どうも、担当者のヤマケンです→今回の疾病はいったいどのような病態なのでしょうか?それでは皆さん、御一緒に診ていきましょう。
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どんな病気?
側弯症(そくわんしょう)とは…脊柱(背骨)が左右に曲がる病気のことを指します。通常、健康な脊柱は正面から見るとまっすぐですが、側湾症の患者では「S字」や「C字」に曲がることが特徴です。
湾曲の程度が強い場合は見た目の変化だけでなく、痛み/臓器 の機能障害を引き起こすこともあります。

この記事は次のような人におすすめ!
・身体の不調で当てはまりそうな病気を探している
・不規則骨疾患について勉強している
・知的好奇心が旺盛
1.原因


原因とは…病気の発症メカニズム(病因論)の中でその役割が科学的に証明されることで認識され、複数の要因が相互に影響し合って病気を引き起こす場合もあり、それは 誘因/危険因子 として区別され「その疾患を成立させるために必要で且つ十分な条件」と定義できます。
以上を踏まえると、側弯症においては多岐にわたり大きく以下の4つのカテゴリーに分けられます。
|特発性側弯症(原因不明)
特発性側弯症(原因不明)
最も多く(約80%)を占める側弯症で、小児期や思春期に発症することが多い。遺伝的要因が関与している可能性があるが、明確な原因は解明されていない。
|先天性側弯症(生まれつき)
先天性側弯症(生まれつき)
胎児の成長過程で脊柱の形成異常が起こり、出生時から湾曲が見られる。
|神経/筋原性側弯症(筋疾患に伴う)
神経/筋原性側弯症(筋疾患に伴う)
脳性麻痺/筋ジストロフィー/脊髄性筋萎縮症 などの疾患により、筋力のバランスが崩れることで発症する。
|変性側弯症(加齢によるもの)
変性側弯症(加齢によるもの)
加齢や骨粗鬆症による 椎間板/椎体 の変形が原因で起こる。
※中高年以降に発症し 腰痛/神経症状 を伴う
2.症状


症状とは…患者自身が主観的に認識する身体的または精神的な異常のことを指し、これは医療者が観察可能な徴候(しるし)と区別され⇒痛み・疲労・吐き気・不安 など、患者の自覚に基づく訴えが中心です。
症状は病気の診断や治療方針の決定において重要な情報源であり、患者と医療者のコミュニケーションを通じて初めて明らかになる点が特徴で、側弯症においては個人により異なり以下のような特徴があります。
|外見的な変化
外見的な変化
- 肩の高さが左右で異なる
- 背中/腰 が片側に突出する ※肋骨の隆起
- 身体が左右に傾いて見える
|運動機能/痛み の問題
運動機能/痛み の問題
- 軽度の側湾症では痛みがないことが多い
- 重度になると 腰痛/背部痛 を伴う
- 長時間の 立位/座位 が辛くなる
|呼吸/内臓機能 への影響(重度の場合)
呼吸/内臓機能 への影響(重度の場合)
- 肺や心臓の圧迫により 呼吸困難/疲労感 が出る
- 消化器系への影響で食欲不振を引き起こす
3.治療


治療とは…病気やケガなどの健康状態の異常を 改善/回復 させることを目的として行われる行為や介入を指し、具体的には⇒薬物療法・手術・リハビリテーション・心理的支援 などの方法が含まれ、症状の軽減/原因の除去/生活の質向上 を目指します。
治療の本質は科学的根拠に基づき、患者個々の状況に応じた最適な介入を選択することにあり、側弯症においては 湾曲の程度/患者の年齢/症状 に応じて異なり、主な方法は以下の通りです。
|経過観察(軽度の場合)
経過観察(軽度の場合)
- 湾曲が軽くて進行が遅い場合は定期的な検査を行う
- 適度な運動/ストレッチ が推奨されている
|装具療法(中等度の場合)
装具療法(中等度の場合)
成長期の子供に適用されることが多く、脊柱の湾曲の進行を防ぐ目的で装具(コルセット)を使用する。
※装具による矯正は進行を遅らせる効果である
|理学療法/運動療法
理学療法/運動療法
筋力バランスを整え、痛みの軽減を目的に行われる。
※ヨガ/ピラティス/シュロス法(側湾症特化のリハビリ)などが有効
|手術(脊椎固定術)※重度の場合
手術(脊椎固定術)※重度の場合
脊柱の湾曲が40~50度以上の重度になる場合、外科手術が必要になることがある。チタン製の金属棒を脊柱に固定することで矯正を行う。
4.予防


予防とは…病気が発生する前にそのリスクを減少させる、または病気の進行を抑制し健康を維持するための 行動/介入 を指し、これには⇒一次予防(発症の防止)・二次予防(早期発見と治療)・三次予防(病状の悪化防止)が含まれます。
予防は個人の行動+社会環境+医療介入 の三位一体で行われるものであり、側弯症を完全に予防することは難しいですが、以下の対策を取ることでリスクを減らすことができます。
|姿勢の改善
姿勢の改善
- デスクワーク/スマホ使用時 の猫背を避ける ※正しい姿勢を意識する
- 長時間同じ姿勢を取らずに適度なストレッチを行う
|適度な運動
適度な運動
体幹を鍛えることで脊柱を支える筋力を向上させる。(ヨガ/ピラティス/ストレッチ が有効)
※バランスの良い運動を心がける
|成長期の健康管理
成長期の健康管理
成長期に側湾症が進行しやすいため、学校の健康診断を受けて異常があれば早めに対策を取る。偏った姿勢や荷物の持ち方(片側だけに重いカバンを持つ など)に注意する。
|骨の健康維持
骨の健康維持
骨粗鬆症を予防するため、カルシウム/ビタミンD を十分に摂取して適度な日光浴を行う。
※中高年の方は定期的な骨密度検査を受ける
おわりに
側湾症は脊柱が異常に湾曲する病気であり、原因は 特発性/先天性/神経/筋原性/変性 など様々です。軽度であれば症状がほとんどない場合もありますが、重度になると痛みや内臓への影響が出る事もあります。治療方法は 経過観察/装具療法/運動療法/手術 などがあり、早期発見と適切な管理が重要です。また、良い姿勢や運動習慣を身につけることで、リスクを軽減することができます。