入 の三位一体で行われるものであり、急性腎障害においては以下の対策が有効です。
|十分な水分摂取
適切な水分補給を行い脱水を防ぐ。
※発熱/下痢 のほか運動時には注意
|薬剤の使用に注意
医師の指示に従い、腎臓に負担をかける薬剤(NSAIDs/造影剤 など)の使用を最小限に抑える。
|感染症の予防
手洗い/衛生管理 を徹底して感染症を防ぐ。
|慢性疾患の管理
高血圧や糖尿病を適切に管理して、腎臓への負担を軽減する。
|定期的な健康診断
腎臓の状態を確認するために定期的に検査を受ける。
|生活習慣の改善
- 適度な運動
- バランスの摂れた食事
- 禁煙
上記の習慣を心がける。
おわりに
急性腎障害は迅速な対応が重要であり、早期に適切な治療を行えば回復する可能性が高い病態です。反対に予防可能な側面も多いため、日常生活での注意が重要です。