どうも、担当者のヤマケンです→今回の疾病はいったいどのような病態なのでしょうか?それでは皆さん、御一緒に診ていきましょう。
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どんな病気?
狭心症(きょうしんしょう)とは…心臓の筋肉(心筋)に酸素や栄養を供給する冠動脈が一時的に狭くなり、心筋が酸素不足に陥ることで、胸の痛みや圧迫感を引き起こす虚血性心疾患の一つです。多くは数分以内に自然に症状が治まりますが、心筋梗塞の前兆となる事もあり油断できない病態です。

この記事は次のような人におすすめ!
・身体の不調で当てはまりそうな病気を探している
・心臓疾患について勉強している
・知的好奇心が旺盛
1.原因


原因とは…病気の発症メカニズム(病因論)の中でその役割が科学的に証明されることで認識され、複数の要因が相互に影響し合って病気を引き起こす場合もあり、それは 誘因/危険因子 として区別され「その疾患を成立させるために必要で且つ十分な条件」と定義できます。
以上を踏まえると、狭心症においては以下の通りです。
|動脈硬化
加齢/高血圧/高脂血症/糖尿病/喫煙 などにより冠動脈が狭くなる。
|冠動脈攣縮(れんしゅく)
血管が一時的にけいれんして収縮し、血流が遮断される。
|労作による酸素需要の増加
血流が足りず一過性の虚血が起こる。
|冷気+過食+飲酒
自律神経が影響して冠動脈を収縮させる。
2.症状


症状とは…患者自身が主観的に認識する身体的または精神的な異常のことを指し、これは医療者が観察可能な徴候(しるし)と区別され⇒痛み・疲労・吐き気・不安 など、患者の自覚に基づく訴えが中心です。
症状は病気の診断や治療方針の決定において重要な情報源であり、患者と医療者のコミュニケーションを通じて初めて明らかになる点が特徴で、狭心症においては代表的な症状は以下の通りです。
|放散痛
- 左肩
- 腕
- 首
- 顎
- 背中
上記などに起こりやすい。
その他に…胸の圧迫感/締め付け感。(焼けるような感じとも表現される)
階段や坂道での労作時に出現し、数分以内に消失する。冷汗/吐き気/息切れ を伴う場合もある。
※持続時間が15分以上で治まらない場合は心筋梗塞の疑いが強く、緊急対応が必要です。
3.治療


治療とは…病気やケガなどの健康状態の異常を 改善/回復 させることを目的として行われる行為や介入を指し、具体的には⇒薬物療法・手術・リハビリテーション・心理的支援 などの方法が含まれ、症状の軽減/原因の除去/生活の質向上 を目指します。
治療の本質は科学的根拠に基づき、患者個々の状況に応じた最適な介入を選択することにあり、狭心症においては以下の3本柱になります。
|薬物療法
薬物療法
> ニトログリセリン(硝酸薬)
冠動脈を拡張し、発作を緩和する。
> カルシウム拮抗薬/β遮断薬
心拍数や血圧を下げて、心臓の負担を軽減する。
> 抗血小板薬
血栓予防。(アスピリン など)
> 脂質異常治療薬
動脈硬化の進行抑制。(スタチン など)
|カテーテル治療
カテーテル治療
狭くなった冠動脈にステントを入れて、血流を確保する治療方法。
|冠動脈バイパス手術
冠動脈バイパス手術
重症例では狭窄部分を迂回する血管を繋ぐ、外科手術を行う。
4.予防


予防とは…病気が発生する前にそのリスクを減少させる、または病気の進行を抑制し健康を維持するための 行動/介入 を指し、これには⇒一次予防(発症の防止)・二次予防(早期発見と治療)・三次予防(病状の悪化防止)が含まれます。
予防は個人の行動+社会環境+医療介入 の三位一体で行われるものであり、狭心症においては以下のような生活習慣の改善が鍵です。
|禁煙
最も重要。
喫煙は冠動脈を収縮させ、動脈硬化を悪化させます。
|食生活の見直し
動物性脂肪/塩分/糖質 を控えて、野菜や魚中心の食事を摂る。
|運動習慣の導入
有酸素運動(例:ウォーキング)を週に150分程度おこなう。
|体重管理
肥満は高血圧や糖尿病を招きやすい。
|高脂血症の管理
内服治療/定期検査 を継続的に行う。
|ストレス対策
深呼吸/瞑想/趣味活動 など。
おわりに
狭心症は、冠動脈の狭窄によって心筋の酸素供給が不足し、一過性の胸痛などを引き起こす病気です。進行すると心筋梗塞に移行するリスクがあるため、早期発見と適切な治療が重要です。治療は薬物療法からカテーテル、手術まで多岐に渡り、医師と連携して長期的に心血管の健康を守ることが求められます。