どうも、担当者のヤマケンです→今回の疾病はいったいどのような病態なのでしょうか?それでは皆さん、御一緒に診ていきましょう。
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どんな病気?
視覚失認(しかくしつにん)とは…視覚機能そのものが正常であるにもかかわらず、視覚情報を正しく 認識/解釈 することが困難になる神経学的な症状を指します。具体的には⇒物体・顔・文字・色 などを識別する能力が損なわれることがあり、視覚認知のプロセスに関連する脳の特定の領域が損傷することで発生します。

この記事は次のような人におすすめ!
・身体の不調で当てはまりそうな病気を探している
・後頭葉疾患について勉強している
・知的好奇心が旺盛
1.原因


原因とは…病気の発症メカニズム(病因論)の中でその役割が科学的に証明されることで認識され、複数の要因が相互に影響し合って病気を引き起こす場合もあり、それは 誘因/危険因子 として区別され「その疾患を成立させるために必要で且つ十分な条件」と定義できます。
以上を踏まえると、視覚失認においては脳の後頭葉や側頭葉、特に視覚情報を処理する部分が損傷することであり、以下が損傷の原因となります。
|脳卒中
血管障害による脳の酸素供給不足が、後頭葉や側頭葉に影響を与える。
|頭部外傷
事故や衝撃による脳の直接的な損傷。
|脳腫瘍
視覚情報処理に関与する部位に腫瘍ができる。
|感染症/炎症
脳炎などが原因で脳組織が炎症を起こす場合。
2.症状


症状とは…患者自身が主観的に認識する身体的または精神的な異常のことを指し、これは医療者が観察可能な徴候(しるし)と区別され⇒痛み・疲労・吐き気・不安 など、患者の自覚に基づく訴えが中心です。
症状は病気の診断や治療方針の決定において重要な情報源であり、患者と医療者のコミュニケーションを通じて初めて明らかになる点が特徴で、視覚失認においては損傷部位やその範囲によって異なり以下のようなものが一般的です。
|物体失認
見えている物体を認識できない。
※例えばリンゴを見てもそれが何かわからない
|顔貌失認(プロソパグノシア)
知人や家族の顔を識別できなくなる。
|文字失認(アレクシア)
文字や単語を読むことが難しくなる。
|色彩失認
色を識別または名前付けすることができなくなる。
|空間失認
物体の配置や距離感を理解するのが困難になる。
3.治療


治療とは…病気やケガなどの健康状態の異常を 改善/回復 させることを目的として行われる行為や介入を指し、具体的には⇒薬物療法・手術・リハビリテーション・心理的支援 などの方法が含まれ、症状の軽減/原因の除去/生活の質向上 を目指します。
治療の本質は科学的根拠に基づき、患者個々の状況に応じた最適な介入を選択することにあり、視覚失認には根本的な治療法はありませんが、以下の方法で症状を軽減または適応することが可能です。
|リハビリテーション
作業療法や認知療法を通じて残存する機能を強化し、代償的なスキルを習得する。
|視覚補助ツールの使用
特殊な眼鏡/電子デバイス を用いて視覚認知を補助する。
|環境適応
患者が日常生活で混乱しないように生活空間を調整する。
4.予防


予防とは…病気が発生する前にそのリスクを減少させる、または病気の進行を抑制し健康を維持するための 行動/介入 を指し、これには⇒一次予防(発症の防止)・二次予防(早期発見と治療)・三次予防(病状の悪化防止)が含まれます。
予防は個人の行動+社会環境+医療介入 の三位一体で行われるものであり、視覚失認を完全に防ぐことは難しいですが以下の方法でリスクを軽減できます。
|脳卒中/心血管疾患 の予防
- 健康的な食生活
- 適度な運動
- 禁煙
- 血圧/コレステロールの 管理
|頭部外傷の予防
自転車や車の運転時に ヘルメット/シートベルト を着用する。
|感染症のリスク軽減
予防接種を受けるほかに、免疫力を高める生活習慣を維持する。
おわりに
視覚失認は非常に複雑な症状であり、患者ごとに異なるサポートが必要です。適切な医療機関で診断を受け、専門家と相談しながら治療や対策を進めることが重要です。