非結核性抗酸菌症

どうも、担当者のヤマケンです→今回の疾病はいったいどのような病態なのでしょうか？それでは皆さん、御一緒に診ていきましょう。

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どんな病気？

　非結核性抗酸菌症（ひけっかくせいこうさんきんしょう）とは…結核菌／やらい菌 以外の抗酸菌（NTM：Non-Tuberculous Mycobacteria）が原因となって起こる慢性感染症です。主に肺に感染し、慢性的な咳／痰／倦怠感／呼吸困難 などを引き起こします。

　結核とは異なり、人から人への感染は基本的にありませんが、自然環境に広く存在するNTMにより、免疫力が低下している人や肺に持病がある人が感染します。

１.原因

　原因とは…病気の発症メカニズム（病因論）の中でその役割が科学的に証明されることで認識され、複数の要因が相互に影響し合って病気を引き起こす場合もあり、それは 誘因／危険因子 として区別され「その疾患を成立させるために必要で且つ十分な条件」と定義できます。

　以上を踏まえると、非結核性抗酸菌症においては 水道水／土壌／風呂場／シャワー／湿気の多い環境 などで自然に存在します。この菌が肺に入り込み、以下のような状態のときに発症しやすくなります。

• 慢性呼吸器疾患（例：COPD／気管支拡張症／肺気腫）
• 高齢者（特にやせ型の女性）
• 免疫機能の低下（例：ステロイド使用／がん／糖尿病）
• 喫煙歴
• 胸郭変形（漏斗胸 など）

２.症状

　症状とは…患者自身が主観的に認識する身体的または精神的な異常のことを指し、これは医療者が観察可能な徴候（しるし）と区別され⇒痛み・疲労・吐き気・不安 など、患者の自覚に基づく訴えが中心です。

　症状は病気の診断や治療方針の決定において重要な情報源であり、患者と医療者のコミュニケーションを通じて初めて明らかになる点が特徴で、非結核性抗酸菌症においては主に以下のような特徴があります。

• 慢性的な咳（特に乾いた咳）
• 痰の増加／血痰
• 倦怠感／発熱／寝汗
• 体重減少／呼吸困難
• 胸部X線やCTで肺の影（結節／空洞／すりガラス影）が見られる

進行すると呼吸機能が著しく低下し、QOL（生活の質）に大きな影響を及ぼします。

３.治療

　治療とは…病気やケガなどの健康状態の異常を 改善／回復 させることを目的として行われる行為や介入を指し、具体的には⇒薬物療法・手術・リハビリテーション・心理的支援 などの方法が含まれ、症状の軽減／原因の除去／生活の質向上 を目指します。

　治療の本質は科学的根拠に基づき、患者個々の状況に応じた最適な介入を選択することにあり、非結核性抗酸菌症においては長期間（6ヶ月～2年以上）にわたる多剤併用療法が必要です。主に用いられる薬剤には以下のようなものがあります。

• クラリスロマイシン（マクロライド系）：中心的薬剤
• リファンピシン
• エタンブトール
• 菌種により アミカシン／ストレプトマイシン の注射薬

重要なのは薬剤耐性を防ぐために単剤ではなく複数の薬剤を併用することであり、副作用（視神経炎／肝障害 など）のモニタリングも必要です。外科手術（肺の一部切除）は限られたケースで行われる事もあります。

４.予防

　予防とは…病気が発生する前にそのリスクを減少させる、または病気の進行を抑制し健康を維持するための 行動／介入 を指し、これには⇒一次予防（発症の防止）・二次予防（早期発見と治療）・三次予防（病状の悪化防止）が含まれます。

　予防は個人の行動＋社会環境＋医療介入 の三位一体で行われるものであり、非結核性抗酸菌症においては完全に防ぐ方法は確立されていませんが、以下のような対策が推奨されます。

• 水回りの清潔保持（シャワーヘッド／加湿器／浴槽 の定期的な消毒）
• 加湿器の水は毎回交換して細菌繁殖を防ぐ
• 土いじり後は手洗いを徹底
• 喫煙を控える（肺の防御機能が低下するため）
• 呼吸器疾患のある人は定期的な肺検診を受ける
• 栄養と睡眠を十分にとって免疫力を保つ

非結核性抗酸菌症は結核とは異なる慢性感染症で、環境中の菌が原因で肺に感染する病気です。早期発見／的確な治療／環境衛生の意識 が重要です。