どうも、担当者のヤマケンです→今回の疾病はいったいどのような病態なのでしょうか?それでは皆さん、御一緒に診ていきましょう。
:この記事は約7分で読めます
どんな病気?
心室細動(しんしつさいどう)とは…心臓の下部(心室)が痙攣するように不規則に震え、正常な血液の拍出ができなくなる致死的な不整脈です。
電気信号の混乱により心臓がポンプとしての機能を失い、数秒で意識消失、数分で死に至る可能性があるため、心停止の主な原因の一つとされます。特に突然死(心臓突然死)と直結する非常に危険な状態です。

この記事は次のような人におすすめ!
・身体の不調で当てはまりそうな病気を探している
・心臓疾患について勉強している
・知的好奇心が旺盛
1.原因


原因とは…病気の発症メカニズム(病因論)の中でその役割が科学的に証明されることで認識され、複数の要因が相互に影響し合って病気を引き起こす場合もあり、それは 誘因/危険因子 として区別され「その疾患を成立させるために必要で且つ十分な条件」と定義できます。
以上を踏まえると、心室細動においては以下のような原因によって引き起こされます。
|虚血性心疾患
心筋梗塞/狭心症 などにより心筋が損傷されることで、電気的な異常が起こりやすくなります。
|心筋症
心筋が肥大または拡張し、不整脈の温床になる。
|電解質異常
特にカリウムやマグネシウムの異常がリスク因子。
|心臓の手術後/外傷
心臓に直接影響する処置後に起こることがある。
|先天性心疾患/遺伝性不整脈症候群
Brugada症候群/QT延長症候群 など
|薬剤性
抗うつ薬、抗不整脈薬などの副作用。
2.症状


症状とは…患者自身が主観的に認識する身体的または精神的な異常のことを指し、これは医療者が観察可能な徴候(しるし)と区別され⇒痛み・疲労・吐き気・不安 など、患者の自覚に基づく訴えが中心です。
症状は病気の診断や治療方針の決定において重要な情報源であり、患者と医療者のコミュニケーションを通じて初めて明らかになる点が特徴で、心室細動においては突然発症し、直ちに意識を失うのが典型的です。以下が主な特徴になります。
- 突然の意識消失
- 呼吸停止(もしくは死戦期呼吸)
- 脈が触れない(心拍停止)
- 瞳孔散大
- 痙攣を伴うこともある
上記の症状が現れた時点で、緊急の救命処置が必要になります。
3.治療


治療とは…病気やケガなどの健康状態の異常を 改善/回復 させることを目的として行われる行為や介入を指し、具体的には⇒薬物療法・手術・リハビリテーション・心理的支援 などの方法が含まれ、症状の軽減/原因の除去/生活の質向上 を目指します。
治療の本質は科学的根拠に基づき、患者個々の状況に応じた最適な介入を選択することにあり、心室細動においては秒単位の迅速な対応が命を左右し、以下になります。
|心肺蘇生(CPR)
除細動までの時間を稼ぐために、心臓マッサージと人工呼吸を継続します。
|入院後の治療
原因となった心筋梗塞への血行再建(カテーテル治療)/電解質の補正/抗不整脈薬の使用。
※植込み型除細動器(ICD)の挿入が再発予防として行われる場合もある
|AED(自動体外式除細動器)
唯一の根本治療。電気的リセットを行い、正常な心拍に戻します。
4.予防


予防とは…病気が発生する前にそのリスクを減少させる、または病気の進行を抑制し健康を維持するための 行動/介入 を指し、これには⇒一次予防(発症の防止)・二次予防(早期発見と治療)・三次予防(病状の悪化防止)が含まれます。
予防は個人の行動+社会環境+医療介入 の三位一体で行われるものであり、心室細動においては以下のように心疾患そのものを 防ぐ/管理する ことが鍵です。
|虚血性心疾患の予防
虚血性心疾患の予防
- 高血圧/糖尿病/脂質異常症の適切な管理
- 禁煙/禁酒
- 適度な運動
- バランスの取れた食事
- ストレス管理
- 定期的な心電図検査や健康診断での心臓チェック
- 心疾患のある人はICDの検討
- 薬剤や電解質の管理(特に腎疾患のある方)
おわりに
心室細動は、心臓が震えることで血液を送り出せなくなる極めて危険な状態であり、治療が遅れると短時間で死に至ります。最も重要なのは、発症した際にその場にいる人がすぐに心肺蘇生を開始し、AEDを使用することです。心室細動は予防と迅速な対応で命を救える「突然死の回避可能な形」と言えます。