どうも、担当者のヤマケンです→今回の疾病はいったいどのような病態なのでしょうか?それでは皆さん、御一緒に診ていきましょう。
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どんな病気?
潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん)とは…大腸(結腸/直腸)の粘膜に慢性的な炎症が生じる自己免疫性の疾患で、主に潰瘍(粘膜の損傷)を形成する炎症性腸疾患(IBD)の一種です。
原因が完全に解明されていないため、根治は難しく再発を繰り返す特徴があります。症状の重さや広がりによって個人差があり、発症年齢は若年層に多いですが年齢に関係なく誰でも発症する可能性があります。

この記事は次のような人におすすめ!
・身体の不調で当てはまりそうな病気を探している
・大腸疾患について勉強している
・知的好奇心が旺盛
1.原因


原因とは…病気の発症メカニズム(病因論)の中でその役割が科学的に証明されることで認識され、複数の要因が相互に影響し合って病気を引き起こす場合もあり、それは 誘因/危険因子 として区別され「その疾患を成立させるために必要で且つ十分な条件」と定義できます。
以上を踏まえると、潰瘍性大腸炎においては未だ全容は不明ですが、以下の要因が複合的に関与していると考えられています。
|免疫系の異常
免疫系の異常
本来であれば腸内細菌や免疫系が、誤って大腸の粘膜を攻撃することによって炎症が起こるとされています。
|遺伝的要因
遺伝的要因
家族内での発症リスクが高いことが報告されており、遺伝的な素因が関与している可能性があります。
|環境要因
環境要因
- 食生活(高脂肪食や加工食品の摂取)
- 喫煙習慣
- ストレス
- 感染症
上記などが引き金となる場合があります。
|腸内細菌の異常
腸内細菌の異常
腸内の微生物バランスが崩れると、炎症を引き起こす要因となる可能性があります。
2.症状


症状とは…患者自身が主観的に認識する身体的または精神的な異常のことを指し、これは医療者が観察可能な徴候(しるし)と区別され⇒痛み・疲労・吐き気・不安 など、患者の自覚に基づく訴えが中心です。
症状は病気の診断や治療方針の決定において重要な情報源であり、患者と医療者のコミュニケーションを通じて初めて明らかになる点が特徴で、潰瘍性大腸炎においては個人差があり、病状の進行具合や炎症の広がりによって異なりますが、主な症状は以下の通りです。
|消化器症状
消化器症状
- 下痢 ※しばしば血便を伴う
- 腹痛や腹部の不快感
- 排便回数の増加
|全身症状
全身症状
- 発熱
- 倦怠感 ※だるさ
- 食欲不振と体重減少
|その他
その他
- 関節痛
- 皮膚の異常
- 目の炎症
重症例では、上記などの全身症状を伴うことがあります。
3.治療


治療とは…病気やケガなどの健康状態の異常を 改善/回復 させることを目的として行われる行為や介入を指し、具体的には⇒薬物療法・手術・リハビリテーション・心理的支援 などの方法が含まれ、症状の軽減/原因の除去/生活の質向上 を目指します。
治療の本質は科学的根拠に基づき、患者個々の状況に応じた最適な介入を選択することにあり、潰瘍性大腸炎においては症状の緩和と再発防止を目的に行われており、治療法には以下が含まれます。
|薬物療法
薬物療法
> 5-アミノサリチル酸(5-ASA)製剤
炎症を抑える基本的な薬。
> ステロイド
中等度から重度の炎症を短期間で抑えるために使用。
> 免疫抑制剤
免疫系の過剰な反応を抑制する。
> 生物学的製剤
免疫系の特定の分子をターゲットにした治療。
|外科的治療
外科的治療
薬物療法で効果が得られない場合は、手術で病変部を切除します。もしくは完全な大腸の切除で症状を治癒させる場合もあります。
|栄養療法
栄養療法
栄養状態を改善し、腸への負担を減らすための食事療法が行われます。
4.予防


予防とは…病気が発生する前にそのリスクを減少させる、または病気の進行を抑制し健康を維持するための 行動/介入 を指し、これには⇒一次予防(発症の防止)・二次予防(早期発見と治療)・三次予防(病状の悪化防止)が含まれます。
予防は個人の行動+社会環境+医療介入 の三位一体で行われるものであり、潰瘍性大腸炎においては明確な方法はありませんがリスクを低減するために、以下の生活習慣を意識することが推奨されます。
|腸内環境を整える
腸内環境を整える
- バランスの取れた食事を心がけて 発酵食品/食物繊維 を多く摂取する
- プロバイオティクスを含む 食品/サプリメント を取り入れる
|ストレス管理
ストレス管理
適度な運動やリラクゼーションを取り入れてストレスを軽減する。
|生活習慣を改善する
生活習慣を改善する
- 禁煙を心がける
- アルコールや脂肪分の多い食事を控える
|健康診断
健康診断
症状がない場合でも、腸の健康状態を確認することが重要です。
おわりに
潰瘍性大腸炎は慢性疾患であるため、早期の診断と適切な治療が大切です。疑わしい症状がある場合は、専門医に相談することをおすすめします。