どうも、担当者のヤマケンです→今回の疾病はいったいどのような病態なのでしょうか?それでは皆さん、御一緒に診ていきましょう。
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どんな病気?
仮性嚢胞(かせいのうほう)とは…周囲に上皮細胞でできた、壁が存在しない嚢胞(液体が溜まった袋状構造)のことです。特に膵臓(すいぞう)にできる「膵仮性嚢胞(すいかせいのうほう)」が有名です。これは膵炎(すいえん)などで膵液が漏れ、組織破壊後に周囲の組織や線維が壁のように囲って形成される液体の溜まりを指します。
ヤマケンこの記事は次のような人におすすめ!
・身体の不調で当てはまりそうな病気を探している
・膵臓疾患について勉強している
・知的好奇心が旺盛
1.原因


原因とは…病気の発症メカニズム(病因論)の中でその役割が科学的に証明されることで認識され、複数の要因が相互に影響し合って病気を引き起こす場合もあり、それは 誘因/危険因子 として区別され「その疾患を成立させるために必要で且つ十分な条件」と定義できます。
以上を踏まえると、仮性嚢胞においては主に以下のとおりです。
|急性/慢性 の膵炎
急性/慢性 の膵炎
アルコール過多、胆石などが引き金になります。膵炎により膵液が漏れて炎症や壊死の結果、嚢胞が形成されます。
|外傷
外傷
膵臓の外傷で膵液が漏れ、仮性嚢胞が形成されることがあります。(交通事故/打撲 など)
|膵管閉塞
膵管閉塞
腫瘍や結石によって膵液の流れが妨げられ、漏出/貯留 により生じる事もあります。
2.症状


症状とは…患者自身が主観的に認識する身体的または精神的な異常のことを指し、これは医療者が観察可能な徴候(しるし)と区別され⇒痛み・疲労・吐き気・不安 など、患者の自覚に基づく訴えが中心です。
症状は病気の診断や治療方針の決定において重要な情報源であり、患者と医療者のコミュニケーションを通じて初めて明らかになる点が特徴で、仮性嚢胞において小さいのは無症状である事が多いですが、大きくなると以下のような症状が現れます。
- 上腹部の 痛み/圧迫感
- 悪心/嘔吐
- 発熱/倦怠感(感染や炎症の兆候)
- 腹部膨満感
- 黄疸(胆管を圧迫する場合)
- 食欲不振/体重減少
また、嚢胞が破裂したり感染を起こすと、重篤な症状(腹膜炎/膿瘍 など)になる可能性があります。
3.治療


治療とは…病気やケガなどの健康状態の異常を 改善/回復 させることを目的として行われる行為や介入を指し、具体的には⇒薬物療法・手術・リハビリテーション・心理的支援 などの方法が含まれ、症状の軽減/原因の除去/生活の質向上 を目指します。
治療の本質は科学的根拠に基づき、患者個々の状況に応じた最適な介入を選択することにあり、仮性嚢胞においては以下のように 嚢胞の大きさ/症状/合併症の有無 によって決定されます。
|保存的治療(経過観察)
保存的治療(経過観察)
嚢胞が小さく症状がなければ自然に縮小することも多く、定期的な画像診断で経過を観察します。
|内視鏡的ドレナージ
内視鏡的ドレナージ
嚢胞と消化管(胃/十二指腸)を内視鏡でつなげ、内容液を排出する方法。
|経皮的ドレナージ
経皮的ドレナージ
皮膚から針を刺して嚢胞内の液体を排出する処置。
|外科的切除/吻合術
外科的切除/吻合術
症状が強い、または 膿瘍/出血/破裂 などの合併症がある場合に行います。
4.予防


予防とは…病気が発生する前にそのリスクを減少させる、または病気の進行を抑制し健康を維持するための 行動/介入 を指し、これには⇒一次予防(発症の防止)・二次予防(早期発見と治療)・三次予防(病状の悪化防止)が含まれます。
予防は個人の行動+社会環境+医療介入 の三位一体で行われるものであり、仮性嚢胞においては 膵炎/膵臓 へのダメージを予防することが重要であり、以下になります。
- 過度な飲酒を控える(アルコール性膵炎のリスク低下)
- 胆石の管理(胆嚢摘出を含む)
- 脂肪/高コレステロール食の制限
- 定期健診で膵疾患の早期発見
- 膵疾患を有する場合の定期的な画像検査
おわりに
仮性嚢胞は膵炎や外傷などによって膵液が漏出し、それを取り囲む形で形成される嚢胞構造であり、上皮で裏打ちされていないのが特徴です。根本には膵炎などの病態があるため、生活習慣の改善が最良の予防策となります。

