どうも、担当者のヤマケンです→今回の疾病はいったいどのような病態なのでしょうか?それでは皆さん、御一緒に診ていきましょう。
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どんな病気?
骨壊死(こつえし)とは…骨への血流が途絶えることで骨組織が壊死(死んでしまうこと)する病気です。骨は血液から酸素や栄養を供給されて新陳代謝を行っていますが、血流が遮断されると骨細胞が生存できなくなり、骨の強度が低下します。
進行すると骨が変形したり崩れたりし、関節機能の 低下/強い痛み を引き起こすことがあります。特に股関節(大腿骨頭壊死)/膝関節/肩関節 に多く発生します。

この記事は次のような人におすすめ!
・身体の不調で当てはまりそうな病気を探している
・短骨疾患について勉強している
・知的好奇心が旺盛
1.原因


原因とは…病気の発症メカニズム(病因論)の中でその役割が科学的に証明されることで認識され、複数の要因が相互に影響し合って病気を引き起こす場合もあり、それは 誘因/危険因子 として区別され「その疾患を成立させるために必要で且つ十分な条件」と定義できます。
以上を踏まえると、骨壊死においては以下のようなものがあります。
|血流障害
血管が詰まったり損傷したりすることで、骨への血液供給が遮断される。
|ステロイド薬の使用
長期間の高用量ステロイド薬(プレドニゾロン など)の使用が、血流障害を引き起こして骨壊死のリスクを高める。
|過度の飲酒
アルコールは脂質代謝を乱して血液の粘度を高め、血流障害を引き起こしやすくする。
|外傷(骨折/脱臼)
骨折や脱臼により、骨を栄養する血管が損傷されると壊死が起こる。
|自己免疫疾患/血液疾患
ループス(全身性エリテマトーデス)/鎌状赤血球症/血栓症 などの病気が、血流を悪化させて骨壊死を引き起こすことがある。
|減圧症(潜水病)
急激な気圧の変化により、血管内に気泡ができて血流が阻害されることで骨壊死につながる。
2.症状


症状とは…患者自身が主観的に認識する身体的または精神的な異常のことを指し、これは医療者が観察可能な徴候(しるし)と区別され⇒痛み・疲労・吐き気・不安 など、患者の自覚に基づく訴えが中心です。
症状は病気の診断や治療方針の決定において重要な情報源であり、患者と医療者のコミュニケーションを通じて初めて明らかになる点が特徴で、骨壊死においては進行段階によって異なりますが、一般的に以下のような症状が見られます。
|初期(無症状/軽い違和感)
初期(無症状/軽い違和感)
- 初期段階では特に症状がないことが多い
- 運動後に 軽い痛み/違和感 を感じることがある
|中期(動作時の痛み)
中期(動作時の痛み)
- 関節を動かした際に痛みが生じる
- 体重をかけると痛みが強くなる ※例⇒股関節壊死では歩行時に痛みが出る
|後期(持続的な痛み/関節の変形)
後期(持続的な痛み/関節の変形)
- 安静時でも痛みが続く
- 骨が潰れたり変形したりすることで関節の動きが制限される
- 進行すると関節の可動域が狭まり日常生活に支障をきたす
3.治療


治療とは…病気やケガなどの健康状態の異常を 改善/回復 させることを目的として行われる行為や介入を指し、具体的には⇒薬物療法・手術・リハビリテーション・心理的支援 などの方法が含まれ、症状の軽減/原因の除去/生活の質向上 を目指します。
治療の本質は科学的根拠に基づき、患者個々の状況に応じた最適な介入を選択することにあり、骨壊死においては進行度に応じて異なり以下のような方法があります。
|保存療法(初期~中期)
保存療法(初期~中期)
> 痛みの管理
非ステロイド性抗炎症薬を使用。
※NSAIDs
> 荷重制限
松葉杖を使用して患部の負担を減らす。
> 理学療法
関節の可動域を維持して筋力を強化する。
|外科手術(進行した場合)
外科手術(進行した場合)
> 骨切り術
骨の形を調整して負担を軽減する手術。
> 血管再建術
骨への血流を改善する手術。
> 人工関節置換術
重度の場合、損傷した関節を人工関節に置き換える。
4.予防


予防とは…病気が発生する前にそのリスクを減少させる、または病気の進行を抑制し健康を維持するための 行動/介入 を指し、これには⇒一次予防(発症の防止)・二次予防(早期発見と治療)・三次予防(病状の悪化防止)が含まれます。
予防は個人の行動+社会環境+医療介入 の三位一体で行われるものであり、骨壊死においては以下の対策が有効です。
|ステロイド薬
ステロイド薬
- 医師の指導のもと最小限の量を使用する
- 定期的に骨の健康状態を確認する ※長期間使用する場合
|過度の飲酒を避ける
過度の飲酒を避ける
大量のアルコール摂取は骨壊死のリスクを高めるため適量を守る。
|適度な運動+体重管理
適度な運動+体重管理
- 血流を改善して骨への負担を減らすために適度な運動を行う
- 過体重は関節への負担を増やして骨壊死のリスクを高める ※健康的な体重を維持する
|外傷の予防
外傷の予防
スポーツや日常生活での 転倒/怪我 に注意して、骨折や脱臼を防ぐ。
|健康的な食生活
健康的な食生活
- カルシウム/ビタミンD を十分に摂取して骨を強化
- 血流を良くするためにバランスの取れた食事を心がける
おわりに
骨壊死は骨への血流が途絶えることで発生し、放置すると関節機能の低下や強い痛みを引き起こします。ステロイド薬の使用や過度の飲酒、外傷などが主な原因であり、初期には無症状で進行すると 痛み/関節の変形 を伴います。治療法としては保存療法や手術があり、予防のためには⇒適度な運動・バランスの取れた食事・適正な薬の使用 が重要です。骨壊死のリスクを知り、日常生活での対策を心がけることが大切です。