どうも、担当者のヤマケンです→今回の疾病はいったいどのような病態なのでしょうか?それでは皆さん、御一緒に診ていきましょう。
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どんな病気?
胆嚢炎(たんのうえん)とは…胆嚢(胆汁を一時的に貯蔵する臓器)に炎症が起こる病気です。胆嚢炎には急性胆嚢炎と慢性胆嚢炎の2種類があります。
急性胆嚢炎
突然発症して特に激しい症状を伴います。一般的に胆石が胆嚢の出口(胆嚢管)を塞ぐことが原因で、胆汁が詰まって炎症が引き起こされます。
慢性胆嚢炎
胆石が繰り返し胆嚢内で刺激を与えることで、長期的に炎症や組織の硬化が進行します。

この記事は次のような人におすすめ!
・身体の不調で当てはまりそうな病気を探している
・胆嚢疾患について勉強している
・知的好奇心が旺盛
1.原因


原因とは…病気の発症メカニズム(病因論)の中でその役割が科学的に証明されることで認識され、複数の要因が相互に影響し合って病気を引き起こす場合もあり、それは 誘因/危険因子 として区別され「その疾患を成立させるために必要で且つ十分な条件」と定義できます。
以上を踏まえると、胆嚢炎において主な原因には以下が挙げられます。
|胆石症
胆石が胆嚢管を塞ぐことで胆汁の流れが妨げられて、細菌感染/炎症 が発生します。
|細菌感染
胆汁内に細菌(大腸菌/クレブシエラ菌 など)が侵入して、炎症を引き起こします。
|胆汁うっ滞
胆汁の流れが低下または停止すると、炎症のリスクが高まります。
|外傷/手術
外傷や腹部手術が原因で胆嚢にダメージが生じ、炎症を起こすことがあります。
|免疫機能の低下
高齢者や糖尿病患者など、免疫力が低下している場合に発症しやすいです。
2.症状


症状とは…患者自身が主観的に認識する身体的または精神的な異常のことを指し、これは医療者が観察可能な徴候(しるし)と区別され⇒痛み・疲労・吐き気・不安 など、患者の自覚に基づく訴えが中心です。
症状は病気の診断や治療方針の決定において重要な情報源であり、患者と医療者のコミュニケーションを通じて初めて明らかになる点が特徴で、胆嚢炎において主な症状には以下が含まれます。
- 右上腹部の強い痛み(胆石疝痛)※痛みが 背中/右肩 に広がる
- 発熱/寒気
- 吐き気/嘔吐
- 黄疸 ※皮膚/白目 が黄色くなる
- 腹部を押すと強い痛みを感じる ※圧痛
3.治療


治療とは…病気やケガなどの健康状態の異常を 改善/回復 させることを目的として行われる行為や介入を指し、具体的には⇒薬物療法・手術・リハビリテーション・心理的支援 などの方法が含まれ、症状の軽減/原因の除去/生活の質向上 を目指します。
治療の本質は科学的根拠に基づき、患者個々の状況に応じた最適な介入を選択することにあり、胆嚢炎においては症状の重症度や原因に応じて異なり、以下の方法があります。
|軽症の場合
軽症の場合
> 抗生物質の投与
細菌感染を抑えるために抗生物質が用いられます。
> 絶食と点滴
胆嚢の負担を減らすために絶食し、必要な栄養と水分は点滴で補給します。
|重症の場合
重症の場合
> 胆嚢摘出術
急性胆嚢炎が重症化した場合は、胆嚢摘出術(腹腔鏡手術が一般的)が行われます。
※慢性胆嚢炎でも症状が再発する場合に行う
> 経皮経肝胆嚢ドレナージ(PTGBD)
手術が困難な場合は、一時的に胆嚢内の胆汁を体外に排出する処置が行われる。
4.予防


予防とは…病気が発生する前にそのリスクを減少させる、または病気の進行を抑制し健康を維持するための 行動/介入 を指し、これには⇒一次予防(発症の防止)・二次予防(早期発見と治療)・三次予防(病状の悪化防止)が含まれます。
予防は個人の行動+社会環境+医療介入 の三位一体で行われるものであり、胆嚢炎においては以下の対策が有効です。
|胆石症の予防
胆石症の予防
脂肪分の多い食事を控えてバランスの良い食生活を心がけ、適切な体重管理を行う。
※急激な減量は胆石リスクを高める
|生活習慣の改善
生活習慣の改善
規則正しい食事を摂り(長時間の空腹を避ける)、適度な運動を取り入れる。
|基礎疾患の管理
基礎疾患の管理
糖尿病などの持病を適切にコントロールする。
|健康診断
健康診断
胆石の有無や胆嚢の状態をチェックする。
おわりに
胆嚢炎は早期発見や治療が重要です。疑わしい症状がある場合は早めに医療機関を受診してください。