どうも、担当者のヤマケンです→今回の疾病はいったいどのような病態なのでしょうか?それでは皆さん、御一緒に診ていきましょう。
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どんな病気?
筋炎(きんえん)とは…筋肉に炎症が生じる疾患群を指します。この炎症により、筋力の低下や筋肉の痛みが生じることがあります。筋炎にはさまざまな種類があり、特に代表的なものとして以下が挙げられます。
多発性筋炎(PM)
筋肉の炎症が広範囲にわたる。
皮膚筋炎(DM)
筋炎に加えて皮膚に発疹などの症状が見られる。
封入体筋炎(IBM)
高齢者に多く見られ、ゆっくりと進行する筋力低下を特徴とする。

この記事は次のような人におすすめ!
・身体の不調で当てはまりそうな病気を探している
・骨格筋疾患について勉強している
・知的好奇心が旺盛
1.原因


原因とは…病気の発症メカニズム(病因論)の中でその役割が科学的に証明されることで認識され、複数の要因が相互に影響し合って病気を引き起こす場合もあり、それは 誘因/危険因子 として区別され「その疾患を成立させるために必要で且つ十分な条件」と定義できます。
以上を踏まえると、筋炎においては完全に解明されていませんが、主に以下の要因が関与していると考えられています。
|自己免疫反応
自分の免疫系が誤って筋肉を攻撃して炎症を引き起こす。
|感染症
ウイルスや細菌感染が筋肉に影響を及ぼす場合がある。
|薬剤/毒素
一部の薬物(スタチン/特定の抗生物質 など)や化学物質が、筋炎を引き起こすことがある。
|遺伝的要因
特定の遺伝的素因が関与する可能性。
|その他
がん/他の膠原病(リウマチ性疾患)に伴って発症する場合がある。
2.症状


症状とは…患者自身が主観的に認識する身体的または精神的な異常のことを指し、これは医療者が観察可能な徴候(しるし)と区別され⇒痛み・疲労・吐き気・不安 など、患者の自覚に基づく訴えが中心です。
症状は病気の診断や治療方針の決定において重要な情報源であり、患者と医療者のコミュニケーションを通じて初めて明らかになる点が特徴で、筋炎においては以下の通りです。
|筋力低下
特に肩や骨盤周辺の筋肉が弱くなる。
|筋肉の痛み/こわばり
運動/安静 時に感じることがある。
|疲労感
筋肉の炎症に伴う全身的な疲労。
|発熱
炎症の程度によっては発熱を伴う場合がある。
|皮膚症状(皮膚筋炎の場合)
顔/関節周囲 に紫紅色の発疹が現れる。
|嚥下困難
食べ物を飲み込む際に問題が生じる場合がある。
3.治療


治療とは…病気やケガなどの健康状態の異常を 改善/回復 させることを目的として行われる行為や介入を指し、具体的には⇒薬物療法・手術・リハビリテーション・心理的支援 などの方法が含まれ、症状の軽減/原因の除去/生活の質向上 を目指します。
治療の本質は科学的根拠に基づき、患者個々の状況に応じた最適な介入を選択することにあり、筋炎においては原因や症状の重さに応じて調整され、以下が一般的な治療法です。
|薬物療法
薬物療法
> 副腎皮質ステロイド
炎症を抑えるために使用。
> 免疫抑制剤
自己免疫反応を制御するための薬。
※メトトレキサート/アザチオプリン など
> 生物学的製剤
リツキシマブなど、『新しい治療』の選択肢。
|リハビリテーション
リハビリテーション
- 筋力トレーニング/ストレッチ
- 理学療法による筋肉の柔軟性改善
|感染症治療
感染症治療
感染が原因の場合は、抗菌薬/抗ウイルス薬 を使用する。
|合併症への対応
合併症への対応
嚥下障害/肺炎 の予防および治療。
4.予防


予防とは…病気が発生する前にそのリスクを減少させる、または病気の進行を抑制し健康を維持するための 行動/介入 を指し、これには⇒一次予防(発症の防止)・二次予防(早期発見と治療)・三次予防(病状の悪化防止)が含まれます。
予防は個人の行動+社会環境+医療介入 の三位一体で行われるものであり、筋炎を完全に予防する方法は確立されていませんが、以下の点に注意することでリスクを低減できます。
|感染予防
感染予防
手洗い/適切な衛生管理 を行い感染症を防ぐ。
|薬剤の適正使用
薬剤の適正使用
筋炎を引き起こす可能性のある薬剤を使用する際には、医師と相談する。
|定期検診
定期検診
異常があれば早期発見、そして治療につなげる。
|バランスの取れた生活
バランスの取れた生活
- 栄養バランスの取れた食事
- 適度な運動で筋力を維持
- ストレスを溜めない生活習慣
|自己免疫疾患の管理
自己免疫疾患の管理
他の自己免疫疾患を持つ場合は、適切な治療を受ける。
おわりに
筋炎は早期発見と適切な治療が重要な疾患です。体に異常を感じた場合は速やかに医療機関を受診し、専門的な診断を受けることをお勧めします。