どうも、担当者のヤマケンです→今回の疾病はいったいどのような病態なのでしょうか?それでは皆さん、御一緒に診ていきましょう。
:この記事は約7分で読めます
どんな病気?
腎硬化症(じんこうかしょう)とは…腎臓の血管(主に小動脈)が動脈硬化により 狭く/硬く なることで、腎臓の機能が徐々に低下していく慢性の腎疾患です。
高血圧に長期間さらされることで腎臓の血流が悪くなり、腎組織が 萎縮/線維化 していきます。主に高齢者や高血圧を長く患っている人に多くみられます。
ヤマケンこの記事は次のような人におすすめ!
・身体の不調で当てはまりそうな病気を探している
・腎臓疾患について勉強している
・知的好奇心が旺盛
1.原因


原因とは…病気の発症メカニズム(病因論)の中でその役割が科学的に証明されることで認識され、複数の要因が相互に影響し合って病気を引き起こす場合もあり、それは 誘因/危険因子 として区別され「その疾患を成立させるために必要で且つ十分な条件」と定義できます。
以上を踏まえると、腎硬化症においては以下の通りです。
|長期間の高血圧(本態性高血圧)
最も重要な要因です。高い血圧が腎臓の血管を徐々に傷つけ、血流障害を起こします。
|動脈硬化(加齢や生活習慣による)
全身の動脈硬化の一環として腎動脈も硬化し、腎血流が障害されます。
|糖尿病/脂質異常症
これらは動脈硬化を促進し、腎臓にも悪影響を及ぼします。
|喫煙/肥満
血管機能を悪化させ、腎硬化症のリスクを高めます。
2.症状


症状とは…患者自身が主観的に認識する身体的または精神的な異常のことを指し、これは医療者が観察可能な徴候(しるし)と区別され⇒痛み・疲労・吐き気・不安 など、患者の自覚に基づく訴えが中心です。
症状は病気の診断や治療方針の決定において重要な情報源であり、患者と医療者のコミュニケーションを通じて初めて明らかになる点が特徴で、腎硬化症においては初期に自覚症状が乏しいことが多く、以下のような症状が進行してから現れます。
|徐々に進行する腎機能障害
- 尿中のタンパク質(軽度)
- 血清クレアチニン
- eGFR
上記の悪化が見られます。
|夜間尿/頻尿/むくみ
腎機能の低下により、体液調整が不良になる。
|高血圧の悪化
腎臓が血圧調整に関わるため、悪循環になる。
|疲労感/倦怠感
老廃物が体内に蓄積することで、全身症状が出現します。
進行すると慢性腎不全(CKD)→ 透析が必要になるケースもあります。
3.治療


治療とは…病気やケガなどの健康状態の異常を 改善/回復 させることを目的として行われる行為や介入を指し、具体的には⇒薬物療法・手術・リハビリテーション・心理的支援 などの方法が含まれ、症状の軽減/原因の除去/生活の質向上 を目指します。
治療の本質は科学的根拠に基づき、患者個々の状況に応じた最適な介入を選択することにあり、腎硬化症においては根本的に治す治療は現在、存在しません。よって、進行を遅らせることが治療の主な目的であり以下になります。
|血圧管理
血圧管理
- 目標血圧は130/80 mmHg以下 ※腎機能低下がある場合
- ACE阻害薬やARBが第一選択(腎保護作用)
|生活習慣の改善
生活習慣の改善
- 減塩(1日6g未満)
- 体重管理
- 禁煙
- 節酒
- 運動
|腎機能の定期的評価
腎機能の定期的評価
- eGFR
- クレアチニン
- 尿蛋白
上記などの定期モニタリングを行う。
|他の危険因子
他の危険因子
糖尿病/高脂血症 の適切な治療を行い、コントロールする。
|透析療法/腎移植
透析療法/腎移植
不可逆的に腎機能が低下した場合は、人工透析が必要になります。
4.予防


予防とは…病気が発生する前にそのリスクを減少させる、または病気の進行を抑制し健康を維持するための 行動/介入 を指し、これには⇒一次予防(発症の防止)・二次予防(早期発見と治療)・三次予防(病状の悪化防止)が含まれます。
予防は個人の行動+社会環境+医療介入 の三位一体で行われるものであり、腎硬化症においては 高血圧+動脈硬化 の予防に直結し以下になります。
- 適切な血圧管理(家庭血圧も含む)
- バランスの良い食事(特に減塩)
- 適度な運動(週150分程度の有酸素運動)
- 禁煙/節酒
- 定期健診の受診(血圧/尿検査/腎機能)
- 糖尿病/脂質異常症 の適切な治療と予防
早期発見/早期対応が腎機能維持の鍵です。
おわりに
腎硬化症とは、高血圧や動脈硬化によって腎臓の血流が慢性的に悪化し、腎機能が徐々に失われる病気です。全身の血管と生活の質が腎臓を守る鍵となります。

