どうも、担当者のヤマケンです→今回の疾病はいったいどのような病態なのでしょうか?それでは皆さん、御一緒に診ていきましょう。
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どんな病気?
膵臓がん(すいぞうがん)とは…膵臓という臓器に発生する悪性腫瘍です。膵臓は消化酵素や血糖値を調節するホルモン(インスリン など)を分泌する重要な臓器で、腹部の深い部分に位置しており膵臓がんの多くは膵管(消化酵素を運ぶ管)に発生する「膵管腺がん」が大部分を占めます。
この病気は早期発見が難しく進行した段階で診断されることが多いため、予後が悪いことが特徴です。

この記事は次のような人におすすめ!
・身体の不調で当てはまりそうな病気を探している
・膵臓疾患について勉強している
・知的好奇心が旺盛
1.原因


原因とは…病気の発症メカニズム(病因論)の中でその役割が科学的に証明されることで認識され、複数の要因が相互に影響し合って病気を引き起こす場合もあり、それは 誘因/危険因子 として区別され「その疾患を成立させるために必要で且つ十分な条件」と定義できます。
以上を踏まえると、膵臓がんにおいては明確な原因は完全に解明されていませんが、以下の要因が発症リスクを高めるとされています。
|喫煙
最も明確なリスク要因の一つ。
※膵臓がんリスクを2倍以上にする
|肥満/高カロリー食
肥満や不健康な食生活は、膵臓がんのリスクを上げる可能性がある。
|糖尿病
特に新たに発症した糖尿病は、膵臓がんの前兆である場合がある。
|慢性膵炎
長期間にわたり膵臓に炎症が続くと、がんリスクが増加する。
|遺伝的要因
家族に膵臓がんや関連がん(乳がん/大腸がん など)がある場合はリスクが高まる。
2.症状


症状とは…患者自身が主観的に認識する身体的または精神的な異常のことを指し、これは医療者が観察可能な徴候(しるし)と区別され⇒痛み・疲労・吐き気・不安 など、患者の自覚に基づく訴えが中心です。
症状は病気の診断や治療方針の決定において重要な情報源であり、患者と医療者のコミュニケーションを通じて初めて明らかになる点が特徴で、膵臓がんにおいては早期にほとんど症状が現れませんが、進行すると以下のような症状が現れることがあります。
|黄疸
胆管が圧迫される場合に 皮膚/白目 が黄色くなる。
|腹部/背中の痛み
上腹部を中心とした持続的または間欠的な痛み。
|体重減少
栄養吸収障害によるもの。
|食欲不振/消化不良
膵臓の内分泌機能低下による高血糖。
|脂肪便
膵酵素不足による脂肪分の吸収不良(脂肪便)や下痢。
|新たな糖尿病の発症
特に急激な症状の場合は要注意。
3.治療


治療とは…病気やケガなどの健康状態の異常を 改善/回復 させることを目的として行われる行為や介入を指し、具体的には⇒薬物療法・手術・リハビリテーション・心理的支援 などの方法が含まれ、症状の軽減/原因の除去/生活の質向上 を目指します。
治療の本質は科学的根拠に基づき、患者個々の状況に応じた最適な介入を選択することにあり、膵臓がんにおいては病気の進行度や患者の健康状態に応じて異なりますが、主に以下の選択肢があります。
|外科的手術
外科的手術
早期で周囲に転移していない場合は、膵頭十二指腸切除術(ウィップル手術)などが行われる。
|化学療法
化学療法
進行がんや手術後の補助療法として用いられる。
※ジェムシタビン/FOLFIRINOX が代表的
|放射線療法
放射線療法
一部の患者に対して 腫瘍縮小/痛みの緩和 目的で使用される。
|免疫療法/分子標的治療
免疫療法/分子標的治療
進行中の研究領域であり、特定の患者に効果を示す可能性がある。
|緩和ケア
緩和ケア
症状の緩和や生活の質向上を目的とする。
4.予防


予防とは…病気が発生する前にそのリスクを減少させる、または病気の進行を抑制し健康を維持するための 行動/介入 を指し、これには⇒一次予防(発症の防止)・二次予防(早期発見と治療)・三次予防(病状の悪化防止)が含まれます。
予防は個人の行動+社会環境+医療介入 の三位一体で行われるものであり、膵臓がんにおいては完全に防ぐ方法はありませんが、リスクを減らすために以下の対策が推奨されます。
|禁煙
喫煙を避けることでリスクを大幅に低減。
|健康的な食生活
野菜や果物を多く摂り 加工食品/高脂肪食品 を控える。
|適正体重の維持
肥満を防ぐことでリスク軽減。
|適度な運動
定期的な身体活動は予防に役立つ。
|糖尿病/慢性膵炎 の管理
既存の疾患がある場合には、医師と相談して適切にコントロール。
|定期的な健康診断
リスク因子がある場合は、早期発見のために検査を受ける。
おわりに
膵臓がんは非常に深刻な病気ですが、早期発見やリスク低減への取り組みが、予後改善につながる可能性があります。医師や専門家に相談して適切な対策を講じることが重要です。