どうも、担当者のヤマケンです→今回の疾病はいったいどのような病態なのでしょうか?それでは皆さん、御一緒に診ていきましょう。
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どんな病気?
慢性腎臓病(まんせいじんぞうびょう:Chronic Kidney Disease=CKD)とは…腎臓の機能が慢性的に低下し⇒体内の老廃物・余分な水分・電解質 が適切に排出されなくなる病気です。これは数か月から数年の長期にわたる状態で、進行すると腎不全を引き起こして 透析/腎移植 が必要になる場合があります。
CKDは腎臓病そのものだけでなく心血管疾患のリスクを高めることからも、重大な健康問題とされています。

この記事は次のような人におすすめ!
・身体の不調で当てはまりそうな病気を探している
・腎臓疾患について勉強している
・知的好奇心が旺盛
1.原因


原因とは…病気の発症メカニズム(病因論)の中でその役割が科学的に証明されることで認識され、複数の要因が相互に影響し合って病気を引き起こす場合もあり、それは 誘因/危険因子 として区別され「その疾患を成立させるために必要で且つ十分な条件」と定義できます。
以上を踏まえると、CKDにおいては以下のものがあります。
|糖尿病
高血糖が腎臓の細かい血管を損傷して、腎機能を低下させます。
|高血圧
血圧が高い状態が続くと、腎臓の血管に負担をかけて機能を損ないます。
|慢性糸球体腎炎
腎臓のフィルターである糸球体が炎症を起こし、長期的にダメージを受けます。
|多嚢胞腎
遺伝性疾患で腎臓に嚢胞ができ、機能が低下します。
|薬物/毒物の影響
長期間の鎮痛薬使用や有害物質への暴露が、腎臓に負担をかけます。
2.症状


症状とは…患者自身が主観的に認識する身体的または精神的な異常のことを指し、これは医療者が観察可能な徴候(しるし)と区別され⇒痛み・疲労・吐き気・不安 など、患者の自覚に基づく訴えが中心です。
症状は病気の診断や治療方針の決定において重要な情報源であり、患者と医療者のコミュニケーションを通じて初めて明らかになる点が特徴で、CKDにおいては初期段階で自覚症状がほとんどないことが多いですが、病状が進行すると以下の症状が現れることがあります。
|疲労感/倦怠感
老廃物の蓄積により体がだるく感じる。
|浮腫(むくみ)
腎臓が水分をうまく排出できないので、足や顔にむくみが出る。
|尿の異常
- 量の変化
- 血尿
- 泡立つ
上記の異常が見られる。
|高血圧
腎臓が血圧を調節するホルモンに関与しているため、高血圧が悪化することがある。
|食欲不振/吐き気
老廃物の蓄積が原因で 食欲低下/消化器症状 が出ることもある。
3.治療


治療とは…病気やケガなどの健康状態の異常を 改善/回復 させることを目的として行われる行為や介入を指し、具体的には⇒薬物療法・手術・リハビリテーション・心理的支援 などの方法が含まれ、症状の軽減/原因の除去/生活の質向上 を目指します。
治療の本質は科学的根拠に基づき、患者個々の状況に応じた最適な介入を選択することにあり、CKDにおいては病気の進行を遅らせることを目的とし、原因や症状に応じて以下のようなアプローチが取られます。
|生活習慣の改善
生活習慣の改善
塩分制限や低タンパク食などの食事療法を取り入れる。
※禁煙/適度な運動 も推奨
|薬物療法
薬物療法
- 高血圧の管理 ※降圧薬の使用
- 糖尿病の管理 ※血糖値のコントロール
- 尿タンパクの減少を目的とした薬 ※RAS阻害薬 など
|透析/腎移植
透析/腎移植
腎不全に至った場合は、人工透析や腎移植が必要になります。
4.予防


予防とは…病気が発生する前にそのリスクを減少させる、または病気の進行を抑制し健康を維持するための 行動/介入 を指し、これには⇒一次予防(発症の防止)・二次予防(早期発見と治療)・三次予防(病状の悪化防止)が含まれます。
予防は個人の行動+社会環境+医療介入 の三位一体で行われるものであり、CKDにおいては以下の方法があります。
|生活習慣
生活習慣
- 塩分を控えめにバランスの良い食事を心がける
- 適度な運動を行い血圧や体重を適正に保つ
|健康診断
健康診断
糖尿病や高血圧のリスクがある人は、腎臓機能検査を定期的に受けましょう。
※早期発見が重要
|水分を適切に摂取
水分を適切に摂取
脱水を防ぎ腎臓への負担を軽減するために、十分な水分を摂取します。
|薬物の使用に注意
薬物の使用に注意
長期間の鎮痛薬使用/サプリメントの過剰摂取 を避ける。
おわりに
慢性腎臓病は予防と早期発見が可能な病気です。生活習慣を見直し必要な検査を受けることで、健康な腎臓を維持することができます。