どうも、担当者のヤマケンです→今回の疾病はいったいどのような病態なのでしょうか?それでは皆さん、御一緒に診ていきましょう。
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どんな病気?
骨軟化症(こつなんかしょう)とは…骨の石灰化が不十分になり、骨が柔らかくなってしまう病気です。成人に発症する疾患であり、子どもにおいては「くる病」と呼ばれます。
骨密度が低下する「骨粗鬆症」とは異なり、骨の質自体が低下する病気です。そのため、骨が変形しやすくなったり/骨折しやすくなったり するのが特徴です。

この記事は次のような人におすすめ!
・身体の不調で当てはまりそうな病気を探している
・長骨疾患について勉強している
・知的好奇心が旺盛
1.原因


原因とは…病気の発症メカニズム(病因論)の中でその役割が科学的に証明されることで認識され、複数の要因が相互に影響し合って病気を引き起こす場合もあり、それは 誘因/危険因子 として区別され「その疾患を成立させるために必要で且つ十分な条件」と定義できます。
以上を踏まえると、骨軟化症は主に以下の要因によって引き起こされます。
|ビタミンD不足
ビタミンD不足
ビタミンDは腸での カルシウム/リン の吸収を促進し、骨の正常な石灰化を助けます。ビタミンDが不足すると骨に十分な カルシウム/リン が沈着せず、骨が軟らかくなります。
> 日光不足
紫外線を浴びると体内でビタミンDが生成されるため。
> 食事の偏り
魚や卵、乳製品などのビタミンDを多く含む食品を摂らない。
> 肝疾患/腎疾患
ビタミンDの活性化が行われる 肝臓/腎臓 の機能低下。
|リン欠乏
リン欠乏
リンは骨の重要な構成成分の一つであり、不足すると骨が正常に形成されません。
> 慢性腎不全/腎臓病
尿中に過剰にリンが排泄される。
> 長期のアルミニウム含有制酸薬を使用
腸管からのリン吸収が阻害される。
|特定の疾患/薬剤の影響
特定の疾患/薬剤の影響
> 抗てんかん薬
ビタミンDの代謝を妨げる。
> 慢性腎不全/肝疾患
ビタミンDの活性化が妨げられる。
> 胃の切除手術後
栄養吸収能力の低下。
2.症状


症状とは…患者自身が主観的に認識する身体的または精神的な異常のことを指し、これは医療者が観察可能な徴候(しるし)と区別され⇒痛み・疲労・吐き気・不安 など、患者の自覚に基づく訴えが中心です。
症状は病気の診断や治療方針の決定において重要な情報源であり、患者と医療者のコミュニケーションを通じて初めて明らかになる点が特徴で、骨軟化症においては、骨の柔軟性が増すことによる 骨格異常/痛み に関連しており以下の通りです。
|骨の痛み
骨の痛み
- 腰
- 骨盤
- 大腿骨
- 肋骨
上記などに慢性的な鈍い痛みが生じる。
※運動時に痛みが悪化する
|筋力低下
筋力低下
立ち上がる/歩く といった動作が困難になる。
※筋肉の萎縮が進むこともある
|骨の変形
骨の変形
3.治療


治療とは…病気やケガなどの健康状態の異常を 改善/回復 させることを目的として行われる行為や介入を指し、具体的には⇒薬物療法・手術・リハビリテーション・心理的支援 などの方法が含まれ、症状の軽減/原因の除去/生活の質向上 を目指します。
治療の本質は科学的根拠に基づき、患者個々の状況に応じた最適な介入を選択することにあり、骨軟化症においては原因に応じ以下のような対策を講じることが重要です。
|ビタミンDの補充
ビタミンDの補充
> 食事療法
- 魚類(サケ/サバ)
- 卵
- 乳製品
- きのこ類
上記を積極的に摂取。
> 日光浴
1日15~30分程度の適度な紫外線を浴びる。
> ビタミンD製剤の投与
ビタミンD不足が顕著な場合、医師の指導のもと サプリメント/注射 による補充を行う。
|リン補給(リン欠乏性骨軟化症の場合)
リン補給(リン欠乏性骨軟化症の場合)
> 食事療法
- 肉類
- 乳製品
- 豆類
上記などのリンを多く含む食品を摂る。
> リン製剤の投与
体内のリン濃度を正常化させるために薬を使用する。
|基礎疾患の治療
基礎疾患の治療
> 腎疾患/肝疾患 の管理
透析/肝機能改善治療。
> 薬剤の見直し
ビタミンD代謝を阻害する薬の調整。
4.予防


予防とは…病気が発生する前にそのリスクを減少させる、または病気の進行を抑制し健康を維持するための 行動/介入 を指し、これには⇒一次予防(発症の防止)・二次予防(早期発見と治療)・三次予防(病状の悪化防止)が含まれます。
予防は個人の行動+社会環境+医療介入 の三位一体で行われるものであり、骨軟化症を防ぐために以下のような日常生活での予防策が重要です。
|十分なビタミンD+カルシウムの摂取
十分なビタミンD+カルシウムの摂取
- 食品からの摂取を意識する ※魚/卵/乳製品/きのこ類 など
- カルシウムが豊富な食品を摂る ※牛乳/小魚/大豆製品 など
- 医師の指導のもと必要に応じてサプリメントを活用
|適度な日光浴
適度な日光浴
1日15~30分、手や顔に日光を浴びる(過度な紫外線対策は逆効果)。特に屋内で過ごす時間が長い人は意識的に外に出る。
|規則正しい生活習慣+運動
規則正しい生活習慣+運動
- 適度な運動で骨の健康を維持 ※ウォーキング/軽い筋力トレーニング
- 禁煙/過度なアルコール摂取 を控える ※骨の代謝に悪影響
|健康診断を受ける
健康診断を受ける
定期的な健康診断で血中の ビタミンD/リン の値をチェックする。特に 腎疾患/肝疾患 のある人は、骨の健康状態を確認することが重要。
おわりに
骨軟化症は ビタミンD不足/リン欠乏 が主な原因となる病気であり、骨の柔軟性が増して痛みや変形を引き起こします。適切な治療を行うことで改善が可能ですが、予防が最も重要です。日常生活でビタミンD+カルシウムを十分に摂取し適度な 日光浴/運動 を心がけることで、骨軟化症のリスクを大幅に減らすことができます。