どうも、担当者のヤマケンです→今回の疾病はいったいどのような病態なのでしょうか?それでは皆さん、御一緒に診ていきましょう。
:この記事は約8分で読めます
どんな病気?
心不全(しんふぜん)とは…心臓が正常に血液を送り出す機能を十分に果たせなくなる病気です。これは心臓がポンプとしての役割を効果的に果たせないため、全身の組織や臓器に必要な酸素や栄養が行き渡らなくなる状態を指します。
心不全は急性の場合もあれば慢性の場合もあり、軽度から重度まで症状がさまざまです。

この記事は次のような人におすすめ!
・身体の不調で当てはまりそうな病気を探している
・心臓疾患について勉強している
・知的好奇心が旺盛
1.原因


原因とは…病気の発症メカニズム(病因論)の中でその役割が科学的に証明されることで認識され、複数の要因が相互に影響し合って病気を引き起こす場合もあり、それは 誘因/危険因子 として区別され「その疾患を成立させるために必要で且つ十分な条件」と定義できます。
以上を踏まえると、心不全においては多岐にわたり以下のような疾患や要因が挙げられます。
|心臓疾患
心臓疾患
> 冠動脈疾患
心筋梗塞や狭心症など心臓の血流が不足する疾患。
> 心筋症
長期間の高血圧により心臓に負担がかかり、最終的に心不全を引き起こす。
> 心臓弁膜症
心臓の弁が正しく機能しないことによる負担。
|高血圧
高血圧
長期間の高血圧により心臓に負担がかかり、最終的に心不全を引き起こす。
|不整脈
心拍の異常が心臓のポンプ機能を低下させる。
|その他
その他
- 肺疾患 ※肺高血圧症 など
- 糖尿病/肥満
- 過度なアルコール摂取/薬物乱用
- 甲状腺疾患などの全身性疾患
2.症状


症状とは…患者自身が主観的に認識する身体的または精神的な異常のことを指し、これは医療者が観察可能な徴候(しるし)と区別され⇒痛み・疲労・吐き気・不安 など、患者の自覚に基づく訴えが中心です。
症状は病気の診断や治療方針の決定において重要な情報源であり、患者と医療者のコミュニケーションを通じて初めて明らかになる点が特徴で、心不全においては心臓がどの程度の機能不全に陥っているかによりますが、主に以下のようなものがあります。
|呼吸困難
呼吸困難
特に運動時や横になったとき悪化しやすく、夜間に突然起こることもある。
|疲労感
疲労感
全身への血流不足により、活動中や日常的な動作で疲れやすくなる。
|浮腫(むくみ)
浮腫(むくみ)
足や足首あるいは腹部に液体が溜まる。
|体重増加
体重増加
液体が体内に蓄積することで体重が急増。
|咳/喘鳴
咳/喘鳴
肺に液体が溜まることで引き起こされる。
|頻尿
頻尿
特に夜間に尿量が増える。
3.治療


治療とは…病気やケガなどの健康状態の異常を 改善/回復 させることを目的として行われる行為や介入を指し、具体的には⇒薬物療法・手術・リハビリテーション・心理的支援 などの方法が含まれ、症状の軽減/原因の除去/生活の質向上 を目指します。
治療の本質は科学的根拠に基づき、患者個々の状況に応じた最適な介入を選択することにあり、心不全においては原因疾患の治療と症状緩和を目指し、主な方法は以下の通りです。
|生活習慣の改善
生活習慣の改善
塩分制限などの適切な食事療法や適度な運動(医師の指導のもと)、禁煙とアルコール摂取の制限も有効です。
|薬物療法
薬物療法
> 利尿薬
体内の余分な水分を排出する。
> ACE阻害薬/ARB
血管を広げて心臓の負担を軽減。
> β遮断薬
心拍数を調整して心臓を保護。
> デジタリス薬
心臓の収縮力を高める。
|手術やデバイス療法
手術やデバイス療法
心臓ペースメーカー/ICD(植え込み型除細動器)の設置。心臓弁膜症の場合は 手術※1。



リハビリでは専門家の指導のもと、身体機能と心臓の働きを改善するプログラムを行います。
4.予防


予防とは…病気が発生する前にそのリスクを減少させる、または病気の進行を抑制し健康を維持するための 行動/介入 を指し、これには⇒一次予防(発症の防止)・二次予防(早期発見と治療)・三次予防(病状の悪化防止)が含まれます。
予防は個人の行動+社会環境+医療介入 の三位一体で行われるものであり、心不全においては以下のような日常生活での取り組みが重要です。
|健康的な食生活
健康的な食生活
野菜や果物を多く摂取し、全粒穀物やナッツなどの摂取も増やす。
|適度な運動
適度な運動
ウォーキング/軽い有酸素運動 を日常的に取り入れる。
|体重管理
体重管理
適切な体重を維持して肥満を防ぐ。
|ストレス管理
ストレス管理
ストレスを溜めないためのリラクゼーション方法を取り入れる。
|定期的な健康診断
定期的な健康診断
- 高血圧
- 糖尿病
- 高コレステロール血症
上記の早期発見と治療をおこなう。
|禁煙/節酒
禁煙/節酒
心臓への負担を軽減するために喫煙を避けて飲酒を控える。
おわりに
心不全は早期発見と適切な管理が鍵です。気になる症状がある場合やリスク要因を抱えている場合は、早めに医療機関で相談しましょう。